「Les Tonnelles(レ・トネル)」【※砂山シェフ在任中のレビュー】

料理: その他: ポイントについて
Les Tonnelles (れ とねる)
営業時間
定休日
価格帯
訪問回数 6回

※2022年1月末で砂山シェフ退職したのですが、これまでのお料理を参考までにしばらくは残しておこうと思います。(点数と一部の店舗情報は削除しております。)
砂山利治シェフが、2022年7月8日放送の「CHEF-1グランプリ2022 東海・北陸エリア」にて、全国大会進出決定となり、同ページご覧になって頂いた方が多かったようです。全国大会の様子は2022年7月24日に放送されました。
ちなみに砂山シェフは、奈良県の天川村にて2023年レストラン開業に向けて準備中です。

(トネルは現在は別シェフで営業していて、そちらも素晴らしかったです)

同店は、金沢の方はよくご存知の「ぶどうの森」(元「ぶどうの木」)グループが展開するグランメゾンで、2019年(令和元年)11月1日にオープンしました。店名「Les Tonnelles(レ・トネル)」は、“ぶどう棚”や日本では“藤棚”など木棚、緑廊の意。
同グループは金沢市岩出町に本店があり、この広い敷地には、お子さんから大人まで楽しめるイタリアンカフェや洋菓子工房、豆菓子ショップ、ぶどう直売所などが並び、村のようになっており、観光バスが入るほどです。
しかしながら、ここ「Les Tonnelles」に限っては客層を食通に絞っています。
(ぶどうの木だけに、ぶどう色の着物で訪れてみた)

見ごたえある建物は、世界の建築家 坂茂(ばんしげる)氏によるもの。大きくアーチを描く外観に圧倒されますが、交互にガラスが張ってあり、店内のあたたかな光が漏れています。

さらに中に入ると、驚くことに、天井の柱や椅子などが紙管で出来ていることがわかります。これも坂茂さんのデザインの特徴。曲線、丸みが効果的に空間に温かみを与えています。


店内からは畑側にぶどう棚が見えますが、店内にもぶどうの木がニョキッと生えていてぶどう棚を形成しています。“切らずにそのままを活かす”というのが粋ですね。のびのびとぶどうの木の呼吸が感じられます。なんて思い切ったデザインなのでしょうか。ナチュラルで斬新な新しい世界観。
夜は、まだ明るさのある夕空から刻々と漆黒へと移り変わって、レストラン内の照明で店内が映えていくのも一興。昼は自然光が入って緑が眩しく、昼夜で違った景色が楽しめます。

シェフ砂山利治さんは、2015年からフランス「La Grenouillère(ラ・グルヌイエール)」で腕を振るい、スーシェフを務めたという経歴の持ち主。1ツ星から2ツ星に昇格した際もいらっしゃったそうです。
レ・トネルも砂山シェフ在任中に「ミシュランガイド北陸2021 特別版」2ツ星獲得(2021年5月19日発表)しました。

 
ここでの料理で特徴的なのは、“Farm to Table”な野菜主役のイノベーティブ。
ぶどうの木の敷地内には、耕作放棄地を整備して作った95mの円形の畑「L’assiette(ラシェット)」があり、自然農法にて野菜や果樹などを育てており、目の前で採ってきたばかりの野菜が使えるというわけです。
その野菜を使ったスペシャリテが「庭師 高田ラボ」というサラダで、円形の器はラシェットのミニチュア版です。卓上で収穫体験をしながら味わうもので、毎回旬の野菜が登場します。土に見えるものはおからをローストしたもの。卵黄と土佐酢のジュレを混ぜてソースにして野菜をディップします。


主役は野菜。ビーガンメニューもあるのですが、通常のコースを注文しても野菜が主役です。ポワソンもヴィヤンドも出ますが、あくまで主役は野菜!とても良いと思いました。
ソムリエ福島大悟さんのペアリングは、アルコール・ノンアルコール共にとても素晴らしいので、飲み物はペアリングがオススメです。

器は全て森岡希世子さん。釉薬を使わずにヤスリで磨いてあってフォルムがやわらかいので、するりと手に馴染みます。

(訪問回数6回、最終訪問 2021年11月20日)

