「フランス料理Makino」幸せの充電に一生お世話になりたいフランス料理店。金沢で外せないのはここ!豊かな独創性と構築された美味しさ

料理: 8.5 その他: 8.0 ポイントについて
フランス料理Makino (ふらんすりょうり まきの)
営業時間 11:30~14:30(L.O. 12:30)、18:00~19:30(L.O.19:30)
定休日 水曜日、木曜ランチ定休
価格帯 15,000円〜
訪問回数 7回

(※同店は2019年12月末をもって閉店。金沢市内別場所に移転します。)
金沢のフレンチと言えば必ず名の挙がる実力店。何度訪れても「やっぱりいいな」と思えるレストランです。食通さんのリピーターも多いですが、理由がよく分かります。私も一生お世話になりたい。
オーナーシェフの牧野浩和さんは、銀座の“ル・マノアール・ダスティン”を経て、フランスのブルゴーニュでも修行をされた方です。豊かな独創性としっかり構築された美味しさは注目。行くたびに発見があります。食材は石川県産の有機野菜や魚といった地物と、フランスを中心に海外から取り寄せた良い食材を使われています。また、シェフのお人柄の良さも味わいに溶け込んでいるというのが、料理を食べてみると良く分かると思います。サービスの方も丁寧に迎えてくれて心地よい。お店にはいつも良い雰囲気が漂っています。

【受賞歴】
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」1ツ星獲得

場所は、個性派の名店が並ぶ犀川大橋と新橋の間の河川沿い。割烹たけしさんのお隣の一軒屋で、小民家を改装した、とってもスタイリッシュな造りです。店内には清潔感が溢れ、フランス料理店たる良き風格が漂っています。

Makinoのディナー 2017年8月20日

今回特に驚きが大きかったのは、遊び心も感じる「Makino風うなぎの蒲焼き」と味わい深い「クロモジのアイス」です。毎度訪れるたびに進化していて勉強になります。
(メニュー名は記載のまま)

・庄川の鮎 マスクメロン 今枝農園さんの華小町
庄川の鮎が泳いでいるようなお料理にマスクメロン入りのガスパチョを添えて。ガスパチョの器には丸いモナカが乗っており輪切りのキュウリが並べてあるのですが(手で持って食べます)、スープのメロンとキュウリの両方の青い香りがフュージョンして、メロンの甘さが後から追いかけてきます。

・気仙沼のカツオ そうめん南瓜 アボカド グレープフルーツ

・有機人参 北海道礼文島雲丹 コンソメ
コースに必ず出てくるスペシャリテです。待ってました!

華やかな料理が多いMakinoさんには珍しく、見た目が実にシンプルな一品。カンテサンスのヤギ乳のババロアのように、ほんの少し、微妙~なところに毎度味の差は出ているのかもしれない。そこも面白さの一つ。
有機人参を皮ごと使用したムースは、人参の個性はそのままにクセだけを排除し、透明感のある味わい。塩水うにの持つ微かな塩分と、とろける舌触り、ひんやり冷たいコンソメジュレの3つが合わさることで、複合的な味わいを完成させている究極の一品です。

・石川の野菜 加賀野菜
地元の野菜づくしの一皿。加賀レンコン農家さんとしては一番注目の川端さんの蓮根も。蓮の実も添えてあるのですが、ナッツのような味わいで発見がありました。ソースは焼きなすソースと赤紫蘇ソース、アンチョビガーリック。

(・マキノ風うなぎ蒲焼)
嬉しい驚きがあった一品。なんと”Makino風うなぎの蒲焼”です。バルサミコソースで「う」とデコレートしてある遊び心にやられました。しかも天然うなぎ使用で、トリュフリゾットを詰めてファルシに。なんて贅沢なうなぎ蒲焼なんだ。大人のドリーム!

