「Gēn(根)」マレーシア ペナン島|Gēn(根), Penang Malaysia

マレーシア・ペナン島のファインダイニング「Gēn(根)」。


同店を率いるのは、マレーシア・ジョホール州出身のJohnson Wong(ジョンソン・ウォン)シェフ。ペナン島のガストロノミーを牽引してきた料理人です。

2018年にオープンした同店は、マレーシアの伝統的な食文化や郷土の食材を、現代的な調理技術と独自の感性で表現するレストラン。「ミシュランガイド クアラルンプール&ペナン2026」では、ミシュランセレクテッドレストランに選出。また、「Asia’s 50 Best Restaurants 2026」では、51〜100位のランキングで89位にランクインしています。2021年の92位以来、再びアジアのレストランランキングに名を連ねました。
「ミシュランガイド クアラルンプール&ペナン2024」では、ヤングシェフアワードを受賞。「The Best Chef Awards」では、優れた料理人に贈られる「One Knife」に選出されています。さらに、「Tatler’s Top 20 Restaurants in Malaysia 2026」にも選出。

現在はペナン島で3店舗を展開しており、「Gēn」はジョンソンシェフの料理哲学を最も色濃く表現する、本店ともいえる存在です。

「Root House by Gēn 根家菜」マレーシア ペナン島|Root House by Gēn 根家菜, Penang Malaysia

「Communal Table by Gēn 根」マレーシア ペナン島|Communal Table by Gēn 根, Penang Malaysia

店名「Gēn(根)」の通り、料理の根底にあるのは、マレーシアの食文化や自身のルーツ、幼少期の食の記憶。多民族国家マレーシアならではの複雑で豊かな食文化を、地元の生産者との関係を大切にしながら、マレーシア各地の魚介、野菜、果実、香草などを積極的に取り入れ、現代的な料理として表現しています。
今回のメニューにも、チェクル、ケランジ、ブア・クルアック、グラ・アポンなど、日本ではなかなか出会えない東南アジアならではの食材が数多く登場しました。そして、実際にコースをいただいて印象的だったのは、和食にも通じる繊細さと軽やかさです。
マレーシア料理というと、スパイスや香辛料を巧みに使った力強い味わいを想像しますが、「Gēn」の料理は、それとはまた異なる魅力があります。魚介の出汁を生かした旨味、素材の持ち味を大切にした味付け、香草やスパイスのさりげない使い方。全体的に優しく上品な味わいです。

Coral Grouper, Cekur, Green Peppercorn
コーラルグルーパー(ハタの一種)、チェクル(ショウガ科の香草)、青胡椒
まずは、魚の出汁の温かいスープから。
魚介の深い旨味がありながら、すっきりと軽やかな味わい。ほんのりとアジアらしい香草の風味が広がり、ほっと落ち着くおいしさです。ジョンソンシェフらしい最初のプロローグ。

続いて登場したハタの料理も、魚の持ち味を大切にし、和食にも通じる繊細さが印象的なスタートでした。

Ming Prawn, Gingerflower, Rose
ミンプローン(エビ)、トーチジンジャーの花、バラ
エビに、トーチジンジャーの花やバラの香りを合わせた華やかな一品。色鮮やかな花びらをあしらった盛り付けも美しく、ジョンソンシェフの感性が感じられます。
こちらには、和歌山県・平和酒造の日本酒「紀土(KID)」をペアリング。
マレーシアの現代料理と日本酒の組み合わせも興味深く、楽しませていただきました。

Mussel, Chestnut, Pine Needle
ムール貝、栗、松の葉
ムール貝、ピータン、松の葉の香りを組み合わせた複合的旨みと濃厚さが特徴の一品。

Golden Age Cow, Keranji, Cherry Radish
経産牛、ケランジ、ラディッシュ

Corn-fed Chicken, Chicken Liver, Chamomile
トウモロコシ飼育の鶏肉、鶏レバー、カモミール
鶏肉と鶏レバーに、カモミールの香りを組み合わせた料理。鶏肉の旨味とレバーのコクに、ハーブの華やかな香りを合わせています。

Flower Crab, White Corn, Beechey Bamboo
ハナガザミ、ホワイトコーン、ビーチーバンブー
ハナガザミとホワイトコーンを組み合わせた優雅で軽やかな料理。

 Melo Melo, Ma Cao Egg, Mulberry
メロメロ貝、マカオエッグ、マルベリー
日本の串焼きにも通じる料理。別皿には卵を使ったソースが添えられ、貝の旨味にコクを加えています。

Threadfin, Pandan Embrio Rice, Eucheuma
ツバメコノシロ、パンダン香る胚芽米、ユーケウマ(海藻)
今回、特に印象に残った料理のひとつです。
まずは土鍋で炊き上げたご飯と、木箱に入ったカラスミが登場。土鍋の蓋を開けると、ふっくらと炊き上がったご飯。魚と米、海藻という組み合わせは、日本料理にも通じるものがありますね。フィッシュカレーと共に。

Strawberry, Goat Cheese, Strawberry Amazake
イチゴ、山羊のチーズ、イチゴ甘酒
果実の酸味、チーズのコク、甘酒の優しい甘味という、こちらの組み合わせも和を感じる。日本の発酵文化を代表する甘酒が、マレーシアのファインダイニングで登場するのも面白い。

Buah Kulim, Buah Keluak, Gula Apong
ブア・クリム、ブア・クルアック、グラ・アポン
マレーシアならではの個性的な食材を組み合わせたデザート。
ブア・クリムはニンニクを思わせる香りを持つ木の実です。インパクトのある風味。

Birdnest, Starfruit, Barley
燕の巣、スターフルーツ、大麦
燕の巣に、南国の果実スターフルーツと大麦を組み合わせたデザート。中国系の食文化と東南アジアの果実を組み合わせた、多民族国家マレーシアらしい構成です。

最後まで土地の食文化を感じられるコースでした。

 

Gēn 根
Gēn 根 8, Gat Lebuh Gereja, Georgetown, 10300 George Town, Penang, マレーシア