2021年11月20日 秋:天然きのこ、根パセリと熊

回を重ねるごとにどんどん濃度を増し、新しいプレゼンテーションも加わっている砂山シェフのお料理です。目が離せません。

●アミューズ1 葡萄の葉茶、菊芋、かぶら寿司
まずは飲み物とアミューズ2品をエントランスフロアにて。暖炉に火が入っているタイミングでの訪問はお初です。静かにゆらゆらと燃える炎が、温かみのある空間に調和し、風景の一つとして溶け込みます。



まずは、葡萄の木と一体化した店内で葡萄の葉茶を頂きます。色づいた葉のしつらえに秋の深まりを感じる。甘くジューシーな実からは想像できない、少し尖った酸味と独特の甘い香りがあります。

紙管デザインの3段バスケットを広げると、メニューと2種類のアミューズが。
菊芋ピュレはバイ貝を合わせて揚げたてのフリットに。熱々の温度に乗って菊芋独特の野趣ある風味が広がり、バイ貝の跳ね返す弾力が食感のアクセントに。
北陸の冬の味覚の一つであるかぶら寿しは、蕪で鰤を挟み込んで糀で漬け込んだ伝統食ですが、それをフォアグラで表現しています。

●アミューズ2「秋の名残」
厨房前のカウンターに移動して、シェフがもう一品を目の前で作ってくれます。この日は、天然キノコ4種類と鶏出汁のスープに蟹。能登シメジ、シモフリ、コノミタケ、シモオコシの野趣と風味で、目の前に山の景色が広がるようです。朝晩は特に冷え込むようになりましたが、胃から体が温められて、ホッと安堵感もあって、緊張感から解きほぐされました。



このあとは席に移動してコースがスタートします。

●かき餅
泣かせるプレゼンテーション。
砂山シェフのアイデンティティー、思い出までもを味付けにした意味のある一品。
シェフの故郷である能登・門前で、おじいちゃんが焼いてれたかき餅(米菓、おかき)と、おばあちゃんが採ってくる岩海苔、そして人生を学んだフランス最北部で兄と慕ったシェフが作ってくれた生フォアグラを塗ったバゲットという、シェフの心に刻まれているシーンを一つの料理として重ねる。じーんと心に響いたし、もっとこの人の料理を知りたいと思いました。

●庭師 高田ラボ スペシャリテ(上記)



●パン
パンにもこだわっているのが同店。普段の営業でパンをカットした時に出る端材を3割ほど使って再利用したパンは、キャラメリゼしたような深いコクがあります。黒ビールのパン、全粒粉のバゲット、シンプルに天然酵母の味わいが感じられるバタール。(切り分けて出してくれます)

●インカのめざめ
ジュリエンヌしたインカのめざめで白子を包んで揚げてあります。香ばしく弾けるようなカリカリ食感の衣から、とろっとクリーミーな白子が流れ出す。グリーンのソースはシブレットと昆布で、ふんわりシブレットの泡を乗せてあります。昆布の角のないまろやかな旨味が白子に調和し、青い風味が持ち上げる。


●あやめ雪かぶ
首の部分が紫色をした蕪“あやめ雪かぶ”に猪パテを詰めて、塩釜焼きとして仕上げます。あやめ雪かぶは、筋が少なくきめ細かい果肉感で、塩釜の塩気で甘さも引き立ちます。モクズガニを煮詰めた、艶っと見るからに濃厚なソースが印象的。旨味が凝縮されており、オイスターソースのようなニュアンスで美味でした。



●根パセリ
根パセリのピュレに金沢「magazzino38 (マガジーノ38)」さんのモッツァレラブラータと熊肉、山椒を香らせた七面鳥のスープという組み合わせ。熊は絶妙な火入れでほちゃほちゃしており、ブラータの食感が同調します。不思議な組み合わせですがまとまりもあって、繊細さも感じる一品でした。

●牛蒡
マハタに牛蒡のデュクセルを重ねてヴィエノワーズにし、牛蒡の炭火焼きと銀杏を添え、牛蒡のコンソメを注いで仕上げます。ポワソンですが主役は牛蒡。そして芳醇な大地の香りが口いっぱいに広がりますが、どこかエレガントさも感じさせる。

