ソースカツ丼は、越前ガニや越前そばとも並ぶ福井を代表する名物ですね。中でもヨーロッパ軒はパイオニアであり代名詞です。
ヨーロッパ軒の始まりは100年以上前にさかのぼります。
東京早稲田鶴巻で創業したのが1913年のことですから、2013年に100年を迎えているんですね。
創業者である高畠増太郎氏は、ドイツ・ベルリンの日本人倶楽部で6年間の料理研究の留学を終え、明治45年(1912年)帰国。(天皇の料理番の秋山徳蔵氏も同期だそうですよ!)
ドイツ仕込みのウスターソースを日本に普及させるため、日本人の味覚に合うようにする創案したのがソースカツ丼で、帰国翌年の大正2年(1913年)に 東京で開かれた料理発表会にて日本で初めて披露したそうです。その年に、東京の早稲田鶴巻町にてヨーロッパ軒を創業されたのですが、1923年に関東大震災で店舗が倒壊します。1924年に総本店を現在地に移して営業を再開したそうです。
そして、昭和14年(1939年)に敦賀分店(現在の敦賀ヨーロッパ軒本店)を暖簾分け第1号店として開店。それ以来、優秀な料理人に暖簾分けを行い、現在では福井市11店・敦賀市5店・春江・丸岡・神明の計19店舗あるそうです(HP情報)。
さすが有名店というだけあって、お店の前には行列が出来ており、並ぼうかどうしようか一瞬迷いましたが、ここまで来たら並びます(笑)
ただ、フロアは1階と2階があり席数が多いですし回転もいいので、そこまで待たずに済みましたよ。それでも30分ほど待ちました。
メニューにはカレーライスやオムライスなど洋食メニューまで幅広くあることに驚きますが、(特に観光であれば)まずは定番のソースカツ丼が良いと思います。
●ソースカツ丼セット(1200円)
店内満席状態でも、注文してから着丼はそんなに時間を要しません。
丼ぶりには蓋がしてありますが、カツがはみ出し、ちょっとだけ顔を出しています。このチラリズムが食欲を掻き立てます。
蓋外すと特製ソースが染み込んだ3枚のカツがでーんと鎮座しており、キャベツなどの添え物はなく超シンプル。
お肉は薄いロースで約8mmにスライスしてあるそうです。さらにパン粉は特注の極めてキメ細かいもので、お肉にピタッとついており、脂っこさもなくて、サクサク食べられる軽さです。
また、味の決め手であるソースはスパイシーで華やかな風味もあり、複雑で深い旨味もありますが、酸味があって軽やかという絶妙なバランス。ご飯も進むしカツも進む。さらにどちらにも相性良く、この三重奏に浸っていたらあっという間に丼ぶりが空っぽになっているというオチ。
食べきったら丼の底には「ヨーロッパ軒」の店名が。
●レディースセット(1000円)
カツ少なめ(2枚)・ご飯少なめの「レディースセット」というのもあります。
福井に来たらぜひどうぞ。