石川県のご当地グルメ代表の一つと言えば「8番らーめん」です。きっと、いや石川県民なら必ず首を縦に振って頷いてくれるはずです。九州や関東でいうリンガーハットのような感じのお店ですが、我らが“8番”はもっともっと県民に根付いています。私も小さい頃からずっと8番らーめんを食べていますが、私のように家族で8番に通ったという石川県民は多いはずですし、「8番で育った」と言っても大袈裟じゃないくらいです。
さて、この「8番らーめん」、一体どんならーめんが食べられて、なぜそんなに県民のハートを掴んでいるんでしょうか。
外食文化研究家 雅珠香

掘っ立て小屋から世界へ

8番らーめんの歴史ですが、創業は昭和42年(1967年)にさかのぼります。
ということは、今年2017年はアニバーサリーイヤー。2017年2月11日で50周年を迎えます。
外食文化研究家 雅珠香

1号店は加賀市国道8号線沿いの、田んぼの真ん中の掘っ建て小屋同然のラーメン店だったそうです。店名は、国道8号線にちなんで「8番らーめん」と名付けられたました(という説あり)。(写真は8番らーめんさん提供)
外食文化研究家 雅珠香

1号店を皮切りに店舗数をどんどん増やし、現在石川県内には50店舗あります(2017年2月4日現在)。観光の方は、街を歩けば8番らーめんをちょくちょく見かけるはずです。
ちなみに、金沢駅の中にある店舗は朝10時から営業しているので、遅めのモーニングとしても利用もできますよ。

日本全国では富山県や福井県など北陸を中心に合計123店舗あります。
さらに海外はアジアにも進出しており、特にタイに大きく展開しており、なんと115店舗もあるそうですよ(2017年2月4日現在)。タイでタクシーに乗って運転手さんに「8番らーめんに行ってください」と言うと、「どの8番ですか?」と聞き返されるほど多いのだとか。ちなみにタイで一番人気のメニューは、ご当地色溢れる「トムヤムらーめん」です(日本でも一度期間限定で提供されたことがあります)。

外食文化研究家 雅珠香

石川県民が8番へ行く一番の目的は

「8番、ハチバン」と愛されて続けている8番らーめんですが、通う一番大きな理由はやはりコレ。

“野菜たっぷり”なことです。

8番のらーめんには、強い火力で炒めたシャキシャキのキャベツやもやしがどっさりのっています。そのため、お子様連れのファミリーや女性客も多いですね。気になるお味の方は、究極のおいしさを求めているというよりも、週に何度でも食べたくなる安定感のある飽きないおいしさを目指しているため、おふくろの味的安心感があるように思います。(県外の方にとっては予想と違う味かも。でも我々にとっては親しみ深い味です。)
8番らーめんのCMキャッチコピーである「なんでやろ8番」どおり、思いついたようにふと食べたくなる味、体が欲する味です。
(ちなみに、8番らーめんのトレードマークである8カマですが、8の赤い部分は、現在では天然由来の色素を使用しています。)

人気メニューと私ランキング

8番らーめんには、定番を中心にたくさんのメニューがありますが、、、
外食文化研究家 雅珠香

広報さんに人気メニューをお伺いしたところ、揺るぎないトップ2は、

「野菜ラーメン塩」と「野菜らーめん味噌」

なのだそうです。

石川県民にとっては「うむ、納得。」といった感じ。この「野菜らーめん」はメインメニューで、味噌、塩、醤油、とんこつ、バター風味の5つの味があり、どれも価格は統一の税込604円です。ボリュームもありますから、手頃感ありだと思いますよ。
実際には味噌味の人気度が若干上回っていたそうですが、ケンミンショーで塩味が取り上げられてからは塩のオーダーが増えたのだとか。。。テレビ効果ってスゴイ。石川県民の間では時折、「絶対味噌や!いつも味噌しか食べんよ!」「イヤ、塩が1番ウマイね!8番は塩じゃないと!」と、塩派と味噌派で論争が起こることも~。しかしどちらにも共通しているのは、スープが野菜と8番ならではの“太麺”にぴったり合うこと。もりもり野菜が進む味に計算されている点は、なんだかお母さんの愛情のようにも感じられます。

