金沢市玉川町にあるイタリア料理店。イタリア料理は地方によって大きく異なり、ここでは主に素材のパワーを前に出したトスカーナの郷土料理を専門としています。店名の「cicala」は蝉という意味のイタリア語。ヨーロッパで蝉は幸運のシンボルであり、再生や復活の象徴とされる縁起の良い昆虫です。場所はなかなか説明しにくい場所にありますが、玉川図書館近隣でエムザさんの裏手エリア。外観はシックで、店内はこじんまりとした空間に鮮緑の壁が目を引きます。オープンキッチンでカウンター席があり、テーブル席も数席ありますよ。
お料理は店主山本啓介さんのこだわりと洗練が感じられるガツンと記憶に残るもので、見た目はどシンプルです。また、イタリアンと言えば華やかな前菜盛り合わせ「アンティパストミスト」から幕が開くことが多いですが、同店には盛り合わせはありません。ボリューム感もあって単品料理もシェアする量ですし、名物のTボーングリルは850g~なので、2人以上で訪れてシェアするのがベター、4人いればベストといったところでしょうか。
ワインリストはありませんのでご相談の上ご注文を。ソムリエ資格を持つ店主がいいチョイスをしてくれます。
●自家製季節の食前酒 いちご+スプマンテ(700円)
●お通し ピンツィモーニョ
お通しはスティック野菜で、オリーブオイル、塩、ワンビネガーを自身で調合して食べるスタイルです。
●モッツァレラブッラータ(1,600円)
必ず食べておきたいのは、プーリア州の名産である「モッツァレラブッラータ」です。これは刻んだモッツアレラにクリームを加えて巾着包みにしたもので、とってもミルキーなチーズが口の中でたぷたぷと遊びます。添え物の果実は季節で異なりますが、熟したフルーツの果汁に合わさって、うっとりするようなおいしさです。
●ズッキーニのスフォルマート、鮎のパテ クロスティーニ(取り分け後)※春限定
鮎のクロスティーニは絶品。苦味の効かせ方が秀逸です。
●トンノデルキャンティ
郷土料理です。「トンノ」はツナという意味で、海がなく魚が手に入りにくいキャンティ地方で、工夫によって生み出された豚肉料理で、繊維感がツナそのもので驚きます。
●トリッパの煮込み(1,200円)
●うさぎのフリット、マコモダケのフリット
●チキンのバターソース
このソースが美味。ふくよかな甘い風味が鼻腔をこそがします。
●イタリア産ホワイトアスパラガスのバッサーノ風 ※季節限定
メニューにあったら必ず注文したい。D.O.C認定のタグ付きホワイトアスパラガスです。口の中でほどばしるピュアな甘さに目尻が下がります。ああ、美味。
●ホタルイカのパスタ※春限定
●香箱蟹のパスタ ※秋限定
そして、メインは備長炭の炭火焼です。
やはりTボーンはダイナミックで、運ばれてきたらまず歓声があがります。これを注文するときは、やはり4人いないとダメですね。山本さんが備長炭の火加減を読みながら丁寧に焼いてくれただけあって火入れはベスト。余計な脂も落ちて美味。
●Tボーン炭火グリル(850g~注文可能、1,200円/100g)
●能登豚肩ロース炭火グリル(3,000円)
●自家製サルシッチャ(1,200円/本)
トスカーナ料理らしくインゲン豆が添えられているのもいいですね。豚肉はフェンネルの香り付けに誘われる~。
●群馬県産牛ランプの炭火グリル
●サフォークの炭火グリル
能登でお米と草だけを与えて育てたサフォークのラム。臭みがなくピュアな味わいに驚きあり。これはシンプルに塩がベスト。リブ、そしてボンレスのモモ肉は香草を巻いて。
●パンナコッタ、プリン、ティラミス、イチゴの焼タルト(ドルチェは各500円)
ドルチェもおいしいので食後はぜひどうぞ。この日のパンナコッタは桜の塩漬けが乗っており風味良く、さらに塩が甘さを引き立てていました。