「天ぷら小泉」北陸ナンバー1の天ぷら。珠玉のネタが揃いで素材から別格!〆は天バラで決まり。

料理: 8.5 その他: 7.5 ポイントについて
天ぷら 小泉 (てんぷら こいずみ)
営業時間 12:00~14:00、17:30~22:00
定休日 日曜 年末年始
価格帯 10,000円~
訪問回数 3回

金沢市池田町にある天ぷら店。私は天ぷらの経験値があまりないので多くは語れませんが、この記事を書くのに何軒か天ぷら店を食べ歩いた中でも飛び抜けてすごいなぁと思いましたし、素材力、シゴトの丁寧さや火入れにレベルの高さを感じました。北陸が誇る天ぷら店なのではないでしょうか。

【受賞歴】
・「ミシュランガイド北陸2021 特別版」2ツ星獲得(2021年5月19日発表)
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」1ツ星獲得(2016年5月31日発表)

店主の小泉氏は神戸のご出身で、大阪の老舗天ぷら店「一宝本店」(創業1850年)、東京銀座にある「一宝東京店」で腕を研磨され金沢で独立開業。お店の場所は、繁華街片町エリアにありながら、民家もちらほら増えてくるあたりで静かです。小松弥助さんが入っていたAPAホテルの裏手ですよ。(同店は、2015年4月2日に片町から池田町に移転オープンしています。)町家の一軒家で余裕のある造りで、凛とした雰囲気で高級感が漂います。

食材は店主が厳選した地物の良いものが中心で、どれも興味を魅かれます。
例えば11月中旬に伺った際は、能登松茸や沢野ごぼう、さらに香箱蟹や加能ガニ、加賀レンコンなど旬の珠玉揃いでした!!地元でも手に入りにくいような珠玉のネタが揃っています。
春の山菜の時期も良かったですが、秋はやっぱり旬を迎えるものに個人的には好みが多いです。

天ぷら油は100パーセント紅花油で、油ものに弱い私でももたれることはありません。また、食材を1つ揚げることに天かすを取り除いて油を隅々までキレイにされており、十分に気を配られているのが印象的です。
衣は、口の中で音が鳴るようなカリッとした食感を想像していますが、カリッの中にふわっという軽やかさを持たせており、油切れの良さと併せて、予想以上にライトで心地よい天ぷらです。大根おろしと天つゆ、天然塩が出てきますが、素材そのものの旨さと持ち味を引き出してあるため、お塩で頂く回数が自動的に多くなります。

(※写真はコース内の一部。)

・天然茸のみぞれ和え
外食文化研究家 あすか

・香箱蟹の湯葉あんがけ
べっ甲色の出汁餡に食指が動きます。見た目から繊細さが伝わってきますが、本当に端正なおいしさでした。
外食文化研究家 あすか

・海苔の天ぷら 雲丹のせ
海苔の天ぷらに生うにをのせたものは毎度の楽しみ。揚げることで海苔の風味が立ち、余熱でウニの甘さも開き美味です。
外食文化研究家 あすか

・銀杏、能登松茸
外食文化研究家 あすか

・エビ
外食文化研究家 あすか

・加賀れんこん、ギンポ
外食文化研究家 あすか

・沢野ごぼう、穴子
今や稀少となった七尾の沢野ごぼう。この風味の良さと繊維のやわらかさはこのごぼうならでは。秀逸の味わいです。沢野ごぼうに目を付けられるのは、さすが小泉さん。
外食文化研究家 あすか

・天バラ
お食事は、「天バラ」という、かき揚げの混ぜご飯。
衣のサクサクと海老のプリプリ食感、さらにごまの香ばしさがハーモニーを奏でます。食欲をそそる音が口の中に響き、満腹でも箸が進みますよ。
外食文化研究家 あすか

食材の質が違う、技が違う、満足度の高さが違う。
やっぱり天ぷらは小泉さんだなぁ。

こちらは春。
芽吹きの季節、苦味をも味方に付けた妙味に浸りました。

・白魚、空豆、干クチコ
外食文化研究家 あすか

・ホタルイカ、タラの芽
ホタルイカは口の中で内臓の旨味がじゅわっと滲み出てきていい味付けに。
外食文化研究家 あすか

・ホタテ
余熱を計算してミディアムレアの仕上がり。みずみずしい口当たりと引き出された甘さは美味。
外食文化研究家 あすか

・桜餅
自家製の道明寺桜餅を天ぷらに。加熱することによって甘さが開いて優しくなり、風味も立ちます。お抹茶と共に頂きました。
外食文化研究家 あすか