「グリルオーツカ」ハントンライス有名店!創業昭和32年。金沢の洋食の歴史を継承する名店。お店のイチオシは実は意外なメニュー

料理: 6.5 その他: 6.5 ポイントについて
グリルオーツカ (ぐりるおーつか)
営業時間 11:00〜15:30(L.O.15:15)、17:00〜20:30(L.O.19:50)
定休日 水曜 水曜が祝日の場合は営業、振替休日あり
価格帯 ハントンライス980円、ハントンライス小930円
訪問回数 10回10回以上

金沢のご当地グルメ「ハントンライス」提供店で一番有名なのがここ。(通常であれば)店前に長い列が出来ていることは珍しくありません。創業は昭和32年(1957年)で、長きに渡って愛され続けているお店です。
創業者は大塚忠蔵さん、2代目は大塚昇二さん、現在は3代目の正樹さんがその味を守ります。金沢の洋食の歴史を継承する名店です。

お店は繁華街の中心部にあり、少し裏通りに入りますが、アクセスはし易い場所にあります。お店は少々年季が入っていますが、親しみを感じる空間です。エプロン姿の気立ての良いお母さんが席へ案内してくれます。

お料理はさまざまな洋食メニューやランチメニューも揃っていますが、こちらの名物と言えば、やはり「ハントンライス」です。
さらに、オーツカ自慢のメニューも要チェックです。

ハントンライスとは

金沢と言えば和食やすしなど鮮魚料理のイメージがあり、洋食やいわゆるBグルは少ないと言われており、実際に目立ったものと言えば、ハントンライス、金沢カレー、8番らーめんかな。

ハントンライスとは、「ハンガリーのハンと、フランス語でマグロを意味するトンをあわせた造語である」と言われていますが、由来を紐解くと諸説あり。金沢の七不思議のひとつかも。誕生したのは1960年代後半のことで、当時「ジャーマンベーカリー」の社長を務めていた山下昇氏が、金沢の中心地である片町にレストラン「ジャーマンベーカリーグリル」を出店する際、洋食部門のシェフたちと知恵を絞って考案したのが「ハントンライス」だったそうです。現在発祥のお店はありませんが、金沢のご当地グルメとして根付いており、洋食店で提供されています。今では老舗の提供店は少なくなりました。

グリルオーツカのハントンライス

オーツカでのハントンライスの数え方は“枚”。シルバーの小判皿で提供するからでしょうね。
注文すると、フロアを担当するお姉さんが「ハントン2枚お願いしまーす」と厨房へオーダーが入ります。

●ハントンライス(980円、小930円)(価格の最終確認2022年3月10日)
ステンレスのお皿にボリューム満点のハントンライスが登場しますから、誰でも最初は驚くはずです。
玉子は半熟の部分もある絶妙な火入れで、カジキマグロフライ2つと海老フライ2つ、そしてケチャップとタルタルソースがたっぷりかかっていて立体的で高さあり。中はプレーンなケチャップライスです。
1皿で卵は3個ほど使っているのだとか。

こちらは小サイズ↓ 小でもお腹いっぱいです。

グリルオーツカのフライは、箸で掴もうとすると玉子とくっついているのが分かるのですが、これは玉子が半熟のところにフライをのせて焼き上げているから。“後のせ”ではないのがオーツカスタイル。衣サクサク、玉子ふるふるの手際良さ。

ご飯は、具が入っていない本当に素朴なプレーンのケチャップライスです。トッピングされている自家製タルタルソースは、ツンとくる酸味がなく、ホワイトソースかと思うほどクリーミーで、揚げものともケチャップライスとも調和する優しい味。全体を包み込んでまとめ上げています。

ちなみにサイズは大盛も一応あり、金額は普通サイズに+150円ですが、小サイズでもお腹いっぱいのボリュームなので、普通サイズで十分だと思います。時折、何も知らずに「大盛で」と意気込んで注文される男性がいらっしゃいますが、実物が出てきたらびっくりされています(笑)。

グリルオーツカの自慢メニューは意外なもの

名物ハントンライスは看板メニューなのですが、実はお店のイチオシがもう一つあるんです。
それがソースブルーテを基本とした「クリームスープ」。
香味野菜や玉ねぎなどの旨味が溶け込んだ牛すじブイヨンに、ミルクとクリームのぽてっとした優しく温かみのある美味しさが加わり、口に入れてすぐではなく、お吸い物のように、とくとく美味しさが広がる。一呼吸置いて甘さが立ち上がり、余韻を残します。

サラダのドレッシングは、創業の昭和32年から変わらないオリジナルです。

その他、メニューは生姜焼き定食、ステーキ定食、ハンバーグ、ヒレカツ、ナポリスパ、ピラフ、タンバルライス、カレーライスなど、和食からさまざまな洋食メニューあり。
ある日のランチは、Aランチがクリームコロッケとハンバーグ、Bセットがエビフライ(それぞれにスープとライス付き)。Cセットはオムハヤシライスにサラダと味噌汁付きでした。
観光客さんは迷わずハントンを注文されますが、ランチセットは地元の人が注文します。
こちらは鉄板で提供されるポークステーキ。
金沢グルメのバイブル あすかの美味献立(びみこんりゅう)
金沢グルメのバイブル あすかの美味献立(びみこんりゅう)

大好きなオーツカのマスター、2代目の大塚昇二さんは2021年6月末に他界されました。たくさんの美味しい思い出をありがとうございました。何度もこの笑顔に元気をもらいました。

現在は3代目正樹さんが厨房に立って、オーツカを守ります。お嫁さんもお店を手伝われていました。