石川県民の8番らーめん愛がスゴイ!愛され続ける8つの理由とは。なんでやろハチバン

(2017.2.7投稿の記事に新情報を随時加筆しています。最終編集2023.5.23)
石川県のご当地グルメ代表の一つと言えば「8番らーめん」です。きっと、いや石川県民なら必ず首を縦に振って頷いてくれるはずです。九州や関東でいうリンガーハットのような感じのお店ですが、我らが“8番”はもっともっと県民に根付いています。私も小さい頃からずっと8番らーめんを食べていますが、私のように家族で8番に通ったという石川県民は多いはずですし、“8番で育った”と言っても大袈裟じゃないくらいです。
さて、この「8番らーめん」、一体どんならーめんが食べられて、なぜそんなに県民のハートを掴んでいるんでしょうか。

掘っ立て小屋から世界へ

8番らーめんの創業は昭和42年(1967年)、ちなみに2022年2月11日で55周年を迎えました。
1号店は加賀市国道8号線沿いの、田んぼの真ん中の掘っ建て小屋同然のラーメン店だったそうです。店名は、国道8号線にちなんで「8番らーめん」と名付けられたました(という説あり)。(写真は8番らーめんさん提供)
外食文化研究家 あすか
1号店を皮切りに店舗数をどんどん増やし、現在石川県内には約50店舗あります。観光の方は、街を歩けば8番らーめんをちょくちょく見かけるはずです。
(ちなみに、金沢駅の中にある店舗は朝10時から営業しているので、遅めのモーニングとしても利用もできますよ。)

(2022/7/21 時点のHP情報を参考)日本国内では、石川県、富山県、福井県など北陸を中心に合計116店舗あります。
さらに海外はアジアにも進出しており、特にタイに大きく展開しています。タイに147店舗(2022/7/7 現在)あります。その他、香港5店舗、ベトナム1店舗。日本の店舗数よりもタイの店舗数の方が多いなんて。
ちなみにタイで一番人気のメニューは、ご当地色溢れる「トムヤムチャーシューらーめん」です。

タイ出店30周年記念の期間限定「トムヤムらーめん」と、現地タイ8番の様子はこちら↓

【8番らーめん】タイ出店30周年記念の期間限定「トムヤムらーめん」発売中!現地タイ8番の様子もお見せします!

タイの8番らーめんは、日本の8番らーめんをそのまま持って行っていて“from JAPAN” な感じです。それがウケているんですよね。ただ、タイ人の方はほとんど日本の企業だということは知らず、タイの企業だと本気で思っています(笑)。それだけ多いってことですね。また、日本にもないメニューもあって面白かったですよ。8カマ単品とか、たこ焼き、焼きそばなども。

石川県民が8番へ行く一番の目的は

「ハチバン」と愛されて続けている8番らーめんですが、通う一番大きな理由はやはりコレ。

“野菜たっぷり”なことです。
8番のらーめんには、強い火力で炒めたシャキシャキのキャベツやもやしがどっさりのっています。そのため、お子様連れのファミリーや女性客も多いですね。気になるお味の方は、究極のおいしさを求めているというよりも、週に何度でも食べたくなる安定感のある飽きないおいしさを目指しているため、おふくろの味的安心感があるように思います。(県外の方にとっては予想と違う味かも。でも我々にとっては親しみ深い味です。)
8番らーめんのCMキャッチコピーである「なんでやろ8番」どおり、思いついたようにふと食べたくなる味、体が欲する味です。
(ちなみに、8番らーめんのトレードマークである8カマですが、8の赤い部分は、現在では天然由来の色素を使用しています。)

8番らーめん人気TOP3と私のTOP3

8番らーめんには、定番を中心にたくさんのメニューがありますが、、、
広報さんに人気メニューをお伺いしたところ、揺るぎないトップ2はやはり、
「野菜らーめん塩」「野菜らーめん味噌」なのだそうです。

石川県民にとっては「うむ、納得。」といった感じ。この「野菜らーめん」はメインメニューで、味噌、塩、醤油、とんこつ、バター風味の5つの味があります。
実際には味噌味の人気度が若干上回っていたそうですが、ケンミンショーで塩味が取り上げられてからは塩のオーダーが増えたのだとか。(テレビ効果ってスゴイ。)石川県民の間では時折、「絶対味噌や!いつも味噌しか食べんよ!」「イヤ、塩が1番ウマイね!8番は塩じゃないと!」と、塩派と味噌派で論争が起こることも~。しかしどちらにも共通しているのは、スープが野菜と8番ならではの“太麺”にぴったり合うこと。もりもり野菜が進む味に計算されている点は、なんだかお母さんの愛情のようにも感じられます。

