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400年の歴史がある金沢の名勝「玉泉園(ぎょくせんえん)」を整え、その素晴らしい庭園を愛でながらお食事が出来る日本料理店です。オープンしたのは2014年4月1日。料理長は片折卓矢さんで、先の「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」では1ツ星を獲得しています。お節句や四季を意識してありますが、お料理はシンプルで華やかさは抑え気味で、端正なシゴトが光ります。(どんどんシンプルになっているような気さえする。)素材1品で構成してあるお皿が目立ち、天然車エビの揚げ物や、能登牛のシャトーブリアン、能登ひかり新米での栗ご飯には特に心躍りました。そして、女将さん始め給仕の方の気配りは好印象。女将さんの完璧な解説も料理をおいしくさせます。

外食文化研究家 雅珠香

【受賞歴】
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」1ツ星獲得
・「ゴエミヨ東京・北陸2017」15.0/20点獲得

ちなみにお庭"玉泉園”は、兼六園の樹木を背景として、崖地を利用した上下二段式の池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)で、敷地面積は約720坪。歴史は今から約400年前の江戸時代初期に遡ります。加賀藩士前田藩の重臣である脇田家の庭園として、初代直賢(なおかた)から4代九兵衛までの約100年をかけて完成。庭の名前は、加賀藩二代藩主前田利長の正室である玉泉院に由来しています。
庭園の最上段には、金沢最古の茶室「灑雪亭(さいせつてい)」もあり。
また、園内は灯篭の数が50近くあるのですが、その中でも珍しいのが「隠れ切支丹灯篭(きりしたんとうろう)」ですで、灯篭の脚の下部に、聖母マリア像が刻まれ、その部分を植え込みで隠してあります。当時隠れキリシタンであった脇田直賢氏が、藩の石工に造らせたものなのだそうです。一見の価値ありですよ。
そして玉泉邸にある「寒雲亭茶室」は、京都にある裏千家の代名詞にもなっている茶室「寒雲亭(かんうんてい)」の建立当時の写しです。京都にある寒雲亭は大火の際に表裏両千家ともに完全焼失しており、現在京都にある寒雲亭は、玉泉邸にある寒雲亭を写したものと言われています。尚、京都にある寒雲亭は、国の重要指定文化財になっており、一般公開はされていません。(玉泉邸HPを参照)

外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香

お庭のみの見学もできるため、観光客が連日訪れている場所でもあります。
また、お料理を頂くお部屋はすべて庭園を臨めるようになっているのも、このお店のステキなところです。
お料理は事前予約が必要で、価格別に昼3コースと夜4コースの準備があります。

昼席 税別3,500円、5,000円、7,000円
夜席 税別7,000円、9,000円、12,000円、 おまかせ15,000円
※税別途、サービス料10%、部屋代税別3000円(テーブルフロアは部屋代なし)

9月のある日のお料理は、こんな感じでした。
まずは梅茶から。一献は9月ということで菊酒を頂戴しました。
外食文化研究家 雅珠香

・先付 冷やし茶碗蒸し
トマトエキスのジュレとイクラを乗せ、中にはむかご入り。
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香
 
  
・お吸い物
ハモと信州の松茸が鎮座。玉泉邸さんの吸い地は、最上級の羅臼昆布と削りたてかつお節で取った、まろみがあってバランスが取れたもので、ふぅと深く幸せな呼吸をつける美味しさ。
外食文化研究家 雅珠香

・八寸
小芋の柚子味噌がけ、氷見の鯖の押し寿司、五郎島金時、冬瓜とろろ昆布がけ
華やかさはなくシンプルだけど、とても端正な八寸です。
外食文化研究家 雅珠香

・お造り
地物の鯛、アカイカ、ヤナギザワラの焼霜。和歌山のマグロ。
外食文化研究家 雅珠香

・揚げ物
愛知の天然車エビの香煎揚げ。とっても高級なエビフライって感じですね!
外食文化研究家 雅珠香

・焼き物
稀少な能登牛の中でも最も稀少なシャトーブリアン!これは本当に心躍りました。美しいサシが入ったタイプで、とろける食感。滲み出す脂もソースの役割を果たします。
外食文化研究家 雅珠香

・止め椀
焼きナスの煮凝り 鰊の旨煮、胡麻ソース
外食文化研究家 雅珠香
   
・栗ご飯
能登ひかりの新米で栗ご飯とは味わい深いものです。輪郭があってつやつや、栗もホクホク。おこげも出来あがっていて、思わずおかわりしてしまいました。
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香
 

・水菓子 メロン
外食文化研究家 雅珠香

ちなみにスペシャリテは「羽二重蒸し」です。(別日に頂いています。)
●魚介スープの泡のせ 羽二重蒸し
絹のように滑らかな舌触りに仕上げた茶碗蒸し(玉締め)の上に、泡にした魚介スープをのせた「羽二重蒸し」です。泡は能登の冬の風物詩「波の花」をイメージしてあり、ふわふわと雪のように海岸を舞う情景の通り軽やかで、上品だが日本海の底力を感じる味わいです。
外食文化研究家 雅珠香

その他の季節に伺っても、旬と日本の伝統行事がお料理に織り込まれていますから、四季を追って訪れたいお店のひとつと言えます。

●亥の子餅 蓮根まんじゅう仕立て
10月11月の先付は、“亥の子餅(玄猪餅)”をレンコンまんじゅうに見立てたもの。亥の子餅は、平安時代に無病息災を願って食べ始めたとされ、亥の月(旧暦では10月、新暦では11月)の亥の日、亥の刻に食すことから、うり坊(猪の子)の模様を施してあります。ひと噛みごとに滋味深々と広がり、伝統を食べて知ることのできる一品です。
外食文化研究家 雅珠香

●5月の先付には、端午の節句にちなんで紙で折った兜に菖蒲と蓬のしつらえがしてありました。お造りには金太郎の腹掛けに見立てた掛け紙に「武運長久」の文字が。
外食文化研究家 雅珠香
外食文化研究家 雅珠香

●七夕の頃の先付
外食文化研究家 雅珠香

●秋口の先付には稲穂が
外食文化研究家 雅珠香