金沢片町エリア、せせらぎ通りの一角にあるイタリア料理店。オープンしたのは2023年4月3日のことです。
場所は、北國新聞社ビルの裏手、アシルワードの2軒隣、元「洋食屋RYO」さんがあった場所、と言ったら地元では分かる人が多いはずです。
オーナーシェフは蓮見慎吾さんで、店名はイタリア語で“蓮”の意味。蓮見シェフの料理は、実力の高さにセンスが光っており、“意外性と調和”を置き、食材力を立ててある。それがオープンカウンターでより一層強調されていました。
サービスを務めるのは常田拓冶(たくや)さんで、明るく優しいサービスが好印象。
ちなみに、お二人とも金沢のイタリアン「カンパーニュグループ」のオステリア出身。同グループの堀社長のお父様が腕を振るっていた洋食RYOの跡地に出店していることから、信頼関係の深さが読み取れます。
このお二人の阿吽の呼吸が素晴らしく、任せられる安心感があるというのも特筆したいポイント。心地良いひとときが過ごせます。
外観と店内は、蓮の葉の深緑色を基調にしたシックな空間デザインで、エレガントで大人の落ち着きを感じる非日常空間です。
奥に広い造りで、ワイングラスを傾ける姿が似合う長いカウンターがカッコよくて痺れます。オープンキッチンのライブ感もワクワクする。
書道アーティスト土居佑治さんが描く、蓮をテーマにした作品も存在感を放っています。
18:00からはおまかせコース(10,000円)のみでの営業ですが、20:00から(時間は日によって異なる)はアラカルト営業になります。
私はアラカルト訪問が多いですが、ふらっと訪れてこのレベルの高さはすごいと思います。
【紹介項目】
2024年11月5日 ポルチーニ茸
イタリア産のフレッシュポルチーニ茸を贅沢に独り占めさせてもらいました。
・ポルチーニ茸フリット
衣のパン粉はきめ細かく、薄くカリッとポルチーニ茸をコーティング。中はみずみずしい仕上がりで風味を閉じ込めてあります。名残りということで、これで一人前。贅沢!
・ポルチーニ茸クレマトルテッリ
小籠包のようなパスタの中には、ポルチーニ茸を食感にしっかり感じるほど、たっぷり詰め込んであります。どっしりとした骨太なクレマソースに、ポルチーニのジュと風味がマッチ。
2023年11月30日 ポルチーニ茸のトルテッリ
この日前菜として登場したのは、鰤と蕪を組み合わせた一品で、金沢の冬の風物詩「かぶら寿司」を彷彿とさせました。伝統とモダンを調和させたアプローチ。
トルテッリは、なんとポルチーニ茸入り。小籠包のように皮に包みこまれているので、ポルチーニ茸の豊かな風味と骨太な旨味エキスが、口内で一気にジュワッと広がります。贅沢で豊かな美味しさが余韻に広がる。
2023年8月17日 鮎パスタ、森のジングラニテ
●鰹のブルスケッタ
鰹を大葉ジェノベーゼでタルタールにして、すし風にブルスケッタに。蓮見シェフらしさを感じるアミューズ。
合わせてくれたロゼも鰹に相性抜群でした。
●鮎のパスタ
メニュー名を聞くだけで心躍って即オーダー。そして結果、注文して良かった!
鮎はシンプルな塩焼きほど難しい調理法はなく、個性を活かしてパーフェクトに仕上げるのは至難の業だったりする。さらに和食以外だと、使い方や味の置き所も難しい食材。
蓮見シェフは、鮎の頭と骨を外して身を使用するが、そこで損なわれる食感や鮎らしさをしっかりプラス。
パン粉に骨を合わることで、食べ進めるとオイルに旨味が移ってパスタに絡まる。鮎の再構築料理でもある。
●森のジンとパッションフルーツのグラニテ
「森のジン」はレ・トネル(ぶどうの森)シニアソムリエ福島大悟さんが企画開発したクラフトジンで、2023年8月にいよいよリリースとなりました。
早速その森のジンを使ってグラニテに。
聡明でビターな奥行きがあるジンに、パッションフルーツの南国の元気な味わいが調和し、ふわっと持ち上げます。夏にぴったりと言える一品。
ほんの少しの時間で存分に楽しませてもらいました。
拍手!
2023年4月17日 鮪カルパッチョ、ホタルイカパスタ
●鮪カルパッチョ
鮪のカルパッチョは前回食べて大好きになりました。美しくしなやかな鮪に包み込まれているのは、今回はウルイで、品のある苦味が心地良い。
●ホタルイカパスタ
ホタルイカの肝をソースにしてあるので、パスタに濃厚ソースが絡みます。絶品。
●カッサータ
ちょうど口で解ける絶妙な温度のカッサータで、ほろ酔い気分からの夢心地。何を食べても美味しい。
2023年4月4日 鰆西京焼きフリット、桜海老パスタ
●タルタール
炭火焼きにしたフォカッチャに大葉と、ひんやり甘海老のタルタールを乗せて。
●本日のカルパッチョ
握りすしのような形状の鮪カルパッチョです。魚種が鮪というところに意外性ありましたが、脂が上質で舌触りしなやかで繊細で、包み込んである菜の花の優しい野趣と、万願寺とうがらしソースの緑の風味に上手に調和しており美味でした。穂紫蘇とペリーラと。
●鰆西京焼きフリット
鰆は白味噌に漬けて旨味をグッと引き出してソテー。マスカットのソースというのが意外でしたが、キュンとくる爽やかな酸味とジューシーな甘さがアクセントでもあり、白味噌に調和する。
●桜エビのパスタ
とっても美味しくて心躍った春満開のパスタ。
淡いピンク色をした桜海老、フレッシュの蕗の薹、ディル風味のパン粉をたっぷり絡ませて。
桜海老は他の海老類と異なり、香ばしさが強めに出ますがその個性を上手に昇華した一皿。口の中で春の苦味と軽やかなハーブ香が広がり、どれだけでも食べられそうでした。
●坂の上ベーカリー製 Lotoオリジナル