七尾が誇るすしの名店。地元の方はもちろん、遠方からのリピーターも多いお店です。ただ、地元の人は気軽に行くお店で、ファミリーで訪れることもしばしば。カウンターのすし店ですが、緊張感が大きいタイプのお店ではありません。すし職人さんはお二人いらっしゃるのですが、実はご兄弟。兄の山田賢一さんと弟の幸大さんの息はピッタリで “あ・うん”の呼吸が感じられます。また、お二方とも物腰柔らかで、折り目正しさの中にほどよい親近感があり、心地よくすしを堪能できる空気を作ってくれています。
そして、このようなすし屋には珍しい明朗会計で、リーズナブルな価格設定も魅力です。コースは2種類、「おまかせ10貫3,300円」「おまかせ12貫3,850円」と本当に手頃。せっかくなので12貫のほうがいいですね。
シャリは小ぶりの卵型(ネタによって変えてあります)で、ふわっと軽めに握ってあり、お米の一粒一粒の輪郭がはっきりしています。温度にも気を配り、人肌よりほんの少し温みのある心地良い感じです。このシャリはいつも感動あります。
魚の質は港が近いということで言うまでもありませんが、シーズンオンの地元の良いネタ(例えば赤西貝やシャコなど)が含まれます。ネタには予め味付けを施してあるので、醤油の出番は少なめです。
・サザエ
・赤西貝
赤西貝は、七尾湾やその周辺海域で獲れる巻貝で、燃えるような真っ赤な色が印象的。身に甘みを蓄えており、コリっとした食感に歯が喜びます。
・シャコ
おつまみを別注文しなければ、最初から握りが食べられるというのも好きなポイント。お酒とおつまみでゆっくり楽しみたいという方はおつまみの注文ももちろんOKです。
ちなみに人気店なので予約したほうが良いです。満席の日が多いです。
2021年9月30日の幸寿し
この日も12貫でお願いしました。
・真鯛 塩
・アオリイカ
毎回最初の方に出てくるのはイカで、季節によってヤリイカやアオリイカなど変化。奥能登の揚げ浜塩田の荒塩が施してあります。口に入れた途端にソーメン状の烏賊がざわさわとほどけてシャリと絡み合い、ザラっとした荒塩と交わり、塩味との対比効果で甘さが徐々に強調されてゆきます。
・カサゴ 生姜
・のど黒炙り 竹炭塩
・甘海老
・富山湾 白海老
ねっとりとして繊細な甘さの白海老が、輪郭の取れたシャリに溶け合います。
・バイ貝
バイ貝のバッテンの包丁の入れ方は幸寿しさんお馴染み。バイ貝はしっかり歯応えありますが、包丁を入れることでシャクシャクと歯切れ良く感じられます。
・カワハギ味噌汁
・アラ 塩
・ガンド
包丁を丁寧に入れ、美しい職人さんのシゴトがあります。このネタのみお醤油を付けて頂きました。
・鯵
・能登 毛蟹
・イクラ醤油漬け
2020年8月19日の幸寿し
この日の12貫は、赤イカ、真鯛昆布締め、キジハタ、スズキ塩、本マグロ漬け、鯵、甘エビ、バイ貝、ふくらぎ、トロ、白えび、雲丹でした。(写真一部)
・赤イカ 奥能登の揚げ浜塩田の塩
・本マグロ漬け
・鯵
・バイ貝
・雲丹
●バイ貝 酢の物
夏 単品料理
ある夏の日は、おまかせ以外にいろいろと注文し予算オーバーの豪華な感じになっちゃいましたが(そりゃあ当たり前。だけど他よりは断然リーズナブル)おいしく大満足でした。
●焼き物ハチメ
能登のご馳走と言えばハチメ。焼きで頂きましたが鮮度が伝わりました。
●アワビ刺身
生を捌いた鮑なのですが、身がびっくりするほどやわらかいのはなぜだろう。肝にお酢とお味噌を併せて付けだれにするのは、能登ではよくする方法なので私は食べ慣れていますが、他のエリアでは珍しいでしょうか。サザエやもずくでもこんな風にしますね。
2019年10月23日の幸寿し
お酒を注文するとイカの黒づくりを添えてくれました。
●みなもに浮かぶ月(鳥谷酒造)
ネタケースの中に立派な毛蟹が鎮座していたので注文。高そうでしたが、手頃価格でした。
捌くのを横目で拝見しつつテンションMAX!!
足が太くて、カニ味噌もたっぷりで食べ応えありました。
この日の12貫は、アオリイカ、スズキ昆布締め、ヒラマサ、真鯛 塩で、甘海老、バイ貝、ヒラメゆず塩、キジハタ、鯵、中トロ、毛蟹、イクラでした。(写真一部)
・甘海老
・中トロ
・毛蟹
・イクラ
冬の幸寿し
・カワハギの肝のせ
・香箱蟹