「きく家」バラック小屋のミシュラン1ツ星すし店が犀川沿いに移転オープン!ギャップが良かっただけではないということを証明

料理: 8.0 その他: 7.8 ポイントについて
きく家 (きくや)
営業時間 ①18:00〜、②20:00〜(2回転)
定休日 水曜、日曜
価格帯 12,000円〜15,000円
訪問回数 2回(移転前含めると10回以上)

2020年10月5日に犀川沿いの中川除町に移転オープンしたすし店。店主は佐々野経史さん。開業は2011年で、2021年で10周年を迎えました。移転前は、片町の一角の飲食が立ち並ぶディープな横丁“中央味食街”にあって、店内はカウンター6席で隣のお客さんとは袖触れ合う距離感でしたが、そのバラック小屋の雰囲気と佐々野大将の洗練されたおすしとのギャップが魅力で一躍人気店に。さらに、ミシュランガイドで1ツ星を獲得したことで一層予約が困難になりました。そのきく家が移転ということで、もちろん移転先も予約でずっと埋まっています。

建物は前店とは異なり、空間に余裕があって明るく風情あるL字カウンター8席です。
今までは、ハコと洗練されたすしとのギャップがきく家の良さだと思っていたのですが、この場所に移って、“ギャップが良かっただけではない”ということが証明されたように思いました。大将の培ってきた技量の高さとセンスの良さが、しっかりとこの空間にのっています。今までとは調理の幅も広がっており、おいしさのレベルアップも印象付けられました。例えば、今までは炙りと言えばガスバーナーだったのが、藁焼きや溶岩焼き、炭火焼が出来るようになりました。また、スペースが増えたというのもあるのでしょう、器の種類もかなり多くなり、彩りが増しました。若い子もたくさん入ってちょっと賑やかな雰囲気のきく家です。

しかしながら“らしさ”も残っており、大将の頭のタオル巻きと県外中心で揃えた日本酒、さらに良心的価格は据え置きで、にぎりの種類がとても多いというのもそのまま。最後までたどり着けるのか途中心配になる(笑)営業は、18時からと20時からの2回転というのも前回同様。

・「ミシュランガイド北陸2021 特別版」1ツ星獲得(2021年5月19日発表)
・「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版」1ツ星獲得(2016年5月31日発表)

2022年5月23日

胃袋準備万端で迎えた久々のきく家さん。昼ご飯は控えてきましたよ(笑)
今回も多種のおつまみからスタートで、すしは今回は怒涛の16種類(にぎり・巻物含めて)。
高級魚がバンバン出てくるわけではありませんが、旬魚の珠玉や大衆魚も美味しく昇華させているところが魅力。魚が次々と目の前で捌かれて、淡々と流れるように握られていくきく家さんのライブ感、大好きです。
お弟子さん・スタッフがまた増えていた印象。そのため、2回転していてもオペレーションがスムーズです。

<おつまみ>
・黒バイ貝、タコ、ヒラマサ、太刀魚、サゴシ


・マテ貝海苔巻き

<すし>
すし16種類(にぎり、巻物含めて)
イカ、ヒラメ、細魚、赤貝、鮪赤身、鮪トロ、シマアジ、イサキ、金目鯛、鰹、甘海老、マハタ、鯵、鰻、干瓢巻き、かっぱ巻き
イカは波のように躍動感のある美しいにぎり。流れるように繊細に包丁を入れて炙ることで波立たせてあります。繊細な口溶けと輪郭の出た部分のコントラスト、引き出された甘さ、香ばしさがシャリと溶け合う。
赤貝は鮮度良くピッとしておりコリッと食感も美味。皮目の美しさを意図的に見せた金目鯛。
最初から最後まで目が離せません。

(写真は一部)
・イカ

・ヒラメ

・赤貝

・鮪

・のど黒

・金目鯛

・甘海老

・雲丹

2020年10月19日


<おつまみ>
・バイ貝、12キロ北海道ブリ、ヒラメ

・カツオ藁焼き、溶岩石カマス
藁焼きの馥郁たる風味の良さ。溶岩焼きカマスのふわっとした食感も素晴らしい。

<すし>
ここからは握りです。この日は、アオリイカ、秋刀魚、イクラ、真ハタ、車鯛昆布締め、香箱ガニ、マグロ漬、トロ、軽く締めたイワシ、クエ、ウニ、タチウオ、イサキ、万寿貝、しめ鯖、白子、輪島の穴子、カッパ巻。数えてみたら17と巻物2。これはきく家らしいすごい量。お腹いっぱいになりました。
(写真は一部)
・アオリイカ

・イクラ
皮が薄くてやわらかく、味わいの濃い素晴らしいイクラ。

・香箱カニ

・マグロ漬

・ボタン海老
子がさわさわと解れてシャリと遊び、甘さのある身と味噌のコクと一体になる。

・白子 ウニと軽く蒸して

・輪島の穴子