輪島にある超人気のイタリアン。地物食材がしっかり味わえて、リーズナブルな価格も同店の魅力です。
同店は、“広島で一番予約が取れないイタリアン”と言われたレストランで、ご縁あり2012年12月に輪島に移転という形でオープンしました。オーナーシェフ村井宏治さんが能登の食材に惚れ込み、輪島への移住を決意されたというだけあって、料理には能登の里山里海の恵みがふんだんに取り入れてあります。いつも賑わっているのですが、観光客だけではなく、輪島に住む人たちにも愛されているのがすごい。特に2回転目は地元客さん多めです。
全体的な料理の印象は、イタリアンの勢いやダイナミックさがあり、ポーションもややしっかりめで、地物食材を思い切り堪能できるところがいいですね。
場所は朝市などで賑わう輪島の中心部。大通り沿いに佇む町家風の一軒家で、内装は赤と白を基調にしたナチュラルかつカジュアルなデザインで、おしゃれな雰囲気が漂っています。
ちなみに店名はイタリア語でSOSの意味だそうな。なぜ?(笑)
●パスタコース(3950円)(お好きな前菜2種、お好きなパスタ2種、デザート、コーヒー)
●アユートコース(5250円)お好きな