・天草 牛深町のイサキ モンサンミッシェルのムール貝

・湯涌どんこ 中野さんの玉葱 イタリアントマト
ウリボウに近いくらいの湯涌のイノシシで、骨付背肉とモモの2部位を。脳みそのソースは味わい濃くて、ずしりとした存在感あり。

・あさか農園さんの瀬戸内パッション 太陽のたまご
奄美大島のパッションフルーツと太陽のたまご(マンゴー)を使用したデセール。パッションフルーツをくりぬいた器を開けるドキドキ感。口の中でパーンと元気のある南国の味わいがハーモニーを奏で、南の風がふわりと吹いたような気がしました。ああ、パッションフルーツの独特の風味とチャーミングな酸味って美味~。

・島根益田市のクロモジ 匹見山葵 沖縄マンゴー
クロモジをアイスにするという、なんともくすぐられるデセール。ひやりと舌に冷たさを感じてすぐ、クロモジの個性的な風味が鼻腔をふわーっと抜け、雅な余韻を残します。ああ、奥深い妙味~。そこに山葵を併せるのですが、新鮮な良いものなので辛味なく、爽やかさが上手に寄り添います。美味。

パイナップルのソルベとジュレを2層に。ジュレに入っているピンクペッパーが味わいを引き締めます。

・ミニャルディーズ

Makinoのディナー 2015年8月

●毛ガニのキッシュ、のと胡桃
くるみの剥き殻を敷き詰めたところに、キャラメルコーティングした胡桃と、ふくふくと温かい「毛ガニのキッシュ」が。一番最初のお口の楽しみから、こんなにもワクワクさせてくれます。これから始まるコースを期待させる、ステキなプロローグ。

●地蛤
アミューズ2品目。七尾湾のハマグリをパイ包みで。内包された濃厚なエキスと、さらに噛むことで滲み出す旨さが、口の中でブルギニオンバターと合わさることで調理完成。小さな一口に無限が詰まっていました。

●スペシャリテ 有機人参のムース、ウニ、コンソメジュレ

●パン

●鰯のマリネとコンキリオーニ
今枝農園さんのトマトと鰯に、角のない優しい酸味を寄り添わせたマリネ。白いパウダーは、オリーブオイルをパウダー状にしたもので、一瞬口の中で遊んだかと思うと、雪のように溶けて、マリネに一層まろやかさをもたらしてくれます。大きなパスタは、鰯のオイル煮とローズマリーのグラタン入りアッツアツのコンキリオーニ。

●金目鯛 モンサンミッシェルのムール貝を添えて
金目鯛は塩麹とヨーグルトに漬けてからゆっくり火を入れてあるので、とろけるような口どけ。雲丹醤(うにひしお)やサフランの風味づけをした冬瓜が、味の変化を楽しませてくれます。また、食べ進める途中で松茸と柚子のスープをかけることで、馥郁たる香りもプラスされます。味わいに立体感を持たせた一皿。

●犀川の天然鮎
犀川の天然鮎をコンフィにし、フォアグラと共になめらかなクリーム状にしたもので、シガールのように詰め物にしてあります。鮎の強い苦味をフォアグラの濃厚な脂肪味が包み込み、なんともたまらないハーモニーが完成。旨味の余韻の後、さらに続いて行く苦味がたまらない。カトラリーは木工作家さん製のオリジナル。器が金属でカトラリーも金属だと嫌な音がするため、その配慮としてですが、店主のセンスが光るアイディアがステキ。

●タマネギのブルーテ 鰻とフォアグラ、黒崎枝豆
タマネギの旨味がこれでもかというほどソースに溶け込んでいるため、口に入れた瞬間唸らずにはいられません。ふくよかな甘さが、鰻やフォアグラといった個性の強い食材にも調和しています。

●ハンガリーオア 胸肉
メインはガチョウの炭火焼。火入れも抜群で、ロゼ色の断面にうっとり。ソースはガチョウやピジョンなどの内臓からとった骨太な味わい。旨味のしっかりしたガチョウ肉にピタリときます。シェイブしたサマートリュフで、ふくよかだが軽やかに香る風味を添えて。
塩、胡椒、青柚子の蜂蜜漬けで味の変化を楽しみながら。添え物は、白茄子のラタトュイユ。

●平松牧場さんの牛乳と赤紫蘇 シャインマスカット添え
アヴァンデセールは、素材力を重視したシンプルな直球勝負にて。赤紫蘇はグラニテにし、妖艶な色も風味も活かしてあります。県内の平松牧場さんのミルクは、ちょっとだけゼラチンを加えて、ミルキーな味わいをガツンを感じさせてくれる懐かしい味わい。

●ブリアサヴァラン・アフィネ、宮崎マンゴーのソルベ、キウイ
フレッシュチーズを使った焼き立てふるふるのチーズケーキ。アツアツの温度と共に、新鮮なチーズの風味が炸裂。思わず目尻が下がる美味しさ。

●ハーブティー、小菓子
今回はハーブティーチョイスで、カモミールティーを頂き、食後の余韻に浸りました。