●野菜らーめん塩
スープはあっさりまろやかで、じわじわと甘さが立ち上る飽きないおいしさ。野菜の甘さにもマッチ。
外食文化研究家 あすか

●野菜らーめん味噌
オールシーズン食べますが、特に寒い日はこっちを選んじゃうって人も。
ちなみに2016年12月から、よりおいしくリニューアルされています。2年以上天然熟成させた加賀味噌(米味噌)に米麹を加え、ニンニクや生姜も増量。深みと横幅のあるコクと後引く辛味と甘味。うーむ、やっぱりおいしい。

また、「小さな野菜らーめん」と言って、野菜は通常サイズ1人前分で“麺はハーフサイズ”というのもあります。「麺が多い」「ダイエット中」という方もこれなら思い切り楽しめると思います。
さらにさらに、「野菜大盛り」というカスタムトッピングもあり、野菜を通常の2倍にできます。これはすごいですね。1日に必要な野菜の量を摂取することができます。

お得なギョーザセットメニューもあり!
小さな野菜らーめんとギョーザのセットはボリューム的にもちょうどだし、どっちも食べられていいね!

そして、野菜らーめんの塩と味噌(人気1位、2位)に続き、人気ランキング3位はこれなんです。
●野菜こく旨らーめん
豚脂がスープの表面を覆う濃厚なとんこつスープに、黒いマー油が回しかけてあり食欲がそそられます。小豆島産本醸造醤油とのマッチングも間違いないおいしさ。あっという間に完食。
外食文化研究家 あすか

ちなみに私の中のトップ3は、
1位 唐麺
2位 牛もつ煮らーめん
3位 酸辣湯麺
です。

唐麺
特製ダレを太麺に絡ませて食べる汁なし麺で、辛さとコクで食べ出したら止まらぬうまさ。お酢をたっぷり入れて味に変化を付けながらもいいですね。2玉にもできます(笑)
外食文化研究家 あすか
メンマ追加も好きです。

牛もつ煮らーめん ※期間限定
甘辛い加賀味噌ダレが絡んだ牛もつをトッピングしてあります。基本的に私はお酒が進みそうなやつが好きなんでしょうね(笑)ビールか日本酒が飲みたくなる味でもあります。うまい!

「8番らーめん」【野菜牛もつ煮らーめん】2023年1月13日から期間限定販売。 一番好きなやつキター!

酸辣湯麺 ※冬季限定
秋冬の風物詩。寒くなってくると「8番のサンラータン食べたいな」とうずうずしてきます。8番酢たっぷりかけて食べるのが好き。

ですが、やはりオーダー回数は圧倒的に「野菜らーめん」の味噌。もしくは塩が多いです、、、。

毎年楽しみにしている季節メニュー

そしてこちらは、人気度の高い季節限定メニューです。
●酸辣湯麺(サンラータンメン)
提供は10月1日〜3月末頃まで。2003年から発売しており、もう石川県の冬の風物詩のひとつに。ふわふわ玉子入りのとろみスープが冷えた体をポカポカ温めてくれます。“紅油”は「神出雲唐辛子」(島根県産)と「ぶどう山椒」(和歌山県産)のブレンド。大麦黒酢に玄米黒酢をブレンドした“8番酢”を自分好みにかけて味を調整しながら。

●野菜トマトらーめん
毎夏の定番になった、福井県のブランドミディトマト「越のルビー」を使用したラーメン。越のルビーは25%増量したそうです。太麺に負けないトマトの凝縮した旨味が印象的。
トッピングには、サワークリーム・とろけるチーズ・ライスがあります。チーズ系は味変として、ライスを入れたらリゾットに。

とろけるチーズはとろけて麺に絡んで、トマトの太陽の味にマッチ。

●ざるらーめん
毎年夏のお楽しみ。ひんやりしなやかな麺が、喉を滑って涼しい。シンプルなのにひたすら食べたくなります。

●中島菜ざるらーめん
能登野菜の中島菜を練り込んだ、緑の麺が涼を誘うざるらーめん。こっちも好きです。
外食文化研究家 あすか

目が離せない!冒険しちゃってる限定のやつ

8番の良さは“安定感と安心感”なのですが、時折イベント的に出現する「限定メニュー」も要チェック。面白い企画メニューがあって目が離せません。次の新商品を楽しみにしている人も少なくないはずです。そして、短い期間限定のメニューでありながら、お客さんの「また食べたい」という要望が殺到し、定番メニューになっちゃうことも。それほど強力な商品開発部隊を持っている8番。
そう、たまに“やってくれる”チャレンジメニューも見逃せないんです!

とんこつ白湯らーめん
2022年11月18日から期間限定販売の8番スタイルのちゃんぽん「とんこつ白湯らーめん」です。スープは豚骨や鶏の白湯(パイタン)がベースで、11種類の具がたっぷり乗っています。

トムヤムクンらーめん
タイ出店30周年記念の期間限定で発売したタイ現地で人気のメニューです。海老とパクチー、ふくろたけもしっかりトッピングした真っ赤なスープのトムヤムクーンらーめん。運ばれてくると同時にタイの香りが鼻腔をくすぐります。日本人の味覚に媚びない尖った味わいが最高!

