※同店は、「立ち食い鮨 人人」のオープンにつき閉店をしました。
新店舗のレビューはこちらをご覧ください↓
(参考までに過去の投稿はしばらく残しておきます)
富山を代表するすし店のひとつ。すしは独学!というロックなお店ですが、おいしさが口コミで噂を呼び、県外の食通からの予約も大変多いお店です。「食べログ 富山」では常に上位(2023年3月5日 現在4.21点)。その破竹の勢いのまま世界にも飛び出し、近年では台湾やストックホルムなどで世界的なシェフとの海外ポップアップイベントも多々行っています。大将はクールな印象もある反面とても温和。すしは大将木村泉美さんの哲学が詰まっており、自ら模索し確立させたおいしさは魅力の塊。すしに対する大きな情熱を感じます。一度ハマってしまったら抜け出すことはできません。
・「ミシュランガイド北陸2021 特別版」1ツ星獲得(2021年5月19日発表)
珠玉のネタと赤酢のシャリ
鮨人で最も特徴的なのは赤酢のシャリです。シャリは(砂糖を使用せずに)赤酢のみで仕上げてあるため、茶褐色をしています。赤酢は熟成することでツンツンした酸味は角が取れて丸くなり、ふくよかで馥郁たる香りに変化し、長い期間寝かせることでアミノ酸などの旨味成分が生まれて味に幅と奥行が出ます。個人的にすごく好きです。お米は富山県産コシヒカリ。ネタは富山湾や七尾湾で水揚げされた珠玉揃い。マグロは他県からの仕入れで、専門仲卸の築地「やま幸」さんから入れていることも(こちらとのお取引は一流店のみ)。
さらに冷蔵庫が特殊で、電気を流しながらお魚を保管することで、酸化を防ぎながら繊維を柔らかくしているそうです。
鮨人スペシャリテ
「本当はみんな大好きなこと」を堂々とやってくれるから爽快。例えば、一見焼鳥にしか見えない串焼きはのど黒のネギマで、これはのど黒のオスを使っています。鮨人スペシャリテのひとつです。
●のど黒串ネギマ
炙ることで溢れてくるおいしい脂が美味。のど黒のツボを突いた食べ方。あぁうまい。
●梅茶碗蒸し
富山の湧き水と梅だけで作った餡がけの茶碗蒸しです。素材の味わいを活かしきった一品。
●かぶす汁
魚の骨と血を水でコトコト10時間煮て追い鰹とエビで仕上げた富山伝統スープの鮨人バージョン。味噌が入っていないのに、まるで入っているような奥深い味わいに驚きがあります。魚の旨味がギュギュっと詰まった“エッセンス”です。
●モナカ塩ジェラート
最後のデザートも一工夫あり。定評のある八尾のモナカを炙り、そこにマルガージェラートさんの塩ジェラートを挟んであります。きめ細かく香ばしいサクサクモナカに乗る甘じょっぱさが美味。
のど黒オスメス食べ比べ
こちらも楽しみの一つ。のど黒はオスとメスを食べ比べで。水分量の多いメスはしゃぶしゃぶに、脂ののったオスは焼きものにして。
お持ち帰りの豪華太巻き
2020にお初で頂きました。いつも注文できるのかはわからないですが、これは嬉しいやつ。エビ、マグロ、アナゴ、キュウリなどなどの多種のネタをまずは裏巻きにし、さらに海苔を巻きます。見た目も豪華だしおいしいし、お土産として毎回買って帰りたいなぁ。
鮨人のお酒
日本酒は富山の銘酒「満寿泉」を主に取り扱っています。満寿泉の限定酒が飲めるのも魅力。「勝駒」もあり。
おいしいお酒でおすしが進み、おいしいおすしでお酒が進むという、罪な美酒たち。ペアリングをお任せするのも良いでしょう。
鮨人過去訪問で印象的なすし
2022年10月13日
印象的だったのは、白海老、富山えびといったやはり富山の珠玉食材。秋カマス雄も印象的でした。
のど黒ねぎま、梅茶碗蒸し、がぶす汁、塩ジェラートモナカといった定番のスペシャリテはしっかり決めてくるところはさすがです。
●アオリイカ
一旦マイナス50度で繊維を壊してあり、いつものイカの筋肉の質感とは異なる、密でねっとりしています。
●ベニズワイ、いくら、うに
●アオリイカ焼
●秋カマス 昆布締め
