金沢の中心部エリア、柿木畠にあるハイボール専門のバーです。創業は平成元年(1989年5月28日)。お店はビルの2階にあり、階段を上がって入店します。1階入り口に出ている黒板にちょっとクスッ。店主宮川元氣さんの柔らかいお人柄が伺えるのと同時に、“本物の酒と泣かせるつまみ”という一言にくすぐられます。店内はカウンターと10席とテーブル席が2つで、バーらしい大人のムードにレトロな雰囲気も漂い、自然と肩の力が抜けていく感じがします。「ちょっと一杯」に立ち寄りたくなる場所です。
信頼の置ける一店。
私はハイボールをあまり飲んだことがなかったですが、ここでハイボールの美味しさを教えてもらいました。
ちなみに店名の“広坂”は地名で、お店の住所は柿木畠ですが、ここからもう少しだけ行ったら広坂。目と鼻の先にある金沢市役所も金沢21世紀美術館も住所は“広坂”です。
ハイボール
店名通り、お酒はハイボールメニューが充実。
昭和の香りするサントリー角瓶や、奥能登とスコッチウイスキーの波の花ハイボール、さらに、ノルマンディーハイボールや遠い島のハイボール、生ハイボールというのもあって、私のような初心者でも好奇心が沸いてきます。興味津々。
●ヒロサカハイボール
まずはこれからが良いでしょう。店名を冠する、お店一番人気のハイボール。スコッチウイスキー「デュワーズ」のハイボールで、初心者でもおいしく飲める味わいでした。おつまみはミックスナッツなのですが、ウイスキーの樽のチップで燻製してあって、これがまたハイボールに相性良し。
●栗!!
こちらはハイボールではなくカクテル。毎年根強い人気の、その名も「栗!!」。
地物の栗をコトコト牛乳で煮込んで生クリームを加えて仕込むという、スイーツ並に手間のかかるカクテルなのだそう。お酒はダークラムベースで、シナモンの香りを仕上げに乗せてあります。
お味は、“飲むモンブラン”という表現がぴったりで、クリームのふくよかさと栗の風味が堂々と口の中に広がります。
酒場のパフェ
2軒目訪問で、ハイボールとこのパフェをお目当にしてくる方も多いのではないでしょうか。季節のフルーツと自家製アイスに、バーで味わうパフェらしく、コワントローなどのお酒も使用した“オトナパフェ”です。
●イチジク(秋)
地物の2種類のイチジクをトッピングしてくれました。みずみずしく艶やかな赤紫のイチジクがとっても美味しそう。溢れんばかりにたっぷり、グラスの中まで詰まっていました。
手前は、石川県押水で生産されるビオレソリエスをブランディングした“黒蜜姫”という品種で、小粒でギュッと濃厚で糖度も高く適度な酸味があり美味。奥は、石川県川北のイチジクで、一回り大きいサイズで黒蜜姫と比べるとさっぱりとしていて聡明な甘さ。途中でカシスを回しかけて味変しながら味わいました。カシスの重厚なベリー味が相性抜群でした。
●シャインマスカット(初秋)
金沢市笠舞にある「西野ぶどう園」さんのシャインマスカットをダイナミックにトッピングしてあり、サクサクとした食感を堪能できました。
●デコポン(初春)
●イチゴ(春)
●桃パフェ(夏)
泣かせるつまみ
広坂ハイボールさんと言えば、おつまみにも定評があります。同店を代表するスペシャリテの数々、ぜひおつまみにどうぞ。
●バーのオムレツ
開業当初から作り続けているというメニュー。見た目は飾りっ気なしのドシンプルなオムレツですが、アンチョビ入りでこれがまたハイボールにピッタリなんです。メニューに添えてある店主のコメント、「いいバーには美味しいオムレツがある。村上春樹さんが言っていました。がんばります。」の一言で、さらにちょっと幸せな気持ち増。
●飲ませる!自家製スモーク盛り合わせ
燻製香がウイスキーの風味と相性良く、ひと口食べてひと口飲むという繰り返しが止まらなくなります。
・たまご、たくあん、ハタハタなど
・たまご、たくあん、牡蠣など
●上海ソーメン
上海ソーメンは、ひき肉のあんかけが優しい味わいでどこか和風。レタスのやわでシャキシャキした食感も心地よいアクセントです。