「エレゾ」北海道|ELEZO, Hokkaido

北海道中川郡豊頃町大津の地にある、食肉料理人集団 ELEZO(エレゾ)のオーベルジュ「エレゾ エスプリ」。
この場所は、もしこのレストランが無ければ、来ることも知ることもないであろう、まさに秘境の地。道内の果てしない広さと雄大なスケールを感じる、アクセス困難な場所にありました。

元々レストランは札幌で開業したそうですが、数年前に本拠地であるこの場所に、長年の構想していたオーベルジュを開業。今では、食通大注目の場所となりました。

新千歳空港からは車で片道3時間半。道内の高速道路は、各所とても閑散としていて、ご当地グルメを楽しませてくれるような物販のあるところは少なく、ポツンと自販機があるだけで、ただただひたすら、自販機で買った缶コーヒーを飲みながら、同じ風景を走っていくのでした。
やっと辿り着いたころには、陽が落ちた夕方で、しばらくしたらディナーの時間。
宿泊棟は3棟建てられています。

お部屋はベッドとバスルーム、書斎のようなテーブルがあり、テレビなどはなく、良い意味で日常から切り離してくれます。



18時30分からディナーが開幕。その時間ちょうどに外で待っていると、舞台の幕が上がるように、シャッターが上がっていきます。

エントランスには、部門ごとのエレゾマンたちの写真がアートとして飾られており、最初からその熱量を食べ手に伝えられます。それそれの仕事の役割の大切さ。

まず1品目は、「命の在り方」と名付けられた、蝦夷鹿コンソメスープから。廃棄されることの多い、筋や骨と、香味野菜とお水だけ。この清らかで力強い黄金のエキスが、胃から全身に染み渡り、次からの料理を受け入れる体制を整えてくれる。もう私の体にはELEZOのスピリットが注がれた。

2品目は、「演舞」。ELEZOが誇るシャルキュトリオールスター。
熟練の技と情熱が一皿に詰まった逸品。特に驚いたのは、蝦夷鹿の血液のテリーヌで、バナナとパインとココナッツの風味で持ち上げ、想像を超えたところに美味しさの着地がありました。

その他のお料理の紹介は控えます。
機会があれば、ぜひ実際に現地でご体感ください。

一皿一皿は、ただ美味しいというだけではなく、生命への敬いがあり、エネルギーと地力が溢れていました。

ELEZO ESPRIT
北海道中川郡豊頃町大津127
https://esprit.elezo.com/