「明月楼（めいげつろう）」山中温泉こおろぎ橋のたもとの名料亭でうなぎ会席。挽きたて山椒の風味と秘伝ダレでおいしさ昇華

大正時代からの歩みがある山中温泉の名料亭。お料理は正統派のお会席に加え、うなぎが食べられるのが特徴的です。なんでも、川魚を提供していた流れでうなぎが名物になったのだとか。現在は3代目と4代目が板場に立たれています。うなぎが稀少になってきたので、私は近年食べるのを控えめにしていますが、頂ける際は、せっかくですからおいしく食べさせてくれるお店で頂きたいものですね。うなぎは丼ぶりの他、いろいろな調理法で食べさせてくれるうなぎづくしのコースまであるんですよ。

建物はこおろぎ橋のたもとにあり、渓流にせり出すように建っているため、まず佇まいから気品が感じられます。全てのお座敷が川に面しており、すぐ下の大聖寺川の激しい流れが自然のBGMとなってくれます。対岸には旅館さんも見えていい風情。窓から臨む緑と自然光も心地よく、室内に居ても自然に包まれている感覚です。

お料理はコースが何種類かあります（お店HPなどでご確認ください）。
コース一部です（サービス料10％）。
●明月御膳（ミニ会席)（3,564円）（先付、お造り、炊合せ、焼物、酢物、ご飯、お汁、漬け物、デザート）
●うな丼上（3,240円、税サ込）（肝吸、漬け物付き）
●うなぎ会席（8,640円）（前菜、お吸い物、造り、炊き合わせ、うなぎ蒲焼(白焼きに変更可）、揚げ物、うざく、うなぎ茶漬、漬け物、デザート）

明月楼のうなぎ会席

春のある日のうなぎ会席です。

地酒「獅子の里」を頂きながら。美酒ですねぇ。

・うざく

・八寸
センナ、鯛の子含め煮、自家製からすみなど。派手派手しくなく、1品1品に丁寧に仕事が施してある繊細さに心掴まれます。

・桜真薯
蓋を開けたらパッと春。山の景色を切り取ってきたようなお吸い物に、春の訪れを教えてもらいます。微かな香りと淡い苦味も味方につけた、心に染み入る一品。

・向付（鯛、梅貝、とら海老）
とら海老は金沢で言うガスエビのこと。加賀ではとら海老と呼ばれています。

・うなぎ蒲焼
うなぎは国産で、この日は愛知県一色産ですから、また格別の有難みを感じます。
うなぎの白肌にうっすらと照り輝く飴色が美しい。焼のみで仕上げてあって、身はふっくら皮目はパリッと香ばしいという、個人的にも大好きなタイプです。明月楼さんのタレは甘めなのですが、イヤミが無くて聡明で上品です。うなぎの旨味にマッチしており美味。