「respiracion(レスピラシオン)」リニューアルオープンして凄みが増している!自家製調味料、自家農園にて野菜栽培も。細部に神が宿る。金沢が世界に誇るモダンスパニッシュ

料理: 9.0 その他: 9.0 ポイントについて
respiracion (レスピラシオン)
営業時間 【昼】11:45 一斉スタート、【夜】17:45 一斉スタート
定休日 月曜日を中心に月6回
価格帯 コース(24000円)
訪問回数 12回

金沢を代表するレストランの一つ「respiracion(レスピラシオン)」は、改装後からさらに突き抜けていて素晴らしいと思いました。新しい歩みが始まっている!

同店はミシュランガイドで2ツ星を獲得。
オープンしたのは2017年7月4日のこと。2024年7月4日で7周年を迎え、8年目がスタートします。
さらなる飛躍を目指すためにと、主に厨房を広げる店舗改装を行い始めたのが2023年夏。約4ヶ月かけて工事が完了。
厨房スペースを広くしたことによって、発酵調味料や発酵食品まで自家製にて突き詰めて作るようになり、独自性が色濃く出ておりました。味わいも探求し、細部に神が宿っておりましたよ。

さらにレスピラシオンの畑「レスピファーム」を郊外に作って、野菜や薬味もいくつか自家栽培をはじめ、料理に数々登場しており、かなり突き抜けていましたよ。パワーアップしたレスピラシオンにぜひ行って欲しいです。
シェフも意気揚々と料理をしていて、こちらも心から楽しめました。

シェフは小学校からの友人である3人の、梅達郎さん、八木恵介さん、北川悠介さん。
現在レスピラシオンにいるのは、梅シェフと八木シェフで、北川シェフは姉妹店「comer(コメール)」にいます(こちらも超人気)。
みなさん食通なら知らない人はいないスペインの星付きレストランなどで経験を積み、皆の夢を結集させ形にしたのがこのお店。男のロマンが詰まったレストランです。
さらにソムリエ金村俊宏さんをはじめとするサービス陣が素晴らしく、レスピラシオンの“チーム力”がバシバシと伝わりますよ。

店名の「respiracion」はスペイン語で“呼吸”の意。
場所は、金沢市博労町。と言ってもピンと来ない人のほうが多いと思いますが、近江町市場からほど近くです。建物は明治初期以前から残る町家で、できるだけ現状を壊さずに改装されたそうです。店頭の金色の看板をお見逃しなく。

玄関入るとまず見上げるほど高い吹き抜けとステンドグラスに驚きます。この色板硝子は尾山神社の神門と同じものと言われているそうです。
2021年1月に、築150年の蔵を改装したウエイティングルームができました。まずはこちらでお茶を頂いてからメインダイニングに移動となります。蔵の中央に鎮座するテーブルは、石川県の地形をイメージしたもの。

以前までの記事はこちらに。


今回はおひとり様訪問にて、厨房の中の特等席「シェフズテーブル」でのお食事でした。
臨場感、温度感、息遣いまで感じられて最高に楽しい。

(ダイニングも改装して非日常感が増していて、そちらも良いですよ!)

(訪問日 2024年6月28日)
※品数が多く、内容が濃いので、解説が一部なところもあります。

●甘海老
コースの冒頭に必ず出てくる甘海老を再構築した一品は、オープンから作り続けているスペシャリテ。リニューアルオープンをきっかけに器も新調されました。美しい器。

甘海老を一旦分解して、海老味噌の部分でシートを作り、塩麹でマリネした身の部分に被せてあります。この塩麹が現在自家製のものになり、オリジナリティがアップ。おいしさも増していました。
タルトは、殻や尻尾を焼いて粉末にし、生地に練り込んで2mmに仕上げます。摘んで一口で口に放り込むと、まずはひんやり甘い身の部分が舌に当たり、鮮烈な甲殻類の風味と香ばしさが追いかけてきて口いっぱいに広がります。

●スナップエンドウ
今シーズン名残のスナップエンドウだそうです。カボスの木で炙って、ブラータチーズを添え、アーモンドとニンニクの香りを移したアホブラータを仕上げにかけて。スナップエンドウの薄く柔らかい外皮から、みずみずしいジュがピュッと弾ける。優しいスモーキーな風味とフレッシュなミルクの味わいが口の中で溶け合い美味。

●鮎
浅野川の天然鮎。

その光景をそのまま切り取ってきたかのような、躍動感のある姿でお料理に。骨までサクッと行けるちょうど良いサイズ感でした。
ソースは、新玉ねぎを発酵させてライムジュースと合わせたもので、甘さのある酸味が鮎にピッタリ。ワラビのピクルス、フェンネル、木の芽。

