観光客で賑わう金沢屈指の観光地「ひがし茶屋街」。そのメインストリートから一本裏手、喧騒から離れた細い路地にひっそりと佇むのがそば店「武右衛門」です。

茶屋街に溶け込む町家をリノベーションした空間は、表情豊かな梁や高い天井がそのまま活かされ、趣と開放感が共存。昼下がりには柔らかな光が差し込み、夜はムード満点。店内に流れるジャズが心地よく、時がゆるやかに流れていきます。まさに“金沢時間”を味わえる空間です。

カウンター席もあり

インバウンドでかなり賑わっておりました。

●花巻（1450円）
奥能登産の岩海苔を惜しみなく使用した温かいおそば。

岩海苔は、私の故郷・能登では、お正月のお雑煮の仕上げに入れてくれる定番食材なのです。
冬の厳しい海で手摘みされる岩海苔は、今や収穫量も減り、年々その希少性と価値が高まっています。
その岩海苔がおそばを覆っておりびっくり。これはなかなか贅沢なことですよ。温かな出汁のまろやかな旨味に、岩海苔の磯の香りが重なり合い、口いっぱいに広がる。ああ、幸せ。
特筆すべきは、おそばが加賀棒茶入りであるということ。二八でありながら、お茶を練り込むことで繋がりにくくなるので少し短めです。
ここでしか味わえないおそばをぜひ堪能ください。