金沢駅から近江町市場方向に向かう途中、安江町の大通りをちょっと入ったところにあるすし店。店主の国沢一誠さんは東京の久兵衛をはじめ、金沢では和食やフレンチなどにいらっしゃった方で、各店でいろんな技法などを身につけられたのでしょう、それが現店舗の良さやオリジナリティーに繋がっているように感じられました。オープンは2017年。暖簾を潜るとL字のカウンターがあり席8つ。金沢は東京に比べればリーズナブルにおすしが食べられると言えど、同店は飛び抜けて手頃感あり。小料理を何皿も出してくれた後に握りに入ります。お酒のリストにワインが目立つのが特徴です。
この日は春食材がもう出ていて心踊りました。小料理は、新玉ねぎムースを添えた蟹身、春の風物詩である穴子の稚魚“のれそれ”、小鯛は煎り酒で、蛤の出汁が効いたこのわた入り茶碗蒸し、イカミミとゲソのイカ団子などなど。さらに、ご飯をウニで和えたウニご飯に炙りカラスミをのせて。スモールポーションで多種出してくれるし、お酒が進んでしまうものが多く酒が進む。最初は白ワインではじめたのですが、次のお酒は農口に切り替えました。錫の酒器で出してくれるのもいいですなぁ。
握りは赤酢なのが個人的にツボでした。京都丹後のものと愛知のブレンドだそうです。お米はコシヒカリと、それだけでは柔らかいので、加賀産「日本晴」をブレンドして米の輪郭を出して。シャリが解けると舌の感触でいい輪郭を感じます。ホウボウ、イカ、アジ、マグロ、赤貝、サヨリ、ガスエビなどなど。さらに巻物で、のど黒炙りとうなぎ。のど黒手巻きは、端の下側になる方を海苔で蓋してあります。ラスト追加でトロたくを。沢庵はたまり醤油につけてあり赤酢と調和していました。最後は棒茶アイスで、サクサクと乾いた音が口の中で鳴り囁く香ばしい最中に入れて。トータルの印象としてもリーズナブルに感じられ、何度も通いたくなります。
(写真は一部)