香林坊エリア広坂に2019年5月16日にオープンした中国料理店。店主の山形友作さんは以前スカイホテル鳳凰にいらっしゃったそうです。
場所は広坂の大通り沿いで、元珍香楼があった場所と言えばピンとくる金沢人が多いと思います。なので、お店を探す必要はないなと思っていましたが、オシャレ過ぎて一旦通り過ぎてしまったという(笑笑)店内もシックでカッコイイ。店内はオープンキッチンでL字型のカウンター10席なので、どの席からも迫力ある鍋さばきが見られるのも良いです。
営業はランチとディナーの両方。もちろんディナーが本領発揮ですが、ランチはスペシャリテの麻婆豆腐定食と唐揚げ定食の2種のみで営業していてこちらも人気(しかも800円)。ディナーではお酒が進むアラカルトメニューで、昼は食べられない麻婆豆腐の“白”や、唐揚げのスペアリブバージョンもありオススメです。
翠香のランチ
お昼は、ディナーでも食べられる名物の四川陳麻婆豆腐をセットにした定食か唐揚げセットの2択。しかも値段はどちらも800円。12時を越えると近隣から昼休みの方がお店に流れ込むので、12時前か13時くらいの入店がオススメです。
支払いは最初に券売機で。
麻婆豆腐は辛さと痺れがけっこう強いので、辛いのが苦手な人は唐揚げがオススメです。ちなみに唐揚げは、オニオンフライを衣にしており、思ってもないおいしさにびっくりするはずです。
私は麻婆豆腐目当てなのですが、ここの唐揚げの美味しさも知っているだけに両方食べたい!
恐らくそういう人が多かったのでしょう、唐揚げを1個もしくは2個セットにできるようになっていました。
●四川陳麻婆豆腐 (ライスとスープ付、800円)
辛さのレベルは、キャパが人それぞれなので何とも言えないですが、結構辛めだと思っています。しかし、激辛好きであれば、程よい辛さなのかも。
山椒もしっかり効かせてあるので、辛さと痺れのダブルアタックで、真夏にスポーツするような感じで汗が吹き出してきますが、醤に深いコクとじわじわ立ち上がる旨味があって、一口一口と止まらない。中毒性あります(笑)
●唐揚げ(1個200円)
同店の唐揚げは本当にオススメ。
2度揚げの唐揚げで、注文があってから2度目の揚げを開始しているので、中はしっとり外は香ばしくサクサク。
1番の特徴は、お肉を覆うようにザザザっとかかっているフライドオニオン。チップ状にしてあってクリスピーで、噛むほどに玉ねぎの甘さが広がる。ああ、おいしい。ぜひお試しください。こちらも中毒性あります。
麻婆豆腐を食べ終えて外に出ると、吹き出た汗に風が当たりスーッとクールダウン。特に頭皮が冷たく感じ爽快でした。
「仕上がった。嬉」
翠香のディナー
夜はお酒と共に楽しめる料理のラインナップで、昼とは違った楽しみ方ができます。
基本的に料理はお一人でされているので、メニューはめちゃめちゃたくさんあるわけではないですが、店主の珠玉がラインナップされていて好感持てます。
私が個人的に好きなのは、よだれ鶏、焼きたてチャーシューとブルーチーズ、スペアリブの唐揚げ、杏仁アイス。
●ザーサイ
●しっとり 鶏もものよだれとり
料理名通りのしっとり食感で、辛味ダレにしっかり八角が効いている好みのタイプで箸が進みます。毎回注文しちゃうやつ。
●翠香のスペアリブの唐揚げ
オニオンチップをがっつりかけた特製から揚げシリーズは翠香のスペシャリテ。オススメです。
昼は鶏肉から揚げを定食として食べられるのですが、夜はスペアリブバージョンもメニューに登場しています。
スペアリブは1ピースが大きくて太い骨もワイルドに見え、ミシミシと食むイメージですが、その印象とは真逆で、3時間煮込んで味が入った柔らかいスペアリブをから揚げにしてあるのでとっても柔かい。サクサクとしたオニオンチップの香ばしさと甘さ、スパイスの風味が重なります。うまい!
●皮付き豚バラ肉
皮付き豚バラ肉を1週間たれ漬けした後、1週間干し、仕上げに1時間蒸し上げてあります。味付けがしつこくないのに、旨味が後を引いてなんだか箸が止まらないしお酒も進む。最高のおつまみ。
●大海老のチリソース炒め
●ゴマだれ水餃子
真っ赤なラー油がすごく辛そうに見えますが、ゴマだれが隠れているので、辛さを包み込みマイルドです。八角の風味も効かせてあります。
●甘長とうがらし炒め
●焼きたてチャーシューとブルーチーズ
全部の中で一番好きだった。チャーシューの表面がキャラメリゼしてあって、そのずしりとした甘さと香ばしさにブルーチーズの密度の濃い個性的な風味が乗る。クセになっちゃうおいしさ。うまい。
●四川陳麻婆豆腐
「麻婆豆腐やりたくて店出したようなものです」とおっしゃるだけあって気合い入ってます。
店主が自身の麻婆豆腐を突き詰めた究極なのだそうです。片手土鍋で出てくるので、真っ赤なラー油がグラグラ煮えたぎっていました。保温性もバッチリ。
四川麻婆豆腐は辛さと痺れる山椒が特徴的ですが、ここでは挽き立ての山椒を使っているので痺れが鮮烈でビリビリきますし風味が良い。
●四川陳麻婆豆腐 チーズカスタマイズ
四川陳麻婆豆腐にチーズをプラス。アッツアツが運ばれてくるのでジュージューとしずる感が半端ない。食べる時はパチパチ跳ねるので、紙エプロンを下さいました。とろーりとろけたチーズが結構たっぷりで、もちもちタプタプ。辛さが若干マイルドになりますが、それでも辛さは尖っておりますので、ご飯も進みます。器の底でチーズがお焦げになっているのも好き。
●しびれる白い麻婆豆腐
“白”は本当に白くてびっくり。ザーサイの塩気がベースとなっており、さっぱりあっさり食べられて私はこっちのほうが好きかも。かき混ぜるとラー油が現れて赤く染められていきます。お豆腐がかなり細かいサイコロで、「麻婆豆腐は飲み物です」のように食べられます。“痺れ”は定番の麻婆豆腐のほうが断然強い。
●焼きギョーザ
●翠香特製とりの唐揚げ
●イカの四川屋台風炒め
●炒飯
メニューには載っていないのですが炒飯は注文すると作ってくれます。さすが中国料理店のチャーハンは、強い火力でパラパラ美味しいですね。干し肉からの塩気と旨味もご飯を進めます。