【加賀しずく】石川県が16年かけ開発した大玉の新品種梨。6年目に突入し初競りは過去最高値!大きいけどきめ細かくてジューシー

(初投稿2017/9/7に、最新情報を加筆して投稿しています。)

「加賀しずく」は、石川県の農林水産部が1998年(平成10年)より16年をかけて育成した新品種梨です。初出荷されたのが2017年ですが、デビューすぐに人気が出た印象を受けます。この梨の特徴は、大玉なのにジューシーで糖度が高いこと。重さは約600g、大きいものでは800g以上になりますからかなりの大玉です。
しかし、味は大味ではなく繊細でとってもみずみずしく美味で、 “大玉の梨=カスカス”なイメージをくつがえします。糖度は12~13度で「豊水」と糖度は同じくらいですが、加賀しずくは酸味がないのでよりいっそう甘さが伝わりやすいんですね。

(糖度検査をする 試験場 村濱稔さん)

競りは本年2022年で6年目を迎えました。
デビュー初競りは2017年8月25日の朝、金沢市中央卸売市場で行われ、1箱6個入りに10万円の値が付きました。店頭ではプレミアムに位置づけられる「特秀」(糖度13%、780g以上、形状きれい)が2個5400円の値がついているというニュースもありました。初年度は試験的に発売となり、販売エリアは石川県内のみでした。
2018年は最高等級「プレミアム」の1箱(7個入り、5キロ)が7万円でした。
2019年・2020年・2021年は3年連続、1箱(6個入り)10万円に。
2022年の初競りは8月27日に行われ、1ケース(6個入り)が15万円の過去最高値で競り落とされました。

過去に、試験場にて加賀しずくの原木(マザーツリー)も見学させて頂きましたが、見るからにずっしりとした梨がたわわに実っていました。

ひゃー大きい!!

シーズンは短く、8月末から9月中旬までですから、気になる方はぜひお早めにご購入ください。
オリナルデザインが施されたケースも可愛らしいですね。贈り物にも喜んでもらえそうです。

 

ちなみに、「スーパースイーツ調理専門学校」特別講師として、「石川県農業試験場」さんに梨の協力を頂いて、4種の食べ比べの授業をしたことがあります。

①「めいげつ」は江戸時代、金沢市北町の一左衛門(陶磁器の行商人)が新潟から持ち帰った「日の下」と、前田家が四国から入手し栽培していた梨との掛け合わせと言われています(諸説あり)。大玉で糖度は13ほどと高いですが少し大味。大根のような食感で、昔の品種って感じでした。
②「二十世紀」は青梨の代表格。酸味あり爽やかな味わいで、歯切れよく食感しっかりめ。
③お馴染み「豊水」
④「加賀しずく」豊水と食べ比べると違いが分かりやすい。糖度は13%と同じですが、加賀しずくのほうが甘く感じます。理由は“酸味”。豊水は酸味もあるので、バランス良い味にまとまっており、加賀しずくは酸味ないので甘さがバーンと前に来ます。