金沢市広坂にある実力派パティスリー。同店は1919年創業の和菓子店「お婦久軒」が、4代目でパティスリーになったお店(和菓子も販売されています)。4代目であり現オーナーパティシエは西川開人さん。「マンダリンオリエンタル東京」でスーシェフを勤めた経歴あり。実力派かつセンス抜群で、飛び抜けたおいしさに出会えます。細かなところにも気を配り、完成されたおいしさに仕上げてくるあたりは、世界を食べ歩くスイーツのプロライターも驚きだそうで金沢の誇りに思います。(私はスイーツに関しては知識乏しいので解説が薄くて申し訳ないですが、オフクさんのケーキ食べるたび感動があります。)場所は21世紀美術館と金沢市役所の間で、可愛らしいテントウムシの看板が目印。お店に入ると、ショーケースにはそれは美しいケーキがずらりと並んでいるので、ついつい見入ってしまいます。イートインスペースは2階で、席数14設けられています。1階で注文したのち、らせん階段を登って上階へどうぞ~。21世紀美術館が臨める方向で外向きにカウンター席が設けらえていて眺めが良し。緑と自然光が入る気持ちのいい空間です。
2019年10月1日にグランドオープンしたオフク2号店の「remref(レムレフ)」はこちら↓
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(最終訪問 2019年3月3日)
(※ケーキいろいろ挙げていますが、もちろん季節限定も多々あり。)
●フレジェピスターシュ(右)
2種類のピスタチオペーストを使ったムースリーヌにフレッシュなイチゴをゴロゴロと。え?ピスタチオのケーキってこんなに美味しいんだ!とピスタチオの魅力に気づかせてくれる一品でもあります。重厚感とフレッシュなイチゴの最強のバランス。おいしさにうっとり。オススメ。
●ティラミス
●DS9(ディ-エスナイン)
都会的いや宇宙的で妖艶なパープルのデコレーションに釘づけになります。開店当初から人気の一品。ブラックベリーのガナッシュとベリーのクリームが層状になっており、果実の酸味はあるものの落ち着いた味わいにまとまっており、ブランデーの風味が後からふうわりと追いかけてきて大人の余韻を残します。
●エゴイスト※イートイン限定
お持ち帰りが困難なくらい繊細に仕上げてあるのでイートイン限定です。ミルクチョコレートのムースの中には、ローズマリーとライムの風味づけをしたクリームが入っており、まずはチョコムースの絹のような滑らかさに、しばらく目を閉じて浸りたくなりました。さらにローズマリーの風味が追いかけてきて、ライムの爽やかなアクセントと、イチゴのコンポートのチャーミングな甘さが不思議な一体をもたらす、なんだかマジックにかかった気分になる一品。
●フロマージュクリュ
ベリーとエディブルフラワーを添えた可愛らしい一品で、やけにロゴのテントウムシくんがマッチしています。フロマージュブランのムースの中にはベリーのソース入り。ムースが予想以上に軽やかでしつこさがなく、優しい味わいにまとまっていました。ああ、おいしい。
●モンテリマール
ナイフを入れるとオレンジ色のソースが!金沢産の蜂蜜(百花蜜)とドライフルーツ入りで、凝縮された果実の旨味も加わりしみじみ美味しい。
●ババ オ ロム
サヴァランには、グアテマラ高地のラム「ロンサカパ」のシロップがひたひたに染み込んでいます。アルコール感がしっかりあり、カッとくるアタックの次に訪れる豊満な風味がたまらない。
イートインのドリンクは、コーヒーやカフェラテはもちろん、紅茶や日本茶もあり。
●ホワイトオーチャード
中国緑茶に白茶をブレンドしたもので、桃のようなフレーバー。
さらに、ケーキはもちろんのこと、ヴィエノワズリー(土日限定)もレベルが高くて超人気です。クロワッサンやパン・オ・ショコラは売り切れが目立ちます。
●クイニーアマン
売り切れ必至、人気の一品。クイニーアマンは、ブルターニュ地方の伝統的菓子で、バターをたっぷり使ったブリオッシュ風の生地で作られており、外皮はお砂糖でカリカリ。表面の飴をしっかりめに作ってあって、食感の強弱が実においしい。古典的なクイニーアマンですから、バターとお砂糖たっぷりですが、オフクさんのクイニーアマン食べられるなら太ってもいい!
また、季節の和菓子とお婦久軒名物のあんどーなつも変わらぬ人気です。
●あんどーなつ(5コ入り680円)
「お婦久軒」と言えばこの「あんどーなつ」が有名。昔は女学生が学校帰りに楽しみに買いに来たという、金沢の物語が詰まったお菓子です。
一口サイズよりも一回り大きめのまんまるどーなつで、お砂糖がまぶしてあります。懐かしい味わいでありながらも、中のこしあんがなめらかでサラっと軽く甘さも少し控えめで、計算されたおいしさを感じます。どこにでもありそうでどこにも真似できない、老舗のロングセラー。長年愛され続けるお菓子には、理由がありますね。