東山にある金沢唯一の糀屋さんです。場所は、観光客さんがたくさん訪れるひがし茶屋街から少し離れ(徒歩圏内)、民家が並ぶエリアの一角の町家に暖簾がかかっています。
創業は江戸時代後期の天保元年。ということは、2018年で188年の歩みがあることになります。すごい。現在の店主は8代目の髙木竜(りょう)さんです。お造りになっている商品は、糀、味噌(3年みそ、杉樽みそ、花街みそ)、塩糀、甘酒。お客さんは贔屓にされている長年のご常連さんはもちろん、近年の甘酒ブームもあってか、糀や甘酒を買い求める女性もよくいらっしゃるそうですよ。(※同店は糀屋さんです。イートインなし、商品のご紹介です。なので点数は入っていません。)
ご存じお米を原料にする“こうじ”の漢字は、「米」に「花」を添えて「糀」ですが、蒸し米の表面にこうじ菌が繁殖して花が咲いたようになることから来ています。その字の通り、ふわふわと純白の菌糸がみっしりで、満開のお花畑のようになります。
高木さんでは、県内産のコシヒカリを使用して糀を仕込んでいます。糀作りには3泊4日の4日間を要します。1日目は洗米と浸水なので水の中。2日目はそれを蒸して冷ましこうじ菌をふりかけて高温多湿な地下の室で発酵させます。3日目は糀蓋にのせて再び地下の室で発酵させます。
私がハマってしまったのが、この糀で作られた甘酒。
●甘酒(500g、税込810円)
健康食に感度が低い私ですので、普段は甘酒などは積極的に買わないですし、だからこそ味の面を重視しちゃうのですが、これは美味。一口目すぐにしっかりと甘さが伝わりますが、ずっと余韻に残る力強さはやはり発酵がもたらす活きた甘さだからこそ。輪郭を残したお米の舌触りも心地良い。あぁおいしいわぁ。
個人的に好きなのは、1:1の甘酒牛乳割り。牛乳のミルキーな味わいにぴったりで、そのままよりもスキッと飲めてオススメです。
●かぶら寿し(1,500円)
北陸の冬の味覚のひとつで、かぶらに鰤を挟んだ“なれずし”です。各店各家の味がありこだわりも個々、食べ手の好みもありますねぇ。
高木さんでは11月末から1月頃販売で、毎年人気で予約必須です。価格は他よりも高めですが、けっこう分厚くて1個が大きく2個分くらいありそう。お味は、余計なものが入っていないナチュラルなおいしさで、良い甘じょぱさがずっと余韻に残ります。なるほど人気の理由に納得。