新潟市中央区の商店街、古町通の一角ビル1階にあるすし店。創業は昭和35年(1960年)なので2020年で60周年を迎えたことになります。この記念すべき年に「ミシュランガイド新潟 2020 特別版」で2ツ星を獲得しました(2020年7月14日発表)。
※ちなみに新潟は2ツ星獲得店3店(3ツ星はなし)。
店名は初代が兄弟2人で店を始めたことに由来。
魚も米も酒もメイドイン新潟にこだわり、雲丹(北海道)以外は全部新潟でした。佐渡島の豊かな食材も魅力的に感じました。食材のポテンシャルの高さから、佐渡の光景が目に浮かんで潮騒が聴こえてくるようでした。
新潟への愛を感じるだけでなく、新潟のお宝食材を探求して読み解き、昇華し、新潟だからこそ出来ることを表現されています。
オリジナルで追求した味の組み合わせも勉強になりました。例えば、アカイカ握りは佐渡のふぐ卵巣粕漬けをのせて。猛毒部位である“ふぐの卵巣”糠漬けは石川県の珍味として知られており、私も馴染みありますが、日本で作っているのは石川県美川と、新潟県佐渡島にも1軒あるそう。粕漬けなので糠漬けよりまろやかで、空気に触れさせ甘さを出したイカの味わいに溶け合い膨らみを増します。塩で輪郭を出すのとはまた違う、こういう合わせ方と味の方向性の持っていき方になるほど。
聖籠の天然車海老も美味しかったなぁ。立派な活の茹でたてでした。
鮎塩焼きは、村上市三面川の鮎を1時間半かけて丁寧に塩焼きしたもの。この時期大きくなっていますが、香ばしくカリカリで頭からいける。
南蛮エビは金沢で言う“甘エビ”。新潟では、その姿が赤唐辛子(南蛮)に似ているためこう呼ばれているそうです。
あと、“十全茄子”と“焼きなす”というナス2種がとにかく美味だった。
“焼きなす”という名前のナスは、調べたら門外不出のブランド品種だそう。焼きなすを焼きなすで出汁がけで。品ありきめ細かくとろとろ。
とろける穴子は指でのリフトアップが難しいのでお皿での提供。小皿を持って口の中に滑らせるようにして。天国の口溶け。
大将の背中に鎮座する木製冷蔵庫が存在感を放っていてカッコイイ。ところどころ、大将が握ったすしを手から手へ、お客さん一人一人に渡してくれるネタもあります。
大将のお人柄がまた魅力で、地元の人に愛され常連さんも多い印象。私もまたお邪魔したい。
●銀杏
●アラ
●佐渡 黒ムツ藁焼き
●バイ貝 串焼き
●甘鯛
●鯵 三枚にして薬味を挟んで一体感を出す。
●アオサと梅の茶碗蒸し
●アカイカ ふぐ卵巣粕漬け
●新潟水タコ
●聖籠 天然車海老
●アワダチ 深海魚
●鮎塩焼き
●十全茄子
●鰻
●焼きなすの焼きなす
●南蛮エビ
●のど黒
●味噌汁 南蛮えび
●穴子
●村上市冨士美園の紅茶
●玉 南蛮エビのすり身入り