石川県で唯一イタリアナポリにある「真のナポリピッツァ協会」から認定されているナポリピッツァ専門店です。店名の「SALINA(サリーナ)」とは「塩田」という意味のイタリア語で、オーナーピッツァイオーロの林正治さんの亡き祖父が能登で400年以上続く揚げ浜塩田の塩士・角花菊太郎氏であることと、菊太郎さんの後を継いだ林さんの伯父、角花豊さんの塩をピッツァ生地にも使用していることにちなんでいます。
旬のイタリア野菜を使用したピッツァや伝統的な家庭料理など、通が喜ぶメニューも豊富なので、個人的にはディナーで探求するのが好きなお店です。
同店は2018年6月22日に香林坊に移転オープンしています。(以前は金沢中心部から離れた郊外の窪という場所で、錦ヶ丘高校のすぐそばにありました。)
お店は香林坊の東急スクエア近隣、メインストリートとせせらぎ通りの間の道を入ったらすぐです(せせらぎ通りに看板が出ているので分かりやすいと思います)。
外観は深緑を基調にしており、ガラス窓の向こうには重厚感あるピッツァ窯が見えます。また、入り口が小さいのでキャパが小さく見えますが、奥に広い造りになっていて、さらに食事フロアは2階に設けられています。
メニューのラインナップは以前とほぼ変わりませんが、片町の“お一人様需要”も見込んでのことでしょう、メニューの仕様変更はSサイズができました(とはいえMとそんなに大きさは変わりません)。
(2階の食事フロア)落ち着いたオリーブ色の内装。ワンフロアです。
(今一度ナポリピッツァの簡単な解説です)イタリアのピッツァは大きく分けて2タイプあります。「ナポリピッツァ」は生地外側に額縁(コルニチョーネ)があって厚みのあるタイプで、「ローマピッツァ」は生地を麺棒で薄くのばしたクリスピータイプです。ちなみに「ピザ」と「ピッツァ」は別物。ナポリからアメリカに渡って独自に育ち、日本に 渡ったものが「ピザ」で、イタリア発祥のものは「ピッツァ」と呼ばなければなりません。
特に重要なのが生地で、小麦粉、酵母、塩、水というシンプルな素材を練って熟成させ、400℃以上にもなる高温の薪窯にて、素早く約1分で焼き上げることにより、ナポリピッツァたるおいしさが完成します。ふわっと膨らんだ額縁は素焼きの香ばしさがあり、噛めば噛むほど旨さが滲み出します。対して中央部分は二つ折りや四つ折りにできるぐらいやわらかくて、食感はもっちもちです。
さらに、真のナポリピッツァ協会に認定されるためには、より厳しい基準が設けられています。サリーナさんは、2008年に認定審査に合格されたそうです。
サリーナのピッツァ ラインナップ
●いちじくとゴルゴンゾーラはちみつのピッツァ[旬メニュー](2022/9/27)
とろとろになった無花果の自然な甘さと滋味が水牛のリコッタチーズの上品な味わい、ゴルゴンゾーラの個性的な風味と蜂蜜のコクのある甘さに好相性。
●マルゲリータ コン マガジーノ
金沢長土塀「magazzino38(マガジーノ38)」さん製のモッツァレラチーズを使用したマルゲリータ。金沢でチーズ類を作っている方はとても珍しかったので、マガジーノ38さんが作られることで金沢の強みが増えました。同店のピッツァは塩も能登の角花さん製ですから、ローカル食材にフォーカスしたサリーナさんならではのマルゲリータです。
●カルツォーネ[定番メニュー](水牛のリコッタ、モッツァレラ、トマトソース、サラミ)
三日月型のピッツァ。包み焼き状態なので、中を蒸し焼きにするため、窯の手前で約2分半かけてじっくりと焼き上げます。ナイフを入れると中からは水牛のリコッタチーズとモッツァレラチーズがとろりと流れ出て、口の中いっぱいにみずみずしくサッパリと清楚なおいしさがほとばしります。ほっぺが落ちるというのはこのこと。
●マリナーラ[定番メニュー](トマトソース、ニンニクスライス、オレガノ、バジリコ)
トマト、小麦粉、バジルのシンプルなピッツァ。ピッツァ通によると、マリナーラを食べればそのお店のレベルが分かるのだとか(シンプルだからこそ求められる食材力とテクニック)。ニンニク入りですが、そのパンチがガツンというよりハーブのような寄り添い方をしており、生地のおいしさが引き立っています。うまい!
●ピッツァドック[定番メニュー](水牛のモッツァレラ、トマト、バジリコ)
言わばマルゲリータのリッチバージョン。トマトソースなしのビアンカで、生地がうまいからこそ全ての旨さが合わさって昇華されています。絶品!
●ポルケッタ(ローストポーク)とコンドル(サルシッチャ+チーマディラーパ)のメタメタ
ローストポークにローズマリーで風味づけをした「ポルケッタ」、自家製サルシッチャとチーマデラーパ(菜花)のコンドルをメタメタ(ハーフ&ハーフ)で。チーマデラーパは独特の苦味が良いアクセントで、ヤミツキになる味。
(別日)玉子のせも美味でした。卵黄がソースの役割!
