金沢「respiración」× 香港「Roganic」世界が注目するアジアのレストランがコラボ

2026年4月4日(土)と4月5日(日)、金沢のモダンスパニッシュ「respiración(レスピラシオン)」にて、香港の1ツ星レストラン「Roganic(ローガニック)」との特別なコラボレーションディナーが開催されました。
日本と香港のファインダイニングはいずれも、オーガニックやサステナブルへの意識が高く、両者の親和性の高さを感じさせる企画です。
イベントレポートです。

 

■「Roganic」
香港の「Roganic」は、イギリス人シェフ Simon Rogan(サイモン・ローガン)氏によるロンドンの同名店から派生したレストラン。ロンドンではミシュラン3ツ星を獲得しています。現在は計11店舗を展開し、保有する星の総数は10にのぼります。
今回のコラボレーションには、グループ全体の料理を指揮するエグゼクティブシェフ、Oli Marlow(オリ・マーロウ)氏が来日し参加しました。

■「respiración」
ホストを務める「respiración」は、ミシュランガイドで2ツ星を獲得する、金沢を代表するモダンスパニッシュ。2026年3月には「Asia’s 50 Best Restaurants」にて92位にNew Entryを果たしました。
“呼吸”を意味する店名の通り、地元食材と丁寧に向き合いながら、自由な発想で料理を展開。梅達郎さん、八木恵介さん、北川悠介さんの3人のオーナーシェフによるチームワークも、このレストランの大きな魅力です。

「respiracion(レスピラシオン)」リニューアルオープンして凄みが増している!自家製調味料、自家農園にて野菜栽培も。細部に神が宿る。金沢が世界に誇るモダンスパニッシュ


・インパクト甘海老(respiración)
コースの幕開けを飾る、甘海老を再構築した一皿。オープン以来作り続けられているスペシャリテです。
甘海老は一度分解し、海老味噌で仕立てたシートを、塩麹でマリネした身に重ねています。塩麹は現在自家製となり、個性と完成度がさらに高まっています。
タルト生地には殻や尻尾を焼いて粉末化したものを練り込み、厚さ2mmに。ひと口で頬張ると、冷ややかな甘みがまず舌に触れ、その後に甲殻の濃厚な旨みとロースト香が一気に押し寄せます。

・新たまねぎ、メッキ鯛、ホッキ貝、梅の花(respiración)
金沢港のメッキ鯛に木の芽を合わせ、新たまねぎの中へ。乳白色の新たまねぎソース、さらに外側を囲む透明のソースは、新たまねぎを発酵させたもの。澄んだ甘さと軽やかな余韻が印象的です。
(別皿)ホッキ貝は薪火で焼き上げ、梅の花で爽やかさを添えて。やや厚みのある身はしなやかな弾力を持ち、コブミカンの風味が持ち上げる。

・パン
雑穀15種類のパンは、とうもろこし、あわ、ひえ、あすぎ、古代米などをブレンド。
セイズファームのぶどう搾りかす由来の酵母を用いたカンパーニュは、香りに奥行きがあります。

・トリュフ(Roganic)
イギリス料理のクラシックな重厚さを感じさせる一皿。トリュフのカスタードを忍ばせたクロワッサンに、白樺の樹液でコーティング。ニセコ産24ヶ月熟成のパルメザンをふんわりと削りかけ、芳醇な余韻を重ねています。

・鹿タルタール(Roganic)
蝦夷鹿ヒレのタルタールは、炭の香りを移したオイルでマリネすることで、火入れしたかのようなニュアンスに。
かぼちゃの種の塩漬けローストでコクを加え、コールラビのピクルス、花山椒とケッパーのジャムで酸味を効かせています。菜花の黄色で見た目もパッと華やかに。

・春キャベツ(Roganic)
春キャベツは薪焼きで、わさびが香るふんわり軽やかなソースで。トリュフのピュレと発酵させたマッシュルームが加わり、土のニュアンスが奥行きを生み出します。

・蕗のとう、白菜菜(respiración)
山菜の野趣が冴える、素晴らしい一品でした。鮮やかなグリーンもお皿に映えます。能登豚の春菊ラビオリに、タラの芽、野芹、クレソンのフリットを重ね、仕上げに春菊の泡。グリーンソースには春菊と菜の花、白いソースにはホエーを使用しています。

・ホタテ(Roganic)
塩漬けした帆立の貝柱に、ナスタチウムとエルダーフラワーのゼリーを層状に重ねた美しい構成。
ホワイトアスパラと炙ったグリーンアスパラが春らしさを添え、ラルドの塩味が味わいにコントラストを生みます。

・トマト(respiración)
箸休めとして登場する、静岡県産ブランド「トマトダ」のシェリービネガー漬け。ほのかに生姜シロップを効かせて。薔薇の花びらは優雅な風味。冷たい果肉に触れた瞬間、みずみずしい酸味と凝縮した甘みが広がります。

・鹿(respiración)
鹿ロースは、しっとりとろけるようなパーフェクトな火入れ。驚いたのは、能登七尾の郷土料理「七日炊きごぼう」のオマージュ。私は何度も食べたことがあるので、より一層感動がありました。
繊維までやわらかく仕上げたごぼうに、深みのあるソースが重なります。

・古代米のタルト(respiración)
鮮やかなルージュのタルトは、金沢古代米をベースに、1ヶ月糠漬けしたビーツ、カシューナッツ、パプリカチリソースを重ねた構成。
滋味深さに、ヴィーガンバターでコクを補い、実山椒の塩漬けが爽やかなアクセントとして効いています。

・サボイキャベツ(respiración)
ブラッドソーセージ モルシージャに、味の濃いサボイキャベツのピクルス、黒ニンニクを合わせた一皿。発酵と旨味の重なりが印象的です。

・ホタルイカ(respiración)
活ホタルイカは、待ってましたのパエリアで。レスピラシオンのパエリアのベースは秀逸。繊細なホタルイカの肝が、口の中でソースの役割を果たします。

・イチゴ、ハイビスカス(Roganic)
そば茶のアイスが、とてもインパクトある味わいで美味でした。
アールグレイのタルト、フレッシュイチゴと火入れしたイチゴ、ハイビスカスのピクルスでエレガントな味わい。

・菊芋(respiración)
ごぼう以上に個性のある香りを持つ菊芋を主役に据えてある、ディグリネゾンとも言える、菊芋の魅力がたっぷり詰まったデザート。

・葛もち、八朔、あんがとう農園ハーブティー(respiración)
最後のお茶菓子も細部までこだわり尽くされている。
400年以上の歴史を持つ宝達葛を使用した葛餅に、黒文字の香りを効かせて、抹茶の金平糖をまぶして。八朔は蕗のとうとタルトで。

respiraciónの実力が大いに発揮された、素晴らしいコラボレーションでした。

「respiracion(レスピラシオン)」リニューアルオープンして凄みが増している!自家製調味料、自家農園にて野菜栽培も。細部に神が宿る。金沢が世界に誇るモダンスパニッシュ