「SECRETO」東京 神楽坂|SECRETO, Tokyo JAPAN

東京神楽坂にあるイノベーティブ・フュージョン。予約は数年先まで埋まっているという驚異的人気店。
オーナーシェフの藪中章禎(やぶなかあきよし)さんのご出身は、石川県能登の輪島。そのため食材は、能登の魚や調味料、野菜は特に能登島にある高農園さんの野菜やハーブをふんだんに使用しています。こんな人気店を能登出身のシェフがされているとは、嬉しく自慢なことです。藪中シェフはフランスやスペイン名店を経て、同店をオープン。店名は“秘密”の意。

薮中章禎 Akiyoshi Yabunaka
1975年生まれ。国内のホテルやレストランを皮切りに、1999年よりフランス「ル プチニース」、スペイン「エルブジ」「ドスパリージョス」を経て、マンダリンオリエンタル東京「タパスモラキュラーバー」のスーシェフを務めた後、2017年10月より「SECRETO」をオープン。

SECRETOで特徴的なのは、何と言っても藪中シェフのパフォーマンスです。
ダイニングはカウンター12席で、料理の仕上げは目の前のテーブルで行います。シェフの圧倒的な存在感とプレゼンテーション、ぐいぐい引き込む人間力、もう本当にすごいです。ガッチリお客さんのハートを掴む。楽しくて楽しくて、あっという間に時間が過ぎるし、ここまで予約が取れないという理由もよくわかります。液体窒素を使用したパフォーマンスは見所たっぷりで、音楽演出まで含めてライブ。シェフは終始輝いていてカッコイイ。


ちなみに同店は、入店してまず最初にお会計を済ませてしまうスタイルです。アペリティフをバーでいただいてからダイニングへ。もう楽しむだけというのがまた良いところ。ドリンクのペアリングも込みで料金が2万円(アルコールペアリングでもノンアルペアリングでも価格は同じ)です。

この日は夏メニュー。
乾杯は高農園ミントのモヒート。いつもはジントニックでの乾杯とのことですが、30度近い気温の日だったので、スカッと爽快なスタート。

●秘密のハート
まずは藪中シェフお得意の液体封じ込め。優しく指でつまんでリフトアップし口に入れると、キウイとグレープのジュースがぴゅっと飛び出すから驚き。とろっと粘度があるものではなく、さらさらとしたジュースなんですよね。どうやって閉じ込めたのか不思議になる。果汁をカカオバターのハートでコーティングしてあります。

●クレープ・鯵・蟹・ミョウガ・酢味噌・四川花概菜
ほうれん草を練りこんだクレープに〆鯵などのせてあり、手でくるっと巻いていただきます。白いのはパクチーの花。


●ビアガーデン
ミニチュアのチビビールが可愛いのなんのって。ビールに見えますが、パッションフルーツにライムの泡をのせたもの。
ビアガーデンのおつまみのように運ばれてきたのは2品。バジルソースで和えた能登アカイカは仕上げにチーズを削って。甘く味つけたナツメヤシをパンチェッタで巻いたものは、シェフのスペイン修行時代の思い出の一品を再構築したもの。高農園のハコベをのせて。




●ガスパチョカッペリーニ・のど黒・サザエ・加賀太胡瓜・セロリ・スイカ
カッペリーニをガスパチョで和え、スイカのかき氷を乗せた“夏”を意識した一品。高農園のトマト、加賀太きゅうり、能登のサザエにのど黒。なんだか気分は能登の夏休み。胡瓜とセロリの青い風味が爽やかな風を吹かせます。

能登のサザエの肝はガーリックバターに合わせてトーストに。

●フォアグラフレンチトースト
スペシャリテ。フォアグラは52度で優しく火を入れ、マイナス196度で冷やし固め、それを目の前で削ってくれる。口の中でスッと溶ける、世界一軽い食感のフォアグラ。


●京都七谷鴨・炭火・ビーツ・富士山の薪・とうもろこし・シェイク
京都の七谷鴨を炭火で調理し、富士山の薪の香りを閉じ込めて瞬間スモーク。蓋を外すと良い香りが立ち込める。鴨は絶妙な火入れで、余計なソースなどは添えず、鴨の重厚な味わいそのものを味わう。


●能登さわら・炭火・春菊・サバいしる・アスパラ・綾紫芋・カーボロネロ
さわら炭火焼にはサザエの殻に入った春菊のソースをかけて。ソースはサザエ茹で汁にサバ魚醤と春菊を加えたもので、スープのようにサラサラです。

●蔵尾ポーク・炭火・西京味噌・グリーンピース・黄ズッキーニ・ルタバガ
滋賀県でバームクーヘンを食べて育つ豚、別名“バームクーヘン豚”の炭火焼。ここまでで結構お腹いっぱいだったのですが、スッと入ってくる綺麗な肉質で美味しく頂きました。2日間、西京味噌で味噌漬けにし、発酵食の甘さで豚のおいしさを引き上げる。さらに付け合わせには、スウェーデンカブの“ルタバガ”。アルミホイルで数時間火入れをして甘さを引き出す。


●土鍋ご飯 穴子、枝豆、木の芽
最後は和で。ご飯ってやっぱりホッと胸を撫で下ろせます。



●-196°c・バナナ・プラリネ・チョコレート
シェフのご実家の洋食店で出しているバナナジュース、シェフは大好きだそうで、その再構築でもあるバナナアイス。バナナジュースと液体窒素を用い、たった1分で目の前で瞬間的にアイスに。バナナそのものなので、口の中で溶けると同時に果実そのもののナチュラルな風味と甘さが広がる。


●フレッシュハーブティー
高農園のレモンバーベナのハーブティー
●吐息