ゆず酸辣湯麺(サンラータンメン)
2019年10月21日から約1ヶ月のみで提供するゆず味のサンラータン。お味はまさにゆずの酸辣湯麺で、ゆずの風味が強く感じる秘密は、ピールだけではなく、スープにゆず果汁を合わせて定番よりも黒酢を控えめにしてあるからなのだとか。

野菜麻辣(マーラー)らーめん
3種の山椒をブレンドした麻辣オイル、国産豚ミンチと粗挽唐辛子の麻辣辛肉味噌をトッピングしてあり、複雑な痺・辛・旨が完成。辛いけど止まらない、あと引くうまさ。

●パクチー入り酸辣湯麺
外食文化研究家 あすか
2017年2月1日から加賀市の本店と辰口店の2店舗のみの限定販売でしたが、お客さんのリクエストに答える形で2018年は全店で?販売していました(販売期間2018年10月1日〜12月下旬まで)。
冬メニューとして定番化された「酸辣湯麺」に、個性派ハーブのパクチーをトッピング!8番さんは万人ウケするメニュー多いですから、さすがにこれは「大丈夫かなぁ」「受け入れてもらえるのかなぁ」と開発さんも不安げで(かなりの限定販売に探り探り感が出ていますが)、いやいや根強いパクチーファン(パクチニスト)にとっては「待ってました!」。「まさか8番にパクチーが」と話題に!遠出して食べに行く人も現れています。さすがに“万人ウケ”とはいきませんが、思いの外人気で、逆に8番さんが驚いていましたねぇ。
外食文化研究家 あすか
わー!ホントにパクチー入ってます~!
辣油などの辛味がパクチーの独特な風味にぴったりの相性で、あぁもぅ食べ出したら止まらない。さらに 調味料の“ねぎ油” も、美味しさを昇華させるのに一役買っていました。人気なら来年も販売になるはずです。
ちなみに「パクチー増し」もありますから、お好きな人はぜひ増し増しでどうぞ!
外食文化研究家 あすか
●野菜牛肉らーめん

ありそうでなかった嬉しいメニュー。これは岡山県で限定販売して人気だったメニューだそうです。いつもの8番らーめんに牛肉がのっているだけで“ごちそう感”が出ますね。これが肉の威力!テンション上がるぅ。スープのベースは8番定番の醤油スープなのですが、味付けを施した牛肉のおいしさがそこに溶け込むので、味わいに甘さが強く出ており、旨みの広がり方もいつもよりも幅があります。ちょっとピリ辛なのがまたヨシ。それらが太麺に絡む!野菜ももりもり進む~。お肉を麺に巻いて、野菜に巻いて~・・・器の中で楽しみ方いろいろ。何といっても、やっぱり肉が入ると満足感が大きい。しかもたっぷり!

地元民でも知らないレアネタ8番

オーダーしてからそんなに待つことはない8番らーめんですが、その中でも1番時間がかかるメニューは何だと思いますか?

なんと、意外にも「ギョーザ」なんです。
外食文化研究家 あすか
焼きに約6分ほどかかるそうで、らーめんよりも時間を要するのだとか。ですから、ランチ時などの混む時間帯はオーダーが殺到するため、予め見計らって焼いておく場合もあり、早く出てくることもあります。

海老ギョーザもオススメ。プリプリした食感がしっかり感じられます。

ちなみに「お持ち帰り用 冷凍餃子」もあります。いろんなバリエーション(パクチー、しそ、唐辛子、レモンまで)があります。

自慢の8番グッズ マイハチコ ハチコマスク

私の自慢の8番グッズをご紹介します。
1つ目は、タイの8番らーめんでもらったハチコ(ハチコは8番らーめんのキャラクター)。日本では超超超レア品です。チャック付きコインケースです。

2つ目は、ハチコマスク。こちらは8番らーめんさんのECサイトにて購入可能(売り切れてたらすみません)。

どちらもなかなかレアでしょう。

なぜ愛されて続けているのか まとめ

さて、ここまで書いてきましたが、8番らーめんが長く愛され続けている理由は大きく5つだと思います。
①なんと言っても “野菜たっぷり” で食べ手の健康面に配慮していること。
②週に何度でも食べられる飽きない(計算された)おいしさ。
③定番の「野菜らーめん」シリーズは手頃価格(でギョーザもセットにしたくなる)。
④「麺ハーフ」や「野菜大盛り」など、食べ手のニーズに寄り添ってくれるところ。
⑤新メニュー開発にも余念なく常に目が離せない。「次は何?」のワクワク感、探求心を掻き立ててくれるメニュー。

この記事を見た石川県民は、また8番が食べたくなってうずうずしちゃっていることでしょう。
「ああ、なんでやろ8番。」
外食文化研究家 あすか