●野菜らーめん塩(税抜560円、税込604円)
スープはあっさりまろやかで、じわじわと甘さが立ち上る飽きないおいしさ。野菜の甘さにもマッチ。
外食文化研究家 雅珠香

●野菜らーめん味噌(価格同)
オールシーズン食べますが、特に寒い日はこっちを選んじゃうって人も。
ちなみに2016年12月から、よりおいしくリニューアルされています。2年以上天然熟成させた加賀味噌(米味噌)に米麹を加え、ニンニクや生姜も増量。深みと横幅のあるコクと後引く辛味と甘味。うーむ、やっぱりおいしい。
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香
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また、「小さな野菜らーめん」と言って、野菜は通常サイズ1人前分で“麺はハーフサイズ”というのもあります。「麺が多い」「ダイエット中」という方もこれなら思い切り楽しめると思います。価格は税別470円で、税込でもおおよそワンコイン(507円)というのも嬉しい。
さらにさらに、「野菜大盛り」というカスタムトッピングもあり。プラス150円(税込162円)で野菜が通常の2倍に!これはすごいですね。1日に必要な野菜の量を摂取することができます。
外食文化研究家 雅珠香

そして、野菜らーめんの塩と味噌に続き、人気ランキング3位はこれ。
●野菜こく旨らーめん(税抜660円、税込712円)
豚脂がスープの表面を覆う濃厚なとんこつスープに、黒いマー油が回しかけてあり食欲がそそられます。小豆島産本醸造醤油とのマッチングも間違いないおいしさ。あっという間に完食。
外食文化研究家 雅珠香

そしてこちらは、人気度の高い季節限定メニュー。

●酸辣湯麺(サンラータンメン)(税別690円)
冬の風物詩人気メニューで、提供は10月1日〜3月末頃まで。2003年の発売から14年目に突入しており、もう石川県の冬の風物詩のひとつに。寒くなってくると、「8番サンラータン食べたいな」とうずうずしてきます。ふわふわ玉子入りのとろみスープが、冷えた体をポカポカ温めてくれそうでしょ。ちなみに発売当初はもっとエッジの効いた味でしたが、年々万人ウケする優しい味にしているそうです。その変わり、トッピング調味料の紅油と黒酢にこだわり、自身で味の好みを調整できるようにしています。“紅油”には、島根県産の「神出雲唐辛子」と和歌山県産の山椒をプラスし、ただ辛いのではなく旨味があって風味も豊か。“黒酢”は、大麦黒酢に「玄米黒酢」が新たにブレンドされ、より深く複雑な味わいに。
外食文化研究家 雅珠香

●中島菜ざるらーめん
夏のお楽しみは、能登野菜の中島菜を練り込んだ「中島菜ざるらーめん」。練り込みのないシンプルなざるらーめんもありますが、緑の麺が涼を誘うので、私はこちらのほうが好きです。
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ちなみに私の中のトップ3(味で選ぶと)、
1位 牛もつ煮らーめん(※期間限定、現在販売はしておりません。)
2位 唐麺
3位 野菜担々麺
 

●牛もつ煮らーめん(期間限定)
甘辛い味噌ダレが絡んだ牛もつをトッピングしてあります。
基本的に私はお酒が進みそうなやつが好きなんでしょうね(笑)ビールか日本酒が飲みたくなる味でもあります。うまい!
外食文化研究家 雅珠香

●唐麺(1玉:税別630円、2玉:税別810円)
特製ダレを太麺に絡ませて食べる汁なし麺で、辛さとコクで食べ出したら止まらぬうまさ。お酢をたっぷり入れて味に変化を付けながらもいいですね。2玉にもできます(笑)最近トッピングに「温玉」が増えたので、これをのせても良さそうです。
外食文化研究家 雅珠香