●冬の始まり
右から左へと、秋から冬に移ろっていく森の一皿。
右から香茸のペースト、鹿肉のロース炭火焼き、里芋のクロケット。鹿肉のソースは、どっしりとした赤ワインをベースとし、キハダの実を合わせてワイルドで凝縮したベリー感と爽やかさも乗せてあります。里芋のクロケットの中には鹿肉のつくね入り。一つは玉ねぎのビネグレットを乗せてあり、もう一つは香茸を合わせて。

ここからはデセールの始まり。秋をふんだんに織り込んだデセールでした。(デセール専門外なので解説少なくて本当にすみません)
●柿

●さつまいも

●栗


●小菓子

砂山シェフの料理に加えて、ソムリエ福島さんのペアリングも凄みを増しています。特に、福島さんのセンスと研究の賜物と言えるノンアルコールペアリングは、アルコールが飲める方でも体感してほしいくらいです。拍手。




2021年4月19日 春:1ヶ月人参、キジバトと初キャベツ

「地物食材をイノベーティブとして昇華させるためにはどうしたら良いか」ということを、一皿一皿に対して考え込んだことが伝わる料理で、砂山シェフの挑戦心も感じられました。複雑な組み立てで、和食にはないアプローチです。坂茂氏による建築を大いに利用しての回遊型プレゼンテーションも同店の特徴の一つですが、より楽しめるように工夫されていました。
印象的だった料理は、アミューズのモッツァレラチーズ、キジバト、デセールの肉桂です。
ノンアルコールのペアリングも突き詰めて研究されており、新しい味に出会えて面白いです。お酒が飲めない方は、ぜひノンアルペアリングに挑戦してみてください。

●アミューズ1
まずはアミューズ2品と飲み物をエントランスフロアにて。
飲み物は黒文字の葉のお茶。紙管デザインの3段バスケットを広げると、メニューと2種類のアミューズが。ひとつは冬の野山をイメージした蕗の薹味噌と鹿肉のクロケット。もうひとつは、加賀丸いもとホタルイカのタルト、ハマボウフウを添えて。

●アミューズ2
厨房前のカウンターに移動して、シェフがもう一品をプレゼンテーション。
今回はなんと目の前で仕上げるモッツァレラチーズです。能登の七面鳥と貝の出汁に、乾燥させた牛蒡を加えて作ったスープを、チーズの元となるカードに注ぎ、お客さんがかき混ぜるとモッツァレラチーズが完成するという一品。ほちゃほちゃ柔らかい出来立てのモッツァレラチーズに、馥郁たる香りのふくよかなスープが重なります。


このあと席に移動してコースがスタートします。

パンは自家製パンが種類豊富。間引きにした野菜を生地に練りこんだ“サスティナブリオッシュ”も面白い。


●庭師 高田ラボ
スペシャリテ。トネルのサラダは卓上で収穫体験をしながら味わうもので、毎回旬の野菜が登場します。ぶどうの木の敷地内にある95mの円形の畑「L’assiette(ラシェット)」を模した器に旬の野菜が植え込んであります。土に見えるものはおからをローストしたもの。
卵黄と土佐酢のジュレを混ぜてソースにして野菜をディップします。


●1ヶ月人参
人参を粘土焼きにして、牛脂を塗ってから冷蔵保存し熟成。野菜の端境期を凌ぐ知恵として考え出したそうです。人参はセミドライフルーツのような凝縮された甘さでみずみずしさもあり。鰆のスモーク熟成を添え、ブラッドオレンジとアプリコットのソースで。


●ポロ葱
ポロ葱を真っ黒になるまで焼いてありとろとろ甘い。蛸島の桜鱒、蛤の泡、ベルガモットのジュレで。

●色白美人
朝堀りの筍をパン生地で包んで揚げパンにして火入れ。目の前でシェフがデクパージュ。イノシシのバラ肉とメカブ、メカブバターを詰めて、ホエーとキナメラ干物をソースに。


●アスパラ
アスパラを3つの味で。左から、塩、鴨の内蔵、野ウサギの脳味噌と能登の粒マスタードをのせて。

●春キャベツ
キジバトは、キャベツのヂュクセル、バターライス、キジバト内蔵を詰めて、柚子胡椒を効かせた鶏手羽先のソースで。骨太な味わいを柚子胡椒が引き締めます。キャベツボウルには、生キャベツ、ソバナ、三つ葉、セリ。

