金沢のすし名店の一つで、首都圏はもとより、海外からも注目をされているお店。もちろん地元の信頼度は高く、金沢が誇るすし店と言い切っても良いでしょう。場所は、新天地や中央味食街というディープなお店が密集する賑やかなエリアのすぐ横にありますが、乙女さんの手入れされたお庭と石畳のアプローチ、静かにかけられた暖簾が凛とした雰囲気を醸しだしており、辺りの雑踏と一線を隔てています。
【受賞歴】
「ミシュランガイド富山石川(金沢)特別版2016」 1つ星獲得
世界のトップレストランTOP1000 「LA LiSTE 2018」 スコア 82.25
店内はカウンター10席ほどと、個室の小上がり席があります。
大将と女性の板さん、若手さん数名がそれぞれの仕事を手際よくこなしています。大将は物腰柔らかい方で、お客さんとのほどよい距離感を心がけていらっしゃる様子。大将の醸し出す心地よい雰囲気好きという方も多いことでしょう。カウンターにはガラスのケースはなく、木箱が置かれていて、そこに吟味されたネタが保管されています。
お料理はイカの刺身から幕が開くことが多いです。繊細に包丁が入っており、舌にねっとりと絡みつくような口当たり。ふりかけてある炒り胡麻が、横幅のある香ばしさを添えています。
乙女さんで使用している食材は能登産が多く、七尾のトリガイやシャコ、輪島の黒もずく、能登の穴子まで。冬なら能登ぶりや能登ナマコも登場します。さすが食材は良いものを選んでお使いだということが見た目からも伝わりますし、仕込みの丁寧さは洗練されて整った味わいからも良く分かります。
2018年5月の乙女寿司
(写真は一部)
・イカ握り
・トリ貝 七尾
・シャコ 七尾
・のど黒焼き
・鮑肝焼き
・うに
・穴子
冬の乙女寿司
(写真は一部)
・能登ナマコ
・サワラ
・能登産穴子
焼き穴子の香ばしさったら、もぅ。言葉がでません。
カニの時期なら「香箱蟹」が出てきますが、やはりさすがの目利きで、身がしっかりしたいいものを選ばれています。調理も秀逸で仕事が美しい!みずみずしさと甘さの違いを感じました。
・香箱蟹
食べ終えたら甲羅を一旦引き、日本酒を加えて甲羅酒にしてくれます。熱燗を加えて一旦加熱してあるので、生臭さなく、甲殻類の香ばしさが酒に染み出ており味わい深い。
・香箱蟹 甲羅酒
・イクラ
握りのネタは、もちろん吟味した旬の地物で、味付けが予め施してあって醤油は不要。
シャリは温度や空気の含ませ方など、微妙な調整に気を配っていることが伝わってきます。口に入れたとき完成される感動は、言い表しがたいほどです。
・能登がき握り
・のど黒炙り握り
握りは個室利用の時は皿盛りになりますし、少しのインターバルが発生してしまいますから、やはりカウンターを推奨します。ただ、皿盛りの美しさもちょっとした発見でした。
・のど黒、鰤
・甘海老、コハダ