●トレビスとゴルゴンゾーラ[旬メニュー](モッツアレラ、トレビス、ゴルゴンゾーラ)
トレビスはヨーロッパの野菜で(見た目は紫キャベツに似ていますが別物で、)チコリの仲間。苦味がしっかり効いていて、味わいのアクセント、そしてメリハリにもなり、ピッツァが大人の印象に。ゴルゴンゾーラチーズと合わさって、よりクセになる味わいの一枚でした。
●マイス[旬メニュー](とうもろこしペースト、モッツァレラ、ハム、プチトマト)
夏のピッツァ。口に入れた途端、とうもろこしの夏らしく元気ある甘さが炸裂し、幸せな気持ちにさせてくれます。
●ジェノベーゼ[旬メニュー](バジリコペースト、モッツァレラ、プチトマト)
サリーナの料理
お料理にも注目です。ピッツァの前にぜひどうぞ。
●サラダ
●ポテトサラダ
これはびっくりなポテトサラダでした。生ハムがはらりとのせられており、ジャガイモや茹で玉子が粗くザクザクカットされていて食感をしっかり残してあります。オススメ!
●カプレーゼ
●豆とパスタのスープ
イタリアではマンマの味。パスタを作るときに余った切れ端を入れた豆スープ「パスタ・エ・ファジョーリ」のことで、サリーナさんでもそれを意識し、いろんなパスタが入れてあります。白インゲンは優しい味わいですが、ローズマリーがほのかに効かせてあって、黒胡椒がメリハリを出しています。
●キャベツのグリル
●生ハム、サラミ盛り合わせ
●コンキリオーニのグラタン
貝の形をした大きなパスタなので、ラザニアのような感覚です。
●カレー風味のアランチーニ
●岩海苔のゼッポリーネ、ひよこ豆のパネッラ
ゼッポーネは、弾力あるもっちもち食感がたまんな~い。パネッラはひよこ豆をすりつぶして揚げたもので、素朴な滋味がほろっと広がる感じが美味。
ラルドのせも美味でした。
●エゾ鹿のパテ
●ブロッコリーのペペ
●燻製モッツァレラの生ハム巻きカツレツ
モッツァレラのむっちりした弾力と衣の香ばしさ、燻製のスモーキーな芳香と生ハムの塩気が一緒になった、思わず唸る一品。
●塩豚のソテー 豆のピュレ添え
“勢い”のようなものが感じられるダイナミックな料理ですが、味わいは端正で美味。塩味はきつくなく軽やかで、主役を引き立てながら奥深い味わいが余韻に残ります。
サリーナのドルチェ
●塩ソフト、アマレッティのプリン、ピスタチオのカタラーナ
塩ソフトは同店で食べてほしいデザート。最大限甘味を引き立てる塩の効かせ方で、塩辛さの角は取れ、マイルドでコクがしっかりあります。う、うまい。角花さんが丹精込めて揚げ浜塩をお作りになっているシーンが思い浮かびました。
●ブリオッシュコンジェラート
NiORさんのピスタチオブリオッシュに塩アイスをサンド。ブリオッシュは想像以上にソフトな口当たりで、ぽわっと広がる冷たい甘じょっぱさといいコンビネーションでした。
●ノッチョーラ
ヘーゼルナッツの粒々が入ったリコッタチーズのケーキで、見た目は超シンプルなプレーンのケーキに見えますが、優しいリコッタにヘーゼルナッツがベストマッチ。これは美味しい。オススメ!
●トルタカプレーゼ
カプリのドルチェで濃厚なチョコレートケーキです。
ディナーで堪能 ピッツァと料理
(2019年8月20日ディナー)
今回は夏らしいマイス(トウモロコシのピッツァ)なども選びました。
●BIRRA ANTONIANA Marechiaro
ナポリ湾から見るベスビオ火山が描かれたラベルがステキなビール。ちなみに鹿児島県とナポリは姉妹都市で、桜島を望む風景が良く似ています。
軽すぎず重すぎずな味わいで、食中に良しなビール。
ナポリの1番有名なマスコットキャラクターである道化師の「プルチネッラ」さんと。このビールは真のナポリピッツァ協会認定のビールでマークが入っています。このマークにもプルチネッラさん。
●グリーンサラダ
●カプレーゼ
ナポリカゼルタにあるポンティコルヴォの水牛のモッツァレラです。
●ポテトサラダのプロシュートコットのせ
卵もポテトもゴロゴロなのがいい。
●ジェノベーゼ
バジルの風味は夏に一層爽やかに感じられます。
●マイス/青唐辛子 メタメタで
子供が喜ぶ系のクリーミーで甘いマイスと、ビリビリ辛い相反する味わいをメタメタで笑
●サルシッチャとフリアリエッリ
●塩ソフトとコーヒーゼリーのパフェ
●エスプレッソ
サリーナのランチ
平日のランチタイム(11:30〜14:30)は、お好きなピッツァにプラス料金でドリンクやサラダがセットにできます。
ドリンクセット(+250円)、ミネストローネセット(+350円)、サラダ・ドリンクセット(+450円)、ドリンク・デザートセット(+550円)
●ピッツァ・ドック(S:1600円、M:1900円)
Sサイズと「サラダ・ドリンクセット(+450円)」にしました。
ピッツァ・ドックは、水牛のモッツァレラとセミドライトマトとバジリコのピッツァ。言わばマルゲリータのリッチバージョンです。トマトソースなしのビアンカで、生地がうまいからこそ全ての旨さが合わさって昇華されています。水牛のモッツァレラがたぷたぷとミルキーでたまらない。