「NICON(ニコン)」和の空間で魚介フレンチ。大工町に2023年2月オープン!店主はルブルギニオン出身

料理: 7.7 その他: 7.3 ポイントについて
NOCON (にこん)
営業時間 18:00〜19:00の間で一斉スタート
定休日 しばらくの間 土日祝はお休み
価格帯 おまかせコース(12000円)7〜8品
訪問回数 1回

2023年2月1日に金沢の片町エリア、大工町にオープンしたフランス料理店です。
不思議な店名は、実は禅の言葉である「而今(にこん)」から取っていて、「今この瞬間を大切に生きる」という意味があるそうです。

フレンチなのですが、建物は元「割烹河童」というお店をほぼそのまま原型を活かして使用しており、昔ながらの風情が漂います。
まさかこういう外観だとは思ってなかったので、一旦通り過ぎてしまいました(笑)

看板もそのまま、入り口からカウンターまでのアプローチも老舗割烹の面持ちです。こういう感じは他にはないので、逆に新鮮。カウンターにはお客さんから見えるように立派なワインセラーを入れてあります。

オーナーシェフは前田涼太郎さん。西麻布「LE BOURGUIGNON(ルブルギニオン)」さんでも長く腕を振るわれたそうです。

そして、同店でとっても素敵なのが女将のサキさん。聡明で美しくて、お若いのに品があって、お着物も良く似合っており、迎えてくれた瞬間嬉しくなってしまう。凛としていて花が咲いたよう。

お料理は12000円のおまかせコースのみ(7〜8品)で、現在は土日祝が定休日です。
週末お休みにしている理由は、前田シェフがお父様(前田利幸さん)のお店である内灘の「はねや」さんを手伝っているから。はねやさんと言えば、地元で長く愛される有名和食店。130席もあるオオバコで宴会も多いお店です。

NIKONは魚介をメインにしたフレンチで、魚は主に富山県氷見産を使用。仕入れは氷見のすし名店「鮨よし」さんと同じなのだそうです。素材力を立てて料理に昇華させてあり、魚のポテンシャルの高さがしっかりと伝わりました。(メインはお肉です。)

私が特に好きだったのは、白海老と鮟鱇。
(品数多いのでコメントは一部)

●人参ムース、うに、コンソメジュレ
王道の一品からスタート。これは完成系のコンビネーションですよね。

●白海老
印象的な一皿!
富山の白海老のねっとりくる甘さに、蕪サラダのしなやかでシャキシャキの食感と蕪ヴァヴァロアの優しい味わいが重なる。トマトエキスの透明感ある旨味と春菊ソースの青い風味、ライムの爽やかな風味が持ち上げます。

●ラタトゥイユ、鰯ラグー、アンチョビ、スミイカ、バジルソース

●香箱コンソメ

●甘鯛鱗焼き、ホワイトアスパラ、パルメザンリゾット
蕗の薹ソースの苦味が、チーズのまろやかさに良いアクセントになっていました。

●鮟鱇、鮟鱇煮凝りソテー
鮟鱇の煮凝りソテーが絶品で、とてもインパクトありました。
表面は香ばしく、咀嚼するとゼラチンの弾力と共に旨味が広がり余韻する。
ほうれん草と白菜クリーム煮、赤ワインソースで

●羊
プラにヴィヤンドを置き、コースの流れに抑揚を付け引き締める。この日は羊でしたが、鴨のときもあるそうです。
ロゼール産羊のセル、ヒレのパン粉焼きで、羊の個性をしっかり出した一品でした。ナヴァラン、黒オリーブソースで。金柑の凝縮した柑橘味が相性良かったです。

●ココナッツブランマンジェ、加賀棒茶
ふるふると繊細で妖艶な風味のココナッツブランマンジェに、マリネしたいちごの可愛らしい酸味とバジルの青い風味で、口の中が春の喜びでいっぱいに。最後の一品までしっかり美味しくて、満足感が膨らむ。