「味処高崎」旬の金沢に舌鼓できるオススメ居酒屋!地魚に地酒、加賀野菜、郷土料理や珍味も豊富。春はホタルイカ、冬は加能ガニ三昧!

料理: 7.5 その他: 7.2 ポイントについて
味処高崎 (あじどころ たかさき)
営業時間 17:00~22:00
定休日 日曜 3連休の場合は日曜営業、月曜休み
価格帯 3,000円~15,000円
訪問回数 10回10回以上

金沢・能登・加賀、石川県の“おいしい”が堪能できる大人気居酒屋。創業は1971年で、長年地元で信頼度が高いお店です。新幹線開業から県外のお客さんもより一層増えたことと思いますが、人気の理由は明確で、鮮魚を中心とした旬の地物食材・加賀野菜・石川県ならではの珍味が揃っていて、それら地元の食材を熟知した料理人さんが美味しく食べさせてくれます。地酒銘酒も揃っていますよ。
場所も金沢の中心部である片町エリア、長町せせらぎ通りの一角にあってアクセスしやすい。そのためお店は年中混み合っている日が多いのですが、特に人気なのはカニの時期です。

冬の加能ガニがすごい

石川県のカニ漁の解禁日は(香箱蟹・加能ガニ共に)基本的に毎年11月6日です(お店で食べられるのは翌日。2023年は大時化のため11月9日解禁でした)。
加能ガニとは、石川県で獲れたズワイガニの雄のことで、加賀と能登の最初の文字を取り、こう名づけられています。福井の越前がに、山陰の松葉がにと同じものです。青いタグが加能ガニの証。

【カニ漁解禁 2023】大荒れの幕開け!石川県カニ初セリ最高値は?出ました最高級ブランド「輝」と「輝姫」

同店にはカニ用の水槽があり、活加能ガニが食べられるんです。
注文があってから水槽から上げて調理をしてくれますので鮮度抜群。こういう風に提供してくれるお店は、金沢には実はなかなかないんです。 

価格は時価で、サイズなどによって価格は異なります。
一匹のカニを注文し、刺身と焼きガニ、お味噌汁など、調理法を分けてもらうのがオススメです。

●加能ガニ刺身
一番贅沢な味わい方かもしれませんね。お花が咲いたようにさわさわと身が開いており、舌の上でとろけるのと同時に、贅沢な甘さが口いっぱいに広がります。

●焼きガニ

ある日は卓上七輪を準備してくれて、目の前で炭火焼きで楽しみました。足の部分は、最初に切り込みを入れて身がむき出しになっている方を焼き、殻が色づいてきたらひっくり返し、身がふわっと盛り上がったくらいが食べ頃。お刺身でも食べられる鮮度良いカニですから、焼き過ぎは禁物。炙られた殻から香ばしさが立ち、身はみずみずしいままの仕上がり。
外食文化研究家 あすか
カニ味噌の入った甲羅の部分は、おおよそ食べ終わった後に、日本酒を入れて甲羅酒にしてもらうのが良いです。カニの旨味と風味、焼の香ばしさがお酒に移って美味。

●カニ味噌汁
カニの味噌汁は意外とオススメ!これでもかというほどカニ味噌たっぷりで、お味噌とカニ味噌のコクがフュージョンしており、旨さの相乗効果を発揮。これはぜひ食べてもらいたいです。くはぁ~染みる~。
外食文化研究家 あすか

●香箱ガニ
ズワイガニのメスのことで、漁期は11月6日から12月29日までの2ヶ月未満という短い期間で、年をまたいでは食べられません。
メスはオスよりもサイズが小さいですが、身が甘く、地元ではメスの方が人気です。さらにお腹に抱いているのはカニの卵、通称 “外子(そとこ)”で、プチプチ弾ける食感が美味。甲羅の中には未成熟卵であるオレンジ色の “内子”がびっしりと詰まっており、これが美味しいと人気です。

●カニクリームコロッケ
子供から大人までみんな大好きカニクリームコロッケ!揚げたて熱々が最高。

高崎で食べられる旬料理

春は(タイミングが良ければ)ホタルイカがメニューにあります。(産卵のために4月~5月上旬に滑川近くの富山湾に集まるため、神秘的な光景が見られる名所となっています。こちらはその滑川のホタルイカです。)
●ホタルイカ石焼き
卓上で石焼に。シズル感もたまりません。
石焼きにすると身と肝が焦げて香ばしさが立ちのぼり、鼻腔をくすぐります。ぷりっとした身から、濃厚さを増した肝が口の中に広がり美味。お酒の当てにピッタリです。


●ホタルイカ酢味噌がけ
生をその場で茹で上げて熱々を出してくれました。
外食文化研究家 あすか
●白ガス海老
ガス海老は赤と白がありますが、白が高級な方。甘海老より甘く美味と地元ではガス海老の方が人気。

