江戸時代末期の嘉永二年(1849年)創業の落雁専門店「諸江屋」さんの、にし茶屋街にある支店です。こちらの店舗は奥に広い造りで、カフェスペースがあります。
商品では、生らくがんの「濃茶楽雁」と「塩どら焼き」がおすすめ。
イートインのおすすめは、秋冬の卓上火鉢で自ら焼いたお餅を入れて作る能登大納言ぜんざいです。
また、夏はオトナのかき氷や冷やしぜんざいが頂けます。
生らくがん 濃茶楽雁
諸江屋さんの落雁は「加賀宝生」や「花うさぎ」などはお馴染ですが、私はあんこを挟んだ生落雁の「濃茶楽雁」が好きです。落雁の味って想像が付くし想定内なわけですが、この生落雁は本当にオススメです。
●生らくがん 濃茶楽雁
大きめの落雁にあんこをサンドしてあって、ほろっと崩れた落雁を、柔らかいあんが受け止めてくれるのです。香高い濃い抹茶と、甘くて品のある餡が調和。贈り物にも喜ばれます。
卓上七輪でお餅が焼ける能登大納言ぜんざい(秋冬)
秋めいてくると毎年楽しみなのが同店のぜんざい。なんと、卓上で自分でお餅が焼けるんです。
カフェは大きく取られたガラス窓から、お庭を拝見できる癒し空間です。最初に出してくださるのは、加賀棒茶と落雁。こういうさりげないおもてなしがいいですね。
●能登大納言ぜんざい(10月から5月末頃まで)
まずは、ぜんざいに入れるお餅と卓上の七輪が登場します。
網にお餅をのせて焼きはじめると、パチパチと炭の音が聞こえてきます。
おいしそうに焦げ目が付き、ぷく~と膨れてきた頃にぜんざいが配膳されます。このひと手間が自分でできるのが楽しい。
焼きたてのお餅をぜんざいの中に入れると、焦げ目がジュワと音を立て湯気が上がります。炭で焼いた香ばしさったらない。
ぜんざいの小豆は、大粒で赤色が特徴的な稀少な能登大納言をごろごろと贅沢に使用しています。
やや甘めの味付けですが、歩き疲れた体には丁度良いと思いますし、能登大納言ならではの味わい深さも美味。塩昆布も添えてくれてあるのでアクセントにどうぞ。
大人のかき氷(夏)
●かき氷 宇治金時(夏限定)
深い鶯色をしたお抹茶たっぷりの夏季限定のかき氷。追い掛け用の抹茶と練乳がセットになっています。抹茶にあまり甘さは入っておらず濃~い抹茶そのままなので、けっこう苦味が効いていますから、練乳をかけないと食べ進められない感じ。氷の中には粒あん入りですから、これで甘さを添えてください。
かなりオトナな味ですから、お子様には不向きかなと思いますが、その渋さがまたいい。
抹茶好きさんは是非チャレンジしてみてください。
諸江屋のお菓子
諸江屋産には、生落雁以外にも美味しいお菓子があります。特に好きな2つをご紹介します。
●栗きんとん(秋限定)
季節もので注目なのは栗きんとん。 諸江屋さんのは栗と砂糖だけで作ったタイプ。しっとりしていて舌あたり心地よく、口の中でほどけると共に、趣きある栗の風味が広がります。
イートインでも食べられます。
お持ち帰りだとこのようなパッケージで販売しています。
●塩どら焼き
生地を半分に折り畳んで餡を入れたどら焼きで、能登の塩効かせて甘さが引き立っています。しっとり食感と甘じょっぱさが美味。お土産にもおすすめです。
にし茶屋街はひがし茶屋街に比べるとストリートも短く店舗も少ないですが、片町からも徒歩圏内ですし、お土産選びもできますから、観光の小休止にこちらに立ち寄って甘味を頂いてみてはいかがでしょうか。