創業350年、金沢で最も長い歴史を持つ老舗料亭「つば甚」さん。
2025年7月に朝食限定で始まった『かに粥』は、「老舗料亭の味を朝から気軽に体験できる」と評判を呼び、予約が相次ぐ人気メニューとなりました。そして2026年4月16日、そのかに粥を主役とした昼御膳もスタートしました。
何か特別な席でもなければ訪れる機会の少ない料亭ですが、朝御膳・昼御膳なら比較的気軽にその世界観に触れられるのが大きな魅力ですね。

つば甚さんの歴史は深く、加賀百万石の礎を築いた前田利家が、尾張に居を構えていた頃から代々のお抱え鍔師だった鍔家で(刀剣の鍔(つば)のことです)、三代目甚兵衛が宝暦2年(1752年)に 鍔師の傍ら営んだ小亭・塩梅屋「つば屋」が「つば甚」の始まりなのだそうです。宝暦2年ですから、江戸中期ということになりますね。当時、友人や知人をもてなした趣向に満ちた料理がたちまち評判となり、藩主はもとより藩内の重臣が訪れるようになったそうです。やはり“おもてなしの心”というのがルーツにあるんですね。
ちなみに、伊藤博文、室生犀星、芥川龍之介、三島由紀夫、横山大観、山下清などなど、歴史上の偉人も訪れています。

朝御膳と昼御膳のお席は2階。犀川と金沢の街並みを目下に眺めることができる窓際にカウンターが設けられています。素晴らしい景色です。

今回いただいた昼御膳は、かに粥に加え、季節の地元食材や加賀野菜、伝統料理を取り入れた料理が並びます。
玉蜀黍真薯、アカモク、焼き浸し(茄子のオランダ煮、加賀野菜:金時草、加賀れんこん、五郎島金時)、蒸し鮑の煮こごり、どじょうの唐揚げなど
※季節で内容は変わります。

玉蜀黍真薯には、つば甚さんの家紋である刀の鍔の焼印が押されています。

お造りはヒラメと甘海老。あえて昆布締めにして料亭らしい仕事を施し、煎り酒とあられ塩でいただきます。「新鮮なお魚は他のお店でも味わえる。だからこそ、つば甚では料亭として手を施した魚を体験してほしい」という女将さんのお話しになるほど。料亭さんに訪れた価値を高めてくれました。

加賀野菜までしっかり味わえるのは嬉しい。

そして主役のかに粥。
朝食でいただいた際も十分に贅沢でしたが、昼御膳ではさらに趣向が凝らされていました。

一杯目は紅ズワイガニを使用。丁寧にほぐした身がたっぷり入り、ふわりと広がる甘みと風味をシンプルに味わえます。



二杯目はなんと毛ガニを使用し、身と内子も添えます。贅沢!内子の濃厚なコクに、新生姜の香りが重なり、同じかに粥でありながらまた異なる味わいを楽しめました。

金沢旅行で「何を食べようか」と迷う方も多いと思いますが、この御膳には海の幸、加賀野菜、郷土食、そして老舗料亭の技術が凝縮されていて、一食で金沢の食文化を巡るような体験ができます。ぜひ訪れてみてください。
<コース詳細>
【朝御膳】かに粥 +朝食メニュー(自家製豆腐、だし巻き卵のあおさ餡掛けなど)
価格:5,280円(税込)
営業時間:8時〜/9時〜/10時〜(3部制)
【昼御膳】かに粥 + 昼食メニュー(季節の魚と野菜の昆布締め、季節のお野菜の真薯など)
価格6,820円(税込)
営業時間:12時〜(1部制)
つば甚のかに粥をTable Checkから予約
https://www.tablecheck.com/shops/tsubajin-breakfast/reserve