ですが、やはり野菜食べたさに足を運ぶことが多いので、オーダー回数は圧倒的に「野菜らーめん」の味噌。もしくは塩が多いです、、、。

激レア限定メニュー次はエッジ効いた冒険らーめん

8番の良さは“安定感と安心感”なのですが、時折イベント的に出現する「限定メニュー」も要チェック。面白い企画メニューがあって目が離せません。次の新商品を楽しみにしている人も少なくないはずです。そして、短い期間限定のメニューでありながら、お客さんの「また食べたい」という要望が殺到し、定番メニューになっちゃうことも。それほど強力な商品開発部隊を持っている8番。

そう、たまにやってくれるチャレンジメニューも見逃せないんです!

最近リリースされたのは、なんと「パクチー入り酸辣湯麺(サンラータンメン)」という大冒険メニュー。
冬メニューとして定番化された「酸辣湯麺」に、個性派ハーブのパクチーをトッピング!8番さんは万人ウケするメニューばかりですから、さすがにこれは「大丈夫かなぁ」「受け入れてもらえるのかなぁ」と開発さんも不安げ。先日2017年2月1日から加賀市の本店と辰口店の2店舗のみ限定で、試験的に発売が開始しました。かなりの限定販売に探り探り感が出ていますが、いやいや根強いパクチーファン(パクチニスト)にとっては「待ってました!」。「まさか8番にパクチーが」と話題に!遠出して食べに行く人も現れています。さすがに“万人ウケ”とはいきませんが、思いの外人気で、逆に8番さんが驚いていました。

●パクチー入り酸辣湯麺(税抜780円)
外食文化研究家 雅珠香

わー!ホントにパクチー入ってます~!
辣油などの辛味がパクチーの独特な風味にぴったりの相性で、あぁもぅ食べ出したら止まらない。さらに 調味料の“ねぎ油” も、美味しさを昇華させるのに一役買っていました。人気なら来年も販売になるはずです。

外食文化研究家 雅珠香

ちなみに「パクチー増し(税抜90円)」もありますから、お好きな人はぜひ増し増しでどうぞ!

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地元民でも知らないレアネタ8番

オーダーしてからそんなに待つことはない8番らーめんですが、その中でも1番時間がかかるメニューは何だと思いますか?

なんと、意外にも「ギョーザ」なんです。
外食文化研究家 雅珠香

焼きに約6分ほどかかるそうで、らーめんよりも時間を要するのだとか。ですから、ランチ時などの混む時間帯はオーダーが殺到するため、予め見計らって焼いておく場合もあり、早く出てくることもあります。

【お得情報 なんでやろドットコム】
石川県民は既に登録済みの人が多いかもしれませんが、8番さんのモバイルサイト「なんでやろドットコム」に登録するのはオススメです。
毎月8のつく日(8日・18日・28日)は、おトクな割引クーポンが配信されています。500円お食事券が当たることもありますよ。

【なぜ愛されて続けているのか まとめ】
さて、ここまで書いてきましたが、8番らーめんが長く愛され続けている理由は大きく5つだと思います。
(1)なんと言っても “野菜たっぷり” で、食べ手の健康面に配慮していること。(2)週に何度でも食べられる飽きない(計算された)おいしさ。(3)定番の「野菜らーめん」シリーズは税込604円の手頃価格(ギョーザもセットにしたくなる)。(4)「麺ハーフ」や「野菜大盛り」など、食べ手のニーズに寄り添ってくれるところ。(5)新メニュー開発にも余念なく、常に目が離せない。「次は何?」のワクワク感、探求心を掻き立ててくれるメニュー。

この記事を見た石川県民は、また8番が食べたくなってうずうずしちゃっていることでしょう。
「ああ、なんでやろ8番。」
外食文化研究家 雅珠香