(※同店は改装し営業形態も変わったので、再訪問後に書き直します。下記参考まで)
富山市の東岩瀬にあるフランス料理店。
店名の由来は、蔵(カーヴ)を改装したお店だからで、銘酒「満寿泉」のビンテージから取り揃えのある「酒商田尻本店」と棟続きになっています。専用の入り口が重厚な佇まいですが、中は想像していたよりも広く余裕のある空間で、高い天井には立派な梁も見られます。
店内はワンフロアにオープンの厨房がありますから、それは贅沢なリビングキッチンといった感じです。まずは薪ストーブ前のソファーでリラックス。オーナーシェフ柚木栄樹さんの優しい笑顔に心を解きほぐされてから、店内で一際存在感を放つ大きなテーブルを囲んで食事となります。
食材は地元富山のものが中心で、フレンチの調理法によって和とは表情が異なるところも味わいポイントです。
夏のある日のコースです。
・フロマージュブラン、富山の枝豆
・新湊のバイ貝ミキュイ、カリフラワーのピューレとスライス
新湊のバイ貝に半分火を入れた“ミキュイ”で、お刺身のコリコリ食感とも煮物の弾力とも違うシャクシャクとした優しい歯ごたえが美味でした。
・ゴールドラッシュのポタージュ
・天然鮎のフリット
柚木さん夏のスペシャリテ。粗めの米粉を衣にしたフリットで、粒々食感がいいですね。根セロリのピューレ、黒トリュフ、そしてモロヘイヤのパウダーは口に入れると表情を変えて、粘度を持ってとろとろになります。
・甘鯛のウロコ焼き
赤キャベツのマリネが敷いてあって、温かいビーツのスープをかけて。
・八尾のウリ坊
お肉のメインは八尾のウリ坊で、フォンドサングリエ(イノシシの出汁)をベースとした繊細なソースに、ほのかにローズマリーが香ります。肉質はプリッと弾力があり、澄んだ旨味が口の中にほとばりました。
・八尾のウリ坊 アバラ炭ロースト
こちらはアバラ肉で、手づかみで頂きます。骨周りの肉って味が濃くで食感もしっかりしていておいしいですね。山椒塩で。フィンガーボウルは紅茶です。
・押水の黒イチジク
デザートは黒イチジクを3タイプの味わい方で、黒部のヤギのリコッタチーズのアイスと共に秋を感じる一皿でした。イチジクはフレッシュだと甘さが控えめですが、フリットにすると温度と共に雅な甘さがふくらみ、セミドライは凝縮された甘さと野趣が語りかけてくるようです。
・レモンクリーム、紅茶のパルフェ、スターアニスのメレンゲ
大切な人との時間を特別有意義なものにしてくれる一店。