嘉永元年創業の老舗和菓子店。創業は嘉永元年(1848年)ですから、170年以上前ということになります。建物は金沢の文化財で、大通り沿いの一角に突如として時代が違う建物が現れるので、初めての人はある意味二度見するかもしれません。
店頭に昔ながらのショーケースがあるのですが、いつもあるお菓子は4~5品と絞られており無理して品数を多くしていないところにも好感が持てます。
お菓子はいつ行っても別格の美味しさで感動があります。特に自家製あんがとにかく素晴らしくて、分かっていても毎回驚く。哲学が溶け合うような骨太な味わいで、こんなに小豆の味を感じたことないってくらいの小豆の味がします。粒感を残してあってあずきの風味が強く、絶妙な水分量で炊き上げ、重厚かつ濃厚で余韻まで美味。いい塩気が甘さを引き立てています。時代に流されず、こういう実直な仕事をされている職人さんに敬意を表したい。
駐車場がないのでアクセスが難しいのですが、足を運ぶ人が絶えない名店です。
ちなみに
お店の方は寡黙でクール(結構クール)。誠実に和菓子作りに打ち込まれている感じ。粋なお店ですから、多くを語る必要はないかなと思います。
名物の中では、おはぎ・まきだんご・くず饅頭が好きです。本当に秀逸。こんなに小豆の味するあんこがあるなんて感動です。
くず饅頭はできたて熱々で準備してくれて、透明感ある厚めのふるふるした葛は、小さい頃よく作ってもらったくず湯を思い出します。そのくずが特製あんを受け止め、口の中で一体になります。
季節菓子では、春の桜餅や端午の節句にはチマキや柏餅も大好き。栗蒸し羊羹、柚子薯蕷饅頭が登場しているときもあり。六法焼きも名物。
こちらは訪問日最新で買った「柿の葉もち」(170円)、「おいも万頭(五郎島金時)」(150円)
柿の葉もちはお米の粒感も計算されており、舌触りと食感も絶妙でした。
ちなみに!
戸水屋裏の「乗越」さん、お隣の「ワザナカフェ」さんでは、戸水屋さんのお菓子を持ち込み可能です。飲み物はご注文ください。(営業日などは各店舗にご確認ください)
ワザナカフェさんに持ち込みをして、コーヒーを注文して食べました。すぐに食べられるのはとても助かりますし、ゆったりとした居心地の良い空間で、これはぜひまた利用させて頂きたいと思いました。
●コーヒー(400円)
・おはぎ、柿の葉餅
店名:ワザナカフェ
住所:石川県金沢市寺町2丁目2-3
営業時間:10:00〜18:00
定休日:土・日