雄は甘味があり、昆布の旨味も程よく乗っておりとっても美味しかった。印象に残る一貫。
●鰤 13kg
●マグロ 戸井200kg
●鰤の背のしゃぶしゃぶ、アラ 6キロ
●ます寿司
木村大将が開発したオリジナルます寿司です。サクラマスは4〜5キロの個体を使用しており、身が白みがかっています。古典的で骨太な味わい。
2021年5月13日
鮨人さんの東京でのイベントがキャンセルになったため急遽できたお席。そのアナウンスを見つけて早速予約しました。旬の白えびにぎりから始まり、富山エビ、さらに旬のサクラマスなど富山の旬を堪能しました。
●サクラマス
●ウニ、白子
蒸し白ウニ、生赤ウニ、トラフグ白子ムース炭火焼、紅ズワイ、一番出汁を吸わせたイクラとシャリを混ぜながら頂きます。トラフグには炭火で焼き目をつけてあって、とろっとクリーミーな味わいに、香ばしい風味が立ちのぼります。
●トラフグ、のど黒メスしゃぶしゃぶ
2020年1月7日
年明け早々に「空き席あり」を嗅ぎつけ飛んで行きました。鮨人さんのすしは中毒性あって、無性に食べたくなるんですよね。今回お酒は、満寿泉さんの「一号しぼり」や「リンク」、「VAN GAIHEN(番外編)」と言った、初めて飲むお酒もあり興奮。おすしも「すし屋のもんじゃ」という新作あったりとエキサイティングでした。
・マグロ
八丈島の240キロを、まずは“玉ねぎ醤油”の漬けで。
・白えびにぎり、白えびこのわた和え
・イカ
・富山エビ
・クエ、12キロの鰤
・すし屋のもんじゃ
新作です。白子のムース、香箱ガニ、雲丹、カラスミに白トリュフのオイルがけ。これらを箸で混ぜて食べます。白子のムースがねっとりと山芋のような感じで、全部をまとめあげます。白トリュフのオイルで豊満な風味の演出。
2019年10月13日の鮨人
まずは越中バイのお造り、富山エビのしゃぶしゃぶをのせた握りで心掴まれる。梅茶碗蒸し、ワタリガニと紅ズワイのコンビネーションつまみ、うにイクラすし、甘海老と白えび昆布締め握り、カワハギ肝和え巻物、甘鯛昆布締め炭焼きつまみ、紅葉鯛握り、鯵握りといった具合におつまみと握りが交わって出てきます。アオリイカはまだ身が固いそうで、マイナス50度に一度凍らせ繊維を壊してから使うそう。サクラマス握り、クエとメスのど黒のしゃぶしゃぶ、オスのど黒串焼きネギマ、13キロ鰤握り、穴子など今回も満寿泉を頂きながら堪能。
2018年5月の鮨人
・シャリに蟹身を混ぜ込んで雲丹いくらがけにしたのも美味しかった〜。
・鯛の昆布締め焼き
2017年 夏の鮨人
(写真は一部)
冬はもちろん良いですが、夏のコースも魅力的でした。「夏のすしは職人の力量が問われる」と言いますが、魚に脂がのっていないこの時期にどの魚で勝負するのか、また下処理でおいしさが全然違う貝類が味わえて、鮨人がより一層好きになりました。
・梅貝
・のど黒しゃぶしゃぶ
・カキ 沸騰させずに火を止めた出汁でゆっくり味を含ませて。身の大きさもぷりっとした食感もそのまま。
・アワビ
・マグロの藁焼き これは築地で一番のマグロだったのだとか!なんたる幸運
2017年3月の鮨人
・刺身
最初に梅貝が来て、カサゴ、のど黒の昆布締め、ボタンエビ
・ボタンエビ、白エビ
ここでもう最初の握り。エビが紅白で出てきました。エビは一晩かけてゆっくり水を抜いてあるので、舌にねっとり絡むような深い甘さになり、力強いシャリにも見事に調和。これはおいしい!白エビは1貫あたり30匹を使用しているそうですから、大変な手間がかかっていますね。
さらに握りは、中トロ、アラ、ヒラメ、紅葉鯛、鯵、アカイカ、スワイガニ、漬け・・・と続きます。
・サワラの藁焼き(写真奥)
サワラは、塩と醤油で熟成させてから藁焼きに。口の中に一気に広がり鼻腔に抜ける、趣深いスモークがたまりません。
・うなぎ巻物
うなぎはもとより、海苔にまでこだわった最後の巻物。海苔の最高峰、丸山海苔店製を使用しており風味が素晴らしい。