ミシュラン1ツ星獲得店でありながら、リーズナブルで美味しいと大人気のすし店。
店主は佐々野経史さんで、2020年10月5日に犀川沿いの中川除町に移転オープンされました。
開業は2011年で、元々は片町の一角の飲食が立ち並ぶディープな横丁“中央味食街”にあって、店内はカウンター6席で隣のお客さんとは袖触れ合う距離感でしたが、そのバラック小屋の雰囲気と佐々野大将の洗練されたおすしとのギャップが魅力で一躍人気店に。さらに、ミシュランガイドで1ツ星を獲得したことで一層予約が困難になりました。
建物は前店とは異なり、空間に余裕があって明るく風情あるL字カウンター8席です。
今までは、ハコと洗練されたすしとのギャップがきく家の良さだと思っていたのですが、この場所に移って、“ギャップが良かっただけではない”ということが証明されたように思いました。大将の培ってきた技量の高さとセンスの良さが、しっかりとこの空間にのっています。今までとは調理の幅も広がっており、おいしさのレベルアップも印象付けられました。
例えば、今までは炙りと言えばガスバーナーだったのが、藁焼きや溶岩焼き、炭火焼が出来るようになりました。また、スペースが増えたというのもあるのでしょう、器の種類もかなり多くなり、彩りが増しました。
しかしながら“らしさ”も残っており、大将の頭のタオル巻きと県外中心で揃えた日本酒、さらに良心的価格は据え置きなのは有り難い。営業は、18時からと20時からの2回転というのも前回同様です。
・「ミシュランガイド北陸2021 特別版」1ツ星獲得(2021年5月19日発表)
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」1ツ星獲得(2016年5月31日発表)
【紹介項目】
2024年7月9日
きく家と言えば、「にぎりがとても多くて最後までたどり着けるのか心配になって結局腹パン!」でしたが、お久しぶりに訪問してみると、底引網の禁漁期間かつシケの日だったためか、ボリュームが本当にちょうど良かったです。ボリュームだけではなく、魚の無い日の工夫が素晴らしかったのは特筆ポイント。味わいにメリハリもあって、最後まで飽きずに、次の1カンが楽しみになる素晴らしい構成でした。
(日本酒)
紗利、紀土、夏ノ疾風、新政”宇宙兄弟”コラボ酒
(お造り)イサキ、蛸、メジマグロ、鯵
存在感のある刺身の引き方も佐野大将らしい。
(おつまみ)
ホッキ貝
(にぎり)
アカイカ、マハタ、カマス炙り、サゴシ、のど黒と芽ねぎ巻き、金目鯛、縞鯵、甘海老昆布じめ、バイ貝、鰻、ネギトロ
※写真は一部
イカは波のように躍動感のある美しいにぎり。流れるように繊細に包丁を入れて炙ることで波立たせてあります。繊細な口溶けと輪郭の出た部分のコントラスト、引き出された甘さ、香ばしさがシャリと溶け合う。
(追加)干瓢巻き、かっぱ巻き
2022年5月23日
胃袋準備万端で迎えた久々のきく家さん。昼ご飯は控えてきましたよ(笑)
今回も多種のおつまみからスタートで、すしは今回は怒涛の16種類(にぎり・巻物含めて)。
高級魚がバンバン出てくるわけではありませんが、旬魚の珠玉や大衆魚も美味しく昇華させているところが魅力。魚が次々と目の前で捌かれて、淡々と流れるように握られていくきく家さんのライブ感、大好きです。
お弟子さん・スタッフがまた増えていた印象。そのため、2回転していてもオペレーションがスムーズです。
(おつまみ)
・黒バイ貝、タコ、ヒラマサ、太刀魚、サゴシ
・マテ貝海苔巻き
(すし)
すし16種類(にぎり、巻物含めて)
イカ、ヒラメ、細魚、赤貝、鮪赤身、鮪トロ、シマアジ、イサキ、金目鯛、鰹、甘海老、マハタ、鯵、鰻、干瓢巻き、かっぱ巻き
※写真は一部
・イカ
・ヒラメ
・赤貝
・鮪
・のど黒
・金目鯛
・甘海老
・雲丹
2020年10月19日
(おつまみ)
・バイ貝、12キロ北海道ブリ、ヒラメ
・カツオ藁焼き、溶岩石カマス
藁焼きの馥郁たる風味の良さ。溶岩焼きカマスのふわっとした食感も素晴らしい。
(すし)
ここからは握りです。この日は、アオリイカ、秋刀魚、イクラ、真ハタ、車鯛昆布締め、香箱ガニ、マグロ漬、トロ、軽く締めたイワシ、クエ、ウニ、タチウオ、イサキ、万寿貝、しめ鯖、白子、輪島の穴子、カッパ巻。数えてみたら17と巻物2。これはきく家らしいすごい量。お腹いっぱいになりました。
※写真は一部
・アオリイカ
・イクラ
皮が薄くてやわらかく、味わいの濃い素晴らしいイクラ。
・香箱カニ
・マグロ漬
・ボタン海老
子がさわさわと解れてシャリと遊び、甘さのある身と味噌のコクと一体になる。
・白子 ウニと軽く蒸して
・輪島の穴子