「鮨処あいじ」店主の人柄も溶け込む美味いすし。地元支持率も超高!いいねあいじ!スペシャリテのど黒蒸し寿司、雲丹蒸し寿司。ガリ代わりの浅漬けもハマる

料理: 7.0 その他: 7.0 ポイントについて
鮨処あいじ (すしどころ あいじ)
営業時間 18:00~22:00
定休日 日曜
価格帯 10,000円~20,000円
訪問回数 10回10回以上

金沢片町の飲食店が軒を連ねる伝馬町通りの一角にあるすし店で、地元信頼度がすごく高いお店。店主の下谷愛治さんは、野々市市の「太平寿し」さん出身で、職人気質ですがとても温和な方で、お人柄の良さも味に現れているような気がします。お客さんからの信頼がとにかく厚く、行ったことがある人100人に「あいじいいよね?」と聞いたら100人が「いいねあいじ、私も好きやわ〜」と返ってくるのではないでしょうか。握りのお米は津幡の山間で収穫されたコシヒカリ。あいじさんが握るすしは、確かな腕が示すフォルムの美しさにまずは惚れ惚れするでしょう。個人的にサイズ感もほどけ方も超好みのタイプ。一番好きかも。ネタは季節感を最も大事にしており、例えばイクラは同店で提供しているのは9月10月の短い旬の期間のみ。どどんと食材を見せる実演系ではなく、丁寧に仕込みをしたネタが木箱に。こういう雰囲気も好きです。さらにあいじさんで特徴的なのが、ガリの代わりに出てくる「野菜の浅漬け」です。絶妙に寄り添う香草の風味が後を引き食べ出したら止まりません。(スペシャリテは後記)そして、おいしいすしを提供してくれる一流店なのに、比較的良心的な価格で食べられるということも人気の理由です。(要予約)
席は今までL字のカウンターに8席と個室が一つでしたが、オープンから9年目にお隣に増設し「離れ」が増えました(厨房は中で繋がっています)。とは言え、1階から2階までのインターバルが発生するのでは?と思っていたのですが、なんと2階にも調理台があって職人さんが一人付きます。なるほど、これなら逆に接待などに最適ですね。1階カウンターで店主が握ってくれるのもいいですが、ここ2階はまたちょっと違う特別感があります。
金沢グルメのバイブル あすかの美味献立(びみこんりゅう)

(最終訪問日 2019年8月17日)

2019年8月17日のあいじ

お料理は、どんな感じがいいかざっくりリクエストして、あとはもうおまかせッ!
お酒は地酒を中心に揃いますが、これがまた銘酒揃い。酒好きは「あー!いいねぇ!」となるはず。
●天狗舞 TEN mousseux 純米吟醸生酒
乾杯にぴったりの発砲系の日本酒。炭酸を添加したものではなく天然の発酵です。酒色からにごり酒のようなどっしりした甘みを想像するのですが、軽くキリッと、ほんのり甘みがあり、良い意味で日本酒らしくない。シャンパンのように飲めて美味しいんです。ただでさえ美味しい酒を作る超名蔵ですが、この酒を飲むと車多酒造さんの技術の高さを再確認できると思います。このお酒はかなり限られたお店にしかありません。あいじさんと酒蔵さんとの信頼度の高さが読み取れます。

●白菊 特別純米酒

●吉田蔵 吉田酒造店 純米大吟醸
手取川で有名な吉田酒造店の吉田蔵。このシリーズは同蔵のチャレンジシリーズで、水も酒米も酵母も地元の物を使うという制約の元、醸されています。本来の酒造りを深く考える、未来を見据えた酒。

(※写真は一部です)
●おつまみ
毛ガニ雲丹に能登の伝統野菜である金糸瓜を敷いてシャキシャキと。ああ、夏の味。

ホウボウとイカはいしるを少し効かせた出汁で。魚、イカに抜群の相性。故郷能登を思わせる懐かしい味。

●握り 
イカ、車鯛の昆布締め握り、クエ、甘エビ、コハダ、万寿貝、ノドグロなど
上記の通り、あいじさんの握りのフォルム、サイズ感、ほどけ加減が大好きです。やや小さめ、細身のスリムに握ってあり、ネタもシャリも口の中でしっかり味わえるし、お酒をスッと入れてもマリアージュを楽しめる余裕があります。





●甘鯛の蒸し寿司
後記のスペシャリテ蒸し寿司シリーズに初の甘鯛が。これもうまいなぁ。

あいじのスペシャリテ

ぜひ味わってほしいのがスペシャリテの蒸し寿司です。
●ノドグロの蒸し寿司
ノドグロ握りとの対比も面白いですよ。酢飯は蒸すことで表情が変わり、酸味の角が和らいでねっとりとした食感になります。同じくノドグロも蒸すことでより一層とろける口当たりになりますから、ふくふくとした温かさと共に両者の甘さが膨らんで一体となります。
金沢グルメのバイブル あすかの美味献立(びみこんりゅう)
●雲丹の蒸し寿司
こちらもオススメです。熱の入った雲丹の開いた甘さととろけ感。
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●あいじさんのイクラ
イクラはあまり季節感なく年中食べられている食材ですが、ここでは9月10月の旬のみ提供。一粒ひと粒が丸々として張りがあり、濡れた瞳のように艶やかで美しい。口の中でプッチンと遊び弾けてこぼれ出すエキスは濃厚で、シーズンものの別格のうまさを教えてくれます。
金沢グルメのバイブル あすかの美味献立(びみこんりゅう)