「SHOKUDO YArn(ヤーン)」石川県を代表するイノベーティブレストラン。吟味した地元食材で作り込んだエンタメ。暗号のようなメニュー名が並ぶ!

料理: 8.3 その他: 8.2 ポイントについて
SHOKUDO YArn (しょくどう やーん)
営業時間 【Lunch】12:00〜14:30(最終入店 12:00) 【Dinner】18:00〜23:00(最終入店 19:00) ※ 完全予約制
定休日 日、月 不定休あり
価格帯 【Lunch】12,000円 【Dinner】18,000円(サービス料10%を加算)
訪問回数 5回

石川県小松にあるイノベーティブレストラン。北陸最注目レストランの一つで、食べ歩き目的で金沢に来る人の多くが、同店を目的地に入れているはずです。
オープンしたのは2015年8月のこと。店名の「YArn」は、英語で“糸”という意味で、YとAが大文字になっているのは、オーナーシェフ米田裕二さんと奥様の亜佐美さんの名前の頭文字。ちなみに、店名に付く「SHÓKUDŌ」 は、“食堂”であり“食の道”を表していますが、決して(町の)食堂ではないのです。ご夫婦共に世界的名店出身であることは有名な話。

お店の場所は、小松空港からも駅からもちょっと距離がある民家の一角なので、初めてならば注意して向かってください。建物は(小松には昔、撚糸業が栄えていたそうで)築50年の元撚糸工場をリノベーション。店内はガラス張りになっており、お店中央には樹齢200年というオリーブの樹が鎮座。存在感を放っています。また、テーブルや窓枠、床などに木材を使用してあるため、スタイリッシュかつ自然と調和したナチュラルな空間デザインです。

料理はイノベーティブで、ご夫婦が過ごしたイタリアとスペインの要素、そして和のエッセンスの融合です。
料理名が書かれたお献立が出てくるのですが(掲載不可)、まずこれが面白いのです。1品1品に暗号のような不思議な名前が付いていて、ジョークもきいていて、内容がかなり作り込んであって「えー!ここまでやるの?」をとことんやり切ってくれているから清々しい。先入観やイメージを良い意味で裏切った「ナニコレ」の連続です。しかし、驚きだけを重視しているわけではなく、吟味した地元の食材を使用し、おいしさを構築するという根幹の部分も重視されているのがよく分かります。
たくさんのお店を食べ歩くと、正直感動に鈍くなりがちですが、YArnさんが全国から訪れる食通をここまで楽しませることができるのは、深い作り込みとオリジナリティ、情熱があってこそ。かなり凝っているので、書き手をくすぐるお店ではありますが、料理の詳細を書いてしまうとネタバレになるので掲載できないのと、料理と店内は撮影不可なので、シェフのプレゼンテーションに身を任せ、料理に五感フル稼動で集中してください。

  

2023年6月23日

今回は2、3品のみ掲載OKとのことだったので、いくつか簡単にご紹介します。

●なっつとう丼 カツオ付き
料理名に引っ掛かりそうになりますが、“納豆丼”ではなく“ナッツとうどん”です。
納豆パックはお馴染みのパッケージそのもののですが、中にはナッツのペースト入りで、それを小松うどんに絡ませて頂きます。ふわっと鰹節をトッピングすると、旨味が強調されてガラリと印象が変わる。プレゼンテーションも味わいも面白い!

●カップラーメン
これはコースの中でもかなり印象的な、こだわりが詰まった一品でした。
コーヒーのドリップパックの個包装には「Original Special Dassee Blend」と書かれていて、中からは本当にドリップパックが現れます。「YARNBACKS」にもクスッとなります。
削りたての鰹節(枕崎の一本釣り)が入っており、昆布出汁を自ら注いで料理が完成する。

●おかしぃし
コースのラストの小菓子に、バースデーメッセージを添えてくれました。
石の中には1つだけ石に見立てたお菓子があるのですが、これが見分けるのが困難なくらい完成度が高すぎて、会話も盛り上がります。本当にすごいコースだった!

2021年8月

2021年8月に訪問した方には、6周年としてオリジナル手ぬぐいをプレゼントしてくださいました。8月限定だそうです、嬉しい。書かれている文字は、過去にメニュー化した料理名で、解読するのも楽しみ。
「今年はモノトーンでロックなイメージにしてみました」という通り、白黒二色でカッコイイ手ぬぐいでした。

2021年8月の料理は、以前から新作もどんどん増えて新ネタの連続で、最後まで興奮しました。

以前の訪問にて

(以下、2019年5月25日までの訪問にて。以前は写真掲載数枚だけOKでしたが、現在は料理と店内の撮影共に不可になっています。)

今回の冒頭の料理は、プリンみたいなのがコンビニの袋に入ってガサガサ登場。

これは“本日のつきだし”のフキノトウの天ぷら。え?どの辺がフキノトウの天ぷらかというと、、、なのですが、その前に袋に注目で、シールが「YARNSON」笑。ふふふ。そして瓶に入った「YArngen-Dazs」アイスクリーム。さらにおなじみの木のスプーンは、青い紙袋を取ると、なんと「YArngen-Dazs」の焼印がされているではありませんか。もう、最初でハートを掴まれたワケです。味は、まさに冷たいフキノトウの天ぷら。天かすが入っているので、口の中で乾いた音がして天ぷらを食べている感覚で、そこにフキノトウの風味が立ち上がってきます。

椀物の出汁はサイフォン式で抽出。沸騰間近で液体が吸い上げられて出汁を抽出するのは目を引く実演。鰹節は枕崎の本枯れ節とさらに鮪節を合わせて。珠洲の天然塩にゲランドの塩、菊姫大吟醸。これを椀種・椀づま華やかな椀物の吸地に使います。

「Nokujyaga」はYArnさんのスペシャリテとして有名。日本人なら誰でも味わったことがるあの家庭料理の進化系。ポップに遊ぶカラフルさですが、品種ごとの味わいの違いが楽しめて、消えるような口溶けにも注目。

特に味で記憶に残っているのは稚鮎の南蛮漬け。清流で元気よく泳いでいる瞬間を切り取ったかのような躍動感溢れる鮎。手取川の石にのせて。これがびっくり絶品。きめの細かい、繊細な食感で、口の中でビネガーが滴るほど含ませてあ理、香ばしさと共にじゅわっと柔らかい酸味がほとばしります。絶品。鮎塩焼き以外で出会った、鮎の究極のおいしさ。