金沢市中心部、飲食店が軒を連ねる木倉町の奥にある和食店。店主の岡山夏さんは、元「玉響(たまゆら)」の料理長ということで、繊細でツボを突く料理になるほど。オープンしたのは2017年4月。お店は外観の弁柄色がパッと目を引きます。店内は6席のL字カウンターと2名がけのテーブルがひとつ。コンパクトな“小料理屋”の空気感がステキなのと、パッと明るめの照明も好感が持てます。メニューには単品メニューが並び、好きなものを選んでアラカルト注文できるのもありがたい。ああ、どれもおいしそうだなぁと迷う楽しさ。一度行ったら常連になる人が多いでしょうね。わたしもすっかり帆夏さんハマりました。が、席数が限られているのと人気店なのとで空き席あればラッキーという感じです。
(最終訪問 2020年10月15日)
2020年10月15日
●先付
鴨出汁と焼きなすのせ茶碗蒸し、キノコと黄菊小松菜のイクラがけ、イチジククリームチーズがけ
秋を散りばめた帆夏さんらしい先付。茶碗蒸しは鴨出汁を最初にちょっと頂いて。「ああ、おいしいわぁ」と思わず口から出てしまう美味しさ。
●お造り
アオリイカ、バイ貝、銀マトの肝巻き、秋刀魚、柳鰆の炙り、ホウボウ、マグロ
●万寿貝と豆苗かに味噌炒め
人気の定番メニュー。豆苗をなんとカニ味噌で炒めちゃうという酒が進む罪なやつ。カニ味噌のほろほろっとふくよかな旨さと塩気、シャキシャキ感を残す豆苗の食感と苦味がアクセントに効いています。
●大根天ぷら
出汁が染みて味が入った大根を天ぷらで。サクッとした衣の食感の後にお出汁がじゅわっと広がります。
●かきピー天 生ハムぞえ
“ピーマンの肉詰め”のようにピーマンに牡蠣を詰めて天ぷらにしてあります。ほんのり優しい苦味とソフトな牡蠣、それを生ハムの程よい塩気で頂くという。うまい!
●鯛わたおにぎり
やっぱり締めはこれになっちゃうなぁ。鯛のワタ塩辛を混ぜ込んだ珍味のうまさを教えてくれるおにぎりです。さらにご飯ものなのに日本酒もグイグイ進んでしまうという罪な美味しさ。これは絶対毎回注文したい!!
2020年6月6日
●お通し
丸茄子すりながし、もずく酢、スナップえんどうふきのとう味噌マヨ
夏の食材を織り込んだお通しでスタート。
●お造り
マグロ、平スズキ、カマス、黒むつ炙り、鯵、赤イカ、バイ貝、ハタハタ
●クリームチーズ味噌漬けとトマト南蛮漬け いぶりがっこ
●とうもろこしのかき揚げ
揚げてさらに甘さが弾けるとうもろこしは夏の味わい。
●小坂れんこん天麩羅
加賀野菜である加賀れんこんの天麩羅。シンプルに塩で。塩がレンコンの輪郭をはっきりさせて美味。
●赤いかゲソとアスパラいしるバター
イカといしるは抜群の相性。魚醤の塩味をバターがマイルドにしていて美味。日本酒が進みます。
●鯛ワタおにぎり
2020年1月15日
●お通し
茶碗蒸し黄ニラのせ、ギバサ、秋川鶏
熊本の秋川鶏は抗生物質など不使用の飼料を与えて育てた鶏。
お通しからおいしいお店ってそのあとのお料理も期待が持てると確信あるのですが、同店もその通りでした。
●お造り
●炙り穴子と山椒香るマッシュポテト
とろける穴子の口溶けに同調するなめらかなマッシュポテト。スプーンですくって。
●源助大根天ぷら
加賀野菜の一つである源助大根は煮込んでも煮崩れせずに、おでんにぴったりと言われます。煮込んだ源助大根を天ぷらに。衣に内包されたしみしみの大根、口の中で美味しいお出汁がひたひたと広がります。
●豆苗カニ味噌炒め
●口溶けごぼう唐揚げ
極太のごぼうの強そうな見た目の印象を良い意味で裏切ってくれる一品。ごぼうらしい繊維を感じない柔らかさで、“口溶け”と謳われていても大袈裟ではないですね。たぶん七尾の伝統野菜“沢野ごぼう”かと。
●たいわたおにぎり、しじみと岩のりのお味噌汁
これは最高のシメだなぁ。鯛のワタ塩辛を混ぜ込んだおにぎり。酒の肴としてうまいやつはご飯にも好相性なのは言うまでもなく、もぅうまいのなんのって夢中で食べた。発酵のまろやかなコクと塩気。珍味のうまさ炸裂でした。