※同店は、2020年10月末から少しの間休業されます(紋の顔である前田一寿妓ママの卒業のため)。再開したらまた情報を更新します。
金沢で生まれた小説家といえば泉鏡花ですが、ここ紋は、鏡花を愛するあまり、東京銀座などに飲食店を多店舗構える矢部慎太郎さんが金沢市彦三町に2015年10月10日オープンしたBARです。2020年10月で5周年を迎えました。慎太郎グループとしては7店舗目だったそうです。敷地は約300坪もあり、建物は明治時代の町家を金沢らしく絢爛豪華にリノベーションしてあります(リノベーションに1億円をかけたということでも噂になりました)。1階には息をのむほど美しい「紅殻の間」と高貴なラピスラズリブルーの「群青の間」、さらにお庭の前には縁側席が設けられていて、冬はコタツが出ています。ここもまったりできていいですよ。2階には「天守の間」と「ないしょの間」あり。
金沢の歴史や伝統を大切にされているステキなお店で接待にもオススメ。何と言っても、店主一寿妓(かずこ)さんの思いやりに溢れたおもてなしが素晴らしいと思います。ファンがとっても多く、一寿妓さんに会いたくて通っている方も多いのではないでしょうか。私も大事なお客さんは紋さんにお連れします。
また、オーナーである慎太郎さんがかなりの器好きで、日本全国で気に入ったものを収集されており、お店入り口で販売もしています。
さらに、休病のためタレント活動をお休み中の坂口憲二さんが焙煎師として焙煎する「The Rising Sun Coffee Roastery」の珈琲豆が紋さんで購入できるのがすごい。
※同店敷地内に駐車場はないので近隣のコインパーキングをご利用ください。夜ははじめからタクシーで向かうのがオススメ。
※日本料理「和食紋」としてディナー営業していましたが現在はやっていません。
(最終訪問 2020年10月16日)
BAR 紋
※来店前に電話にてご予約を。
同店はBARがメインです。セット料金は6000円。慎太郎さんグループは銀座などで多店舗展開されていますが、世界で1番クリュッグを売り上げているんですって(驚)スゴイですね。
お通しにいつも出してくれる大きな梅干しが甘くて美味しい。シャンパンや白ワインに良く合います。
・縁側席
・縁側席の冬限定コタツ。どてらを貸してくれます。
全てのお部屋お邪魔したことありますが、どのお部屋も本当に素敵で引き込まれます。夢のような空間。
・群青の間
坂口憲二さん焙煎の「The Rising Sun Coffee」
坂口憲二さんが焙煎する「The Rising Sun Coffee Roastery」の珈琲豆が、紋さんにて購入できます。都内でも入手困難なのでここで買えるのはありがたく、毎回入荷ごとに購入しています(※数量限定)。
https://food-japon.com/p/news/the-rising-sun-coffee
●「アフターサーフブレンド」
このブレンド、とっても好きでお気に入りです。苦味も酸味も優しくて飽きない美味しさ。
毎日約3杯飲むコーヒーブレイクが幸せな時間になっています。あの方の顔を思い浮かべながらコーヒー豆をゴリゴリと挽き、ドリップする。一口いただくごとに幸せになる。海と太陽が似合う坂口さんを思い浮かべながら。焙煎日も記してあるので、「ああこの日に焙煎してくださったのだわ」と思いながら。
天守カフェ
※カフェは土曜のみ?営業なので、電話で確認の上訪問してください。
カフェは2階で、泉鏡花の戯曲「天守物語」にちなんで「天守Cafe」と名付けられています。
大きなガラス窓を配し、外に向かうようにカウンター席が設けられており見晴らし抜群。すぐ下が浅野川です。
メニューはケーキセットがメインです。
●カフェ天守オリジナルケーキセット
飲み物は、コーヒー、国産紅茶、アイスコーヒーの中から選択。ケーキは金沢市尾張町にあるパティスリー「メゾン・ドゥ・ミズキ」さん製です。
・抹茶ムース
●野苺のソーダ
天然野苺を使用したオリジナルドリンク。ベリーの可愛らしく茶目っ気のある甘さと風味がいいですね。これはおいしい~!
金沢らしい優美な空間と、目の前に広がる穏やかで抜けのいい景色がステキで、時を忘れてしまいそうです。
和食紋
※現在下記のディナーの営業はしていません。
【2019年9月17日 おまかせ20,000円】
この日は群青の間にお席を準備頂いたのですが、まずは豪華な生け花と、その両脇に鎮座する立派な普賢菩薩と文殊菩薩に迎えられ驚きました。
お酒は前半は輪島の白藤酒造さんの「白菊」を。そして後半は中村酒造さんの有機純米酒「AKIRA」を。
日常を離れ、妖艶で幻想的な世界に身を委ねて頂くお食事は夢のよう。お酒を少し頂いたら、なんだか「天守物語」(泉鏡花の戯曲)の天守でお食事している気分に。
・バイ貝、新子、金時草 土佐酢がけ
・能登牛、イチジク ごまクリームソースがけ
・すっぽん豆腐
秋のお月さまを思わせるまんまるのお豆腐がお椀に浮かびます。すっぽんの粗みじんが入っていて優しい弾力。
・真鯛昆布締め 煎り酒と能登塩
・新イクラとうにの飯蒸し
今がまさに旬の新イクラが嬉しい。美しい艶は宝石のよう。
・甘鯛の松笠あげ、万願寺とうがらし、鱧、松茸 チリ酢、醤油塩で
・子持ち鮎棒茶煮浸し
・蓮根まんじゅう
蓮根のもっちりとろとろに、食感を残した蓮根が入っていてシャキシャキ軽快な音が口の中で鳴り響きます。
・菊雑炊
菊のお雑炊なんて風流ですね。鶏出汁のやさしい味わいで〆。
・葡萄とアイス ワインゼリーがけ
【初夏のある日のコース】
・前菜(新子小袖寿し、鬼灯とまと、才巻海老、牛ロース煮、無花果、鰻ざく春巻、粕玉子、白胡瓜香り漬、蛸オクラ、新ぎんなん)
ある日の前菜は、個性的な5つの小皿にて。一番に目を引いたのは、牛ロースを盛り付けた黄色い器ですが、これははっきりとした色彩が特徴的な淡路島の「珉平焼」なんですよ。また、鰻ざく春巻をのせた魚の器は明治時代の瀬戸焼で、緑釉の濃淡が趣深いですね。
・お椀
お椀は鮎しんじょうで、器は大正時代の蒔絵です。トウモロコシのすりながしは、繊維を残すことで夏の元気な甘さに趣きを添えていました。
・お造り 鱧落とし焼目付、平目、本鮪赤身
・焼物 金目鯛柚庵焼
・強肴 岩牡蠣酢ゼリー 早松焼、金時草
・焚合せ 南瓜万頭、茄子、万願寺唐辛子
・食事 氷見うどん丸スープ仕立て
・水菓子 酒粕のチーズケーキ、野苺のアイス ミントの葉