●ころ柿
デセール1品目。ころ柿、河内晩柑、ジューシーフルーツ、ベルベーヌのこんぶ茶ゼリー、仕上げにグラノラをトッピング。朝食をイメージしたというのに納得の、爽やかな一品。

●熟成馬鈴薯

●肉桂
場所を移動し厨房前のシートで。シナモンの木をイメージしたお菓子は、メイプルシロップ、ミルクチョコ、カカオソルベなどで構成されており、そこにシナモンの葉をシロップで詰めて糖化させたお茶をかけて。シナモンの主張がしっかりされていて、カカオとのコンビネーションも良く、印象に残りました。

●小菓子、ハーブティー
テラス席にて場所を移し食後のティータイム。雲ひとつない晴れた日だったので、自然光と緑と風がとっても気持ち良かったです。
アロマティカス、レモングラス、レモンタイム、ブルーベリー蕾などのハーブティーと小菓子。食後が充実するいい時間でした。

2020年9月24日 秋:ビーツ粘土焼き、ポムフリット

昼の訪問でおまかせコースを頂きました。
前回とはガラリと趣向を変えて、スペシャリテ以外は新しい料理だったのがすごい。さらに、最初のアミューズに少し厚みが出てきたのも良いと思いました。

●アミューズ1 枝豆、茄子
まずは入ってすぐのエントランス席にてアミューズを頂きます。この建物のデザインに呼応する、丸みを帯びた3段の紙菅バスケットでの演出が素敵です。

枝豆とタピオカ粉を揚げたもちもちのフィンガーフードに、ハーブのオキザリスをはらりと添えて。
自家農園の中茄子は、中身を一旦取り出して皮だけをカリカリに揚げ、身に生姜を混ぜて戻して生うにをのせ、紫オキザリスをあしらって。もちもちとカリカリの対比を意図的に感じさせるアミューズ。

ドリンクは摘果された青いルビーロマンで作ったもの。赤紫のルビーロマンは糖度が約20度ありとても甘いですが、摘果された青いものは糖度が4しかなく、酸味がとても強くてびっくりするやつです。しかしこれはとても良い経験です。

●アミューズ2 発酵トマト
席を立ち、さらに少し奥に進んで、厨房の前で砂山シェフが1品フィンガーフードを作ってくれます。
今回は、発酵させたトマトの外皮のパウダーに、トマトのアイスを入れて。口の中の温度で溶けて、まずはトマトの酸味が立ち、さらに旨味がぶわっと押し寄せてきて余韻に残ります。

●庭師 高田ラボ
トネルのサラダは卓上で収穫体験をしながら味わうというもので、花壇を模した有機野菜サラダの登場です。卵黄と土佐酢のジュレを混ぜてソースにして野菜をディップします。土に見えるものはおからをローストしたものですが、本物の土に見えて楽しい。「これは何の野菜かしら」とひっこ抜いて、シンプルに個性を食べ比べます。


●トマト
“究極の冷やしトマト”と銘打った、見た目にトマトを感じないトマト料理。
トマトをろ過したトマト水を球状のアイスにし、コスモスの花を散らして。中には、レモン果汁とレモンバームでマリネしたフレッシュのトマトが。スモモと未熟ぶどうのソースをかけて。ひんやり爽やかで可憐な一皿。




●トウモロコシ
昆布締めした真鯛を、トウモロコシを衣のようにして揚げる。揚げて甘さを増すトウモロコシには、トウモロコシと梨の甘くさっぱりしたソースを合わせて。泡はハマグリの出汁。真鯛は揚げることでふんわりとした食感に。ニラの花、セイヨウノコギリソウの葉をあしらって。ポワソンだが野菜が主役。

●ビーツ
ビーツを粘土で包み焼きにして、ビーツのおいしさをギュッと逃さずに。1切れめは塩で頂く。ホコホコとしていて、なるほど内包されたジュのおいしさをシンプルに味わえる。2切れめは無花果とフォアグラを合わせて、ふくよかな味わいにも負けないビーツの力強さを感じる。ランド産の鴨は焦がし玉ねぎのソースで。鴨もうまいが、あくまで野菜が主役というのが良い意味で分かる一皿。