●ズッキーニ/ヨモギ/七面鳥
馬場農園さんのズッキーニは、2種のお料理として。
まずは、2層に分かれた涼しげなムース。ズッキーニピクルス、宇出津のワカメの出汁、じゅんさい、白山麓の山ヨモギのオイル、それぞれが持つ緑の風味が複合的な美味しさを完成させています。

もう一品は、ズッキーニ1本を丸ごと農口尚彦研究所の酒粕とゴルゴンゾーラでコーティングし、3日間粕漬けのようにマリネしてから、脱水して焼き上げた料理。花の方には、なんと、もうお目にかかれないと思っていた阿岸の七面鳥が入っておりました。胸、もも、砂肝を白山白峰で採れた天然葉わさびで巻いて詰めてあり、七面鳥の鶏油を塗ってオーブン焼きに。火入れも抜群で、パワーと品のある味わいが繊細なズッキーニにピッタリでした。

●パン
パンは2種類。こちらも自家製酵母になりました。
1つは15穀米のカンパーニュで、アントシアニンの味わいがしっかり出ていて、とても好みでした。
もう一つは、金沢六条大麦とセイズファームのメルローの酵母で。

●ヘタ紫茄子/熊
加賀野菜の一つでもあるヘタ紫茄子を薪焼きで、七面鳥の出汁とオリーブオイルを表面に塗りながら焼き上げ、熊のラグー、薪の香りのベシャメル、能登115の泡ジュレと共に。驚いたのは、春獲れの熊で作ったのラルドを仕上げにハラリと乗せてあること。
ヘタ紫茄子の、凝縮した可憐な味わいにうっとりし、ラルドで旨味の奥行きがグンと増している。素晴らしい美味しさでした。

●シロソイ
シロソイ、川さんのトマト、エゴマの実の塩漬け、金沢港であがったさまざまな魚のスープ、剣先なんばと。

●上田農園トマト
上田農園さんは、月の満ち欠けで収穫を決める探求型の凄腕農家さんです。シェリービネガー、ハマナスの花と。

●鹿
見るからに美しい、パーフェクトな火入れの鹿はシルクの舌触り。添えてある球状の揚げ物は、鹿のスパイシーハツボール。鹿の血を入れた生地で包んで揚げてあり、深い味わいをスパイスの可憐な風味が持ち上げます。

●岩牡蠣パエリア

●白ガスえびのカルドソ
絶品!これは素晴らしい。高級食材である白ガス海老の、高貴な味わいを昇華させた一品。
ホッと一息に味わうつもりが、後半戦ここで盛り上がりました。

●能登杉
口に入れた瞬間に能登の山の中に連れて行ってくれる、杉のデセール。これは新発想、新感覚。この風味に脳が支配されました。

●とうもろこし/マンゴー
薪で焼いたとうもろこしのアイスは太陽の味わい。黒蜜、フレッシュのマンゴー、レモン、マリーゴールドで、元気のある南国の味わいに可憐さも演出。

●ミニャルディーズ、ハーブティー

「respiracion」で使用している器、食材など紹介(敬称略)
【器】
辻和美・secca・竹俣勇壱・森岡希世子・艸田正樹・喜八・山田睦美・保木詩衣吏・結城彩・山崎貞明・HANASAKA・FUTAGAMI・能登ヒバかほり箸・金沢二俣和紙・中井波花・藤田和・高梨良子・我戸幹男商店・藤丸枝里子
【食材】
農口尚彦研究所・中田洋助・蓮だより・きよし農園・あんがとう農園・阿岸の七面鳥・magazzino38・高農園・堀他・上林金沢茶舗・のとじま海塩・内田智子・角花豊・重福水産・笠間農園・里山備忘録・岩田商店・弘法池水
【空間】
ハルナツアーキ・MMA・竹田建設・アースリング・(株)沢工務店長尾大樹・左官工房 山岸・菊地家具製作所・
totem・Cazahana・ Rebellefleur・大村大悟・竹山紙器・しんち林業・大森慶宜

「comer(コメール)」2ツ星レスピラシオンが展開するガストロバル。北川シェフのカタルーニャ料理がすごい!要注目

「PiSO しあわせチーズ」レスピラシオンのバスクチーズケーキが絶品!お土産にも喜ばれる

【ピソカナザワ】金沢土産に注目の新商品登場!あのレスピラシオンが手掛ける第2弾は金のフィナンシェ。2024年6月14日発売開始!

「やいとい亭」手頃でうまい焼肉ホルモン人気店。赤身カルビの“秒でやいとい亭”と、大判リブロースの“さっとやいとい亭”必食!