「茶禅華」東京 南麻布|sazenka, Tokyo JAPAN

(訪問日 2021年4月6日)
「和魂漢才」を掲げる中国料理レストラン。2017年にオープンし、「ミシュランガイド東京2021」(2020年12月10日発売)では中国料理で初の3ツ星を獲得しました(2020年版まで3年連続2ツ星、2021年度版・2022年度版で3ツ星を獲得)。また、「Asia’s 50 Best Restaurants」では、2019年は23位、2020年は29位、2021年は12位にランクイン。「プロフェッショナル 仕事の流儀」に取り上げられたことも記憶に新しいですね(2020年11月)。

川田智也シェフの料理は、足し算や掛け算だけでなく、日本料理の“引きの奥深さ”や極限まで研ぎ澄ました繊細さも大きな魅力。磨かれた技術とセンスの上に花咲く、記憶に残る美味しさ。確固たる美味しさのスペシャリテ、堂々と豪華で迫力ある料理、素朴だが哲学が詰まった一品、初めて味わうおいしさまで実にドラマティクな構成。コースに抑揚があり、最後まで展開が面白く夢中になります。

料理のお献立は四字熟語のように、各料理を漢字4文字で表現。

ショープレートは、九谷焼 山本長左さんの器。

(品数多いので感想一言ずつ)
前回は上海蟹コースだったので、春のコースにウキウキしました。

●春天茶花
プロローグはお茶の花を使ったお茶の素麺。印象付けられる繊細と凛としたお味。まずは胃袋をそっと撫でられるような一品から。

●酒酢大蝦
ボタンエビの甘さを引き立てる軽い紹興酒漬け。頭には海老味噌詰まってます。

●文蛤春捲
蛤の春巻き。紙のように薄い衣のサクッを感じて蛤の旨味が温度と共に広がり、天然のフキノトウの風味が追いかけてくる。ああ、春。

●蜜汁又焼
炭火で炙った自家製チャーシューは歯が喜ぶ優しい弾力とうまさ。木の芽で和えた独活、香辛料で炊いた大豆チャーシューと。

●雲白肉
美しく迫力のある大皿料理。薄切り豚バラ肉を使った四川の伝統料理である雲白肉に、茄子を組み合わせたオリジナル。豚の旨味を受け止めるしなやかな茄子は相性抜群。これは出会ってしまった運命の相手。


●山葵海蜇
山葵とクラゲで雲白肉の脂っ気をリフレッシュ。繊細で歯切れの良いポリポリ食感に、山葵のキリッとした清涼感がアクセントに。

●雉雲呑湯
スペシャリテの雉の清湯スープにワンタン。クリアなスープに一呼吸置いて立ち上がる雉の旨味の奥行き。クレソンを添えて。

●清蒸河豚
ふっくらと蒸しあがった骨付きの河豚の美味しさよ。骨周りの身も最高にうまい。お醤油とナンプラーのソースをかけて。白髪ネギ、ほんのりと効かせたパクチーで爽やかな印象に。

●麻辣河豚
真っ赤な唐辛子に埋もれているのは河豚。先程の蒸し河豚とは趣向をガラリと変えた唐揚げです。見た目にパンチがあって自然と口の中が潤ってきますが、辛いだけじゃない、カリカリの香ばしさに寄りそう辛味と痺れ、アロマが素晴らしい。そこに河豚の旨味が流れ込み口内が至福で満たされます。


●苺、干し梅
この小さな一品に、細部まで手を抜かない川田さんのスピリットが現れているように思いました。苺は食感に当たる種の部分を剥いて、干し梅で味付けしスダチでスッと味を立てて。なんでこんな組み合わせ思いつくの?すごい!麻辣の痺れを取り払ってくれる不思議な一品。

●紅焼魚翅
気仙沼産アオザメフカヒレは煮込んで蟹あんがけで。肉厚でなフカヒレに心踊る。

その感動に浸っていたら、フカヒレ蟹あんでリゾットのようにしたご飯が。黒酢をかけて。蟹あんを余さず頂くためにしては出来過ぎの精度の高さ。輪郭が程よく感じられる美味しいご飯。

●翠玉白菜
広東白菜の炒め物。シンプルなのに印象付けてくるやつ。

●茶禅鴿子
鳩に苦手意識が少しありましたが、絶品で驚きました。鳩モモ、ムネ、頭の3つの部位、それぞれに合った素晴らしい火入れに唸らずにはいられません。

●清湯麺(チンタンメン)、花山椒
澄んだスープの端正なお味に、デザート前に“整う”やつです。花山椒を添えて。

デザートは三段階で。まずは、濃厚で風味豊かなココナッツミルクアイス。グレープフルーツとキウイと白木耳、ソースを混ぜて食感を加えて。

杏仁豆腐は冷と温、温度の違いで2種類あり、温かいほうはもっちり作られていて、杏仁の風味も増し横幅を持たせます。

最後のお団子は桜餅。

1品としてもコース全体としても素晴らしいコースです。

特に人気が殺到する秋口の上海蟹コース↓

「茶禅華」東京 南麻布|sazenka, Tokyo JAPAN