「ひがんばな食堂」富山イタリアン「ひまわり食堂」田中穂積シェフと和歌山県「Villa AiDA」小林寛司シェフとの共演。2019年9月6日7日

富山のイタリア料理ひまわり食堂にて、「ひがんばな食堂」という名前のポップアップイベントが、2019年9月6日・7日の2日間(1日2回)開催されました。

この会は、ひまわり食堂の田中穂積シェフと和歌山県「Villa AiDA(ヴィラ アイーダ)」小林寛司(こばやしかんじ)シェフとのコラボレーションです。両者共イタリア料理ですが、スパイスやハーブ使いも巧みでアジアのテイストも多く織り込まれていて、ボーダレスなところも面白味があり楽しかったです。
アイーダさんは2019年4月に20周年のイベントを大阪で行われていましたが、さすが究極の地産地消・地方レストランを牽引されていらっしゃいます、全国からトップシェフが集まり注目を集めました。アイーダさんはお店に隣接する畑で100種以上の野菜を育てているそうで、各野菜の特性を読み取り料理に昇華されていることが、このポップアップでも伝わりました。“そーなるんだ”という驚きの連続で、味の組み立てが複雑なのにシンプルに響く野菜の魅力。野菜のヘルシーさや健康志向という側面を抜きにして、美味しさで豊かな満足感あり。お皿の上に畑を感じました。


お料理は特に「イカと茄子」のお皿が衝撃でした(写真と全メニューは下に)。茄子は焼いてマリネし、イカと2層になるように合わせ素麺状にスライスしてありとぅるんと滑る舌触りが同調します。
私の故郷“能登”はいしるの産地なので、小さい頃からいしる鍋が定番です。いしる鍋に欠かせない具がイカと“茄子”なんですよね。そっか、相性良いんだったと再確認。イカスミ、野菜を焼いた炭、コリアンダーシード、そして絞ったライムの柑橘味で爽快な余韻。美味。斬新なだけではない、構築されたおいしさの深みを感じました。

ひまわり田中シェフの料理では「コロッケ キャベ千」が印象に残りました。衣は繊細で中は豚のいろんな部位がトマトピリ辛煮で食感の妙を楽しみます。

メインは合作。ジャージー牛はもちろん田中シェフ。小林シェフの魚醤の入ったオリーブタプナードをつけると酸味が脂っ気を取り払い食べる速度が加速します。付け合わせのレンコンは輪切りでなく、穴の部分を遮らない縦切りで、小林シェフの食感の計算が感じられました。シャキシャキが活きている。

デザートは葡萄とアマゾンカカオと黒蜜という組み合わせ。黒蜜のホロっとくる香ばしさがカカオにバシッと合うんですね。

飲み物はアルコールペアリングで7種類でした。最初のビールはバジルとピーマンという組み合わせ。苦味で合わせてビールにのる野菜の美味しさとで三重奏に驚きました。その他はワイン、最後はグラッパ。

●白海老 パプリカ(小林シェフ)


●マメ鯵 グリーン・トマト、米 バジル、ホオズキ(小林シェフ)


●梨 ピーマン ヨーグルト(小林シェフ)


●富山海老 コリンアンダー モロヘイヤ(田中
シェフ)

●鳥賊 茄子 鳥賊墨(小林シェフ)



●コロッケ きゃべ千(田中シェフ)



●ビーツ プルーン 豚舌(小林シェフ、出汁:田中シェフ)


●ジャージー牛 ジャガイモ 蓮根 (肉:田中シェフ、野菜:小林シェフ)


●山羊 レモングラス フォー(田中シェフ、タマゴナス:アイーダ)


●西瓜(小林シェフ)


●葡萄 紫蘇 黒蜜(小林シェフ)

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