福井県の芦原温泉(あわら温泉)にある老舗の温泉旅館で、全17室に源泉掛け流しの風呂付きというのが大きな魅力です。
印象的だったのは、女将 奥村智代さんをはじめ、皆さんの心の籠ったおもてなし。そして、地物食材に特化した朝食も福井ならではの美味しさでした。行って良かった!
北陸で「べにや」と言うと温泉旅館が2つあります。1つは、ここ「光風湯圃 べにや(こうふうゆでん べにや) 」さんと、石川県加賀市山代温泉の「べにや無何有」さん。どちらも素晴らしい旅館さんです。
光風湯圃 べにやさんの創業は1884年(明治17年)で、2024年で140年を迎える歴史あるお宿なのです。
しかしながら2018年5月に火災に遭われ全焼してしまいました。国登録有形文化財3棟を失った喪失感も大きく、当時は途方に暮れたそうですが、全国の常連さんに励まされて再建を決意。ご常連だった志村けんさんからも、再開を願う電話を頂いたそうです。
建て替えてリニューアルオープンしたのが、2021年7月15日のこと。
玄関を入ってすぐにお庭が眺められる待合があります。自然光と緑と風が入る造りで開放感あり。廊下は奥に長く続いており、客室が並びます。
夕食は20名での宴会だったのでコメントなしで写真だけ掲載しておきます。
厨房内がお客さんからも見えるようになった設計も斬新でした。
【紹介項目】
お部屋と温泉
客室は全部で17部屋あり、私のお部屋は「掬水(きくすい)」という名前でした。
館内にある大浴場だけではなく、各お部屋に源泉かけ流しの半露天風呂があるので、時間を気にせずに好きなときに好きなだけ100%天然温泉が楽しめるというのは大きな魅力です。あわら温泉には全部で74本の泉源があり、べにやさんには4本の自家源泉があって、毎分70リットル・約70度の温泉が絶え間なく湧き出しているそうです。
源泉が結構熱いので、湯もみをして浸かりました。
やはり誰にも気兼ねなくお部屋で入れるのは有り難いし、温泉で疲れを取って、そのままお布団に潜れるは天国でした。
朝食が美味しいのは最高
朝食がとても良かったのでご紹介します。
朝食はなんと、各お部屋に運んでセッティングしてくれるんです。温泉宿で迎える朝の清々しさのまま、プライベート空間で食べられます。
食材は地元色豊かで、福井の地元農家さんたちとの連携を感じ、田畑の様子も脳裏に浮かぶようでした。派手さはないけど美味しい朝食って、とても好きです。
伝統発酵食品である鯖へしこは、塩漬けした鯖をぬか漬けした伝統保存食へしこを、さらに酒粕漬けにしてマイルドなコクを加えてあります。お味噌は、なばたけ農場さんの有機青大豆から作る自家製味噌にへしこ酵母を加えまろやかさを出してありました。
●釜炊ごはん
朝食時間の20分前に、お部屋に銅釜をセットして炊いてくれます。お米は、なばたけ農場さんの有機栽培米。
鯖へしこや新鮮たまご、その他ご飯のお供がいろいろありますが、まずは白米で一杯味わいに浸りました。甘く清らかで美味しい。
●手作り豆腐
福井県産大豆からおからを出さずに作った、大豆まるごと豆腐です。滑らかで濃厚で、どっしりとした旨味があり美味でした。
【こだわり食材 生産者さん】
おけら牧場(健康たまご)、長田農園(メロン・トマト)、きっちょんどん(豆腐・農家)、なばたけ農場(豆・お米)、麻王伝兵衛(トマト)、田川農産(お米)、フィールドワークス(とみつ金時)、藤井さん(かき餅)、THE HOUSE OF OTIUM(ワインセラー)