金沢駅から徒歩圏内の安江町にある「Machiya5(まちやふぁいぶ)」というリノベーションされた町家内にあるカフェです。建物は大通りから少し入った場所にあって、ちょっと分かりにくいので注意して訪問してください。入り口を奥に進むと突き当たりにあるのが同店。店内はナチュラルなワンフロアに厨房とテーブル席があります。最も特徴的なのは、流行りのふわふわ系とは異なる独特なタイプのパンケーキ。スコーンも人気だそうです。私はここの宝達葛ミルクゼリーがとっても好き。
●厚焼きパンケーキ(ドリンク代金+600円)
“厚焼き”パンケーキというだけあって結構な厚みです。しかも2段重ねでインパクトあり。このきれいな円筒形のフォルムは、セルクルで形づけをしているそうですよ。
ふわふわしているけどほっこり感のある生地の秘密はサワークリームで、軽くてどこか懐かしみもあります。
メープルシロップをかけて。
●宝達葛ミルクゼリー(ドリンク代金+600円)
葛粉は石川県宝達地区の「宝達葛」を使用。葛切りや葛湯で頂くことが多いですが、このようなデザートにしてあるのは新感覚。口いっぱいに広がるミルキー感に、本葛の聡明な感じが相まって、上質で高級感のある味わいに。ミルクゼリーというか、ミルク葛餅かミルクプリンって感じです。
生産に大変な手間ひまがかかる上、葛根を掘り出す人の高齢化と資源の減少から稀少な食材になっています。採集に適する時期はデンプン質が根に集まる冬ですが、宝達の葛作りは1月の大寒の日から始められます(400年もの歴史あり)。また、宝達山はかつて加賀藩の御用金山として栄えており、その昔この葛が宝達金山の鉱夫たちの漢方薬だったそうです。薬効を持つ葛粉は、体を温め血行をよくするため、風邪を引いた際や胃腸の調子が良くないときに民間治療薬として用いられてきました。