●若竹煮

底引き漁がやっていない7月8月は海のものが弱いので、のど黒や岩牡蠣に加賀野菜(下記)が良いでしょう。

●岩牡蠣フライ
羽咋の岩牡蠣をフライで。身が詰まっていて箸にもしっかり重量を感じます。食べ応えあり。

解禁になった底引き漁もの狙いで訪問。お酒は地元銘蔵の限定酒を中心に。
●手取川 「露燦然(つゆさんぜん)」大吟醸 斗瓶取り無濾過
吟醸香豊かですが嫌味のない心地よい香りで、食中酒としても良い。珠玉の食材とあわせたいやつ。美酒。

●天狗舞 「中三郎」 大吟醸
スッと品が良くて、スイッと入っていく美酒。こちらもなかなかの美人さん。

毎年9月1日に底引き網漁が解禁となり(7月8月は禁漁)メディアでも大きく報じられ、9月初旬は甘海老やカレイ、ハタハタ、メギスなどに再び脚光が当たる時期です。ちなみに2019年の底引き網初日は豊漁だったそうです。
●甘海老、ガス海老 金沢港 底引き網
待ってました!とばかりに注文。この食べ比べができるのは良いですね。
ちなみに地元では甘海老よりもガス海老の方が重宝されています。ガス海老は特に足が早いと言われており、輸送技術が発達したとは言え、まだまだ県外では甘海老の方がメジャーなのかもしれません。甘海老よりも身が大きくねっとり甘い。見た目は悪いですがおいしいですよ。
もちろん甘海老も好きです。

●毛蟹 金沢港 底引き網
茹でてきれいに身出しし、足も味噌も堪能できるのはお店だからこそ。シンプルに三杯酢で味わいます。ふっくら甘く美味。

冬は蟹がメインですが、その他の食材も旬を迎えるものが多いし、高崎さんの名物も食べたいし、目移りしちゃって選ぶのが大変です。
●鰤刺身
寒くなるにつれて美味しさが増す鰤。砂ずりの部分も美味しいですね。

加賀野菜メニュー

同店では、金沢の伝統野菜である“加賀野菜”シリーズも注目です。
加賀野菜とは、(金沢市農産物ブランド協会HPより引用)

昭和20年以前から栽培され、現在でも主として金沢で栽培されている野菜の中から、限定15品目を“加賀野菜”に認定しています。

●金時草(きんじそう) 酢の物
葉の裏が紫をしているリバーシブルな葉野菜。葉に厚みがあって食感良く、酢の物で食べるのが一番特徴が感じられるので、金沢ではお店でも家でも酢の物で食べることが多いです。

●ヘタ紫なす オランダ煮
卵型の短いナスで、その名の通りヘタの下まで紫色をしています。揚げたヘタ紫なすを煮浸しにして、ほんのり胡麻油を効かせてあって風味良し。

●小坂レンコン 天ぷら
加賀れんこんの中でも、小坂地区で栽培されているものは“小坂れんこん”と呼ばれます(大樋れんこん、小坂れんこん、加賀れんこんと呼び名が変わった。)
天ぷらにするとシャキシャキと歯切れの良さが大いに感じられるし、細く柔らかい繊維が美味。

スペシャリテと郷土料理

●ゴリ酒
ゴリ料理は金沢名物の一つ。鬼のような形相の魚ですが美味。焼いたゴリを燗酒に泳がせてあるため、香ばしさと旨味が酒に移る。
外食文化研究家 あすか
●焼ゴリ

●ふぐ卵巣漬け
石川県白山市美川の特産品で、猛毒部位であるふぐの卵巣を無毒化させて食べちゃうという不思議食材です。ちなみに、なぜ無毒になるかは未だに解明されていません(塩漬と発酵の力が鍵になっているはずですが)。それも珍味中の珍味とされる所以ですね。最初こそ食べるのを躊躇しますが、一口食べたらヤミツキに。日本酒のアテに(又はご飯のお供にも)最高です。


●自家製 甘エビ塩辛
外食文化研究家 あすか
●どじょう蒲焼
どじょうは意外にも金沢名物なんですよ。串に刺して焼きタレをたっぷりつけて。苦味と香ばしさでビールが進む味。

洋食発祥 高崎の名物ビフテキ・カニクリームコロッケ・プリン

そしてこんなメニューも。実は高崎さんは洋食店として創業したお店で、クリームコロッケやビーフステーキは未だ根強い人気があり、名物メニューとして残っています。
●ビフテキ
鉄板でジュージューといい音とにおいをさせながら登場。このシズル感たまりません。柔らかいヒレ肉の上には、バター、カリカリのガーリックチップ。お腹いっぱいなのにまた胃袋が騒ぎ出します。
鮮魚料理もいいですがこちらもオススメです。魚料理のアクセントにGOOD!!


●カニクリームコロッケ
大人も童心に返ってウキウキしてしまうやつ。クリームコロッケはもちろん、ソースも果実味やスパイスなど複雑で美味しい。

●プリン
女将さんが作っていたレシピのプリン。とろとろ系ではなく、昔ながらのかためのプリン好きな人にはたまらないやつです。