ここからはデセールです。
●ポムフリット
呼び出し番号「1番」の旗をもらってドキドキ待っていたら、出てきたのがこちら。どこかのファストフードチェーンのような風貌のフライドポテトかと思いきや、実はリンゴのデセール。フランス語でリンゴもじゃがいもも“pomme”ですが、それにかけているんですね。じゃがいもを揚げたフライドポテトは“pommes frites”ですが、これは“揚げリンゴ”の意。しかしながら揚げてあるのではなく、リンゴにクランブルをまぶしたものです。ケチャップに見えるのはトマトとラズベリーのソースで、マスタードに見えるのは卵黄とオリーブオイルから作られています。
なんて楽しいアヴァンデセールなんだ。

●サニーサイドアップ
目玉焼きを模したデセールです。艶やかな卵黄は、パッションフルーツとマンゴーと鬼灯ジュースで作ったもので、白身はココナッツの寒天ゼリー。卵黄の下にはバニラとココナッツのエスプーマー、フレッシュ鬼灯が。フライパンの焦げ目はクレープをカリカリに焼いて再現してあって本物そっくりです。塩はバニラシュガー、醤油はパッションフルーツジューズとダークラムと黒糖。とことんの遊び心が気持ちいい。童心に返ったようにテンションが上がります。

●小菓子

2020年7月21日 夏:アーティチョーク、打木赤皮甘栗かぼちゃ塩釜

(3回目の訪問で初めて書きます。)
●アミューズ1 クッキーニ、野ぜり
まずはアミューズ2品と飲み物を入ってすぐのエントランス席にて。
1品目には、ズッキーニの茎をくり抜いて、サザエやアワビなどの詰め物をしてナスタチウムをのせて。2品目は、香り高い野ぜりの根っこの素揚げに、ジャガイモピュレと牡蠣のバウダーを添えて。ハーブティーはシナモンの葉が入ったシナモンティー。


●アミューズ2 スッシーニ
さらに少し奥に進んで、厨房の前で砂山シェフが1品フィンガーフードを作ってくれます。この日はズッキーニの花に酢飯を詰めた“スッシーニ”。ガリの泡でイノベーティブな野菜寿司が“トネルらしい”プロローグ。これを頂いてから席に。

・ぶどうの木で育ったぶどうを“金沢ワイナリー”さんが醸造したワイン

●庭師 高田ラボ
スペシャリテです(解説は上部)。





その日の野菜は“納品書”にも書いてあります。


・ベルベーヌ
店内で育つベルベーヌ(レモンバーベナ)をベースにしたノンアルコールドリンク。グラスのステムが特徴的。

●アーティチョーク
このアーティチョークもここの畑で育ったもの。食べられるのは根元の部分で、竹炭と豆乳、にんにく、バニラのソースにつけて。アーティチョークの個性的な風味がディップソースにぴったり。

●ズッキーニ
ズッキーニとアマダイ。ポワソンではあるが野菜が主役。ズッキーニは麺のようにしてソテーし、海苔のソースで。泡はネギと貝出汁で、軽やかで青い風味の繊細な味付けがアマダイにも調和。
・数馬酒造の酒をペアリングに。海藻酵母であるMisaki酵母を使った日本酒に、クロモジの仲間のダンコウバイを合わせてスッと爽やかで色気のある香りを添えて。


●赤皮栗南瓜
夏鹿と加賀野菜のひとつである打木赤皮甘栗かぼちゃ。ヴィヤンドですがこちらも野菜が主役。パンに見えるのは、ライ麦の乾燥を塩釜に練りこんで南瓜を塩釜焼にしたもの。



中にはしいたけの赤ワイン煮込みが入っています。包み焼きにされたかぼちゃは良い水分量が保たれてしっとりとし、塩気で甘さが引き立ちます。ライ麦の野趣もほのかに。


・高村刃物製作所さんのナイフで


●ルバーブ
アーモンドミルクの泡をのせて。フレッシュでシャリシャリとしており、柑橘のような味わい。

●さくらんぼ
チョコレートとさくらんぼの菓子“フォレノワール”をイメージしたデセール。グリオットのコンフィチュール、カカオニブのムース、チョコレートのソルベ、スポンジの代わりにゴーフレットを。濃厚なアメリカンチェリーとチョコレートが好相性なのはもちろん、夏仕様でさっぱり食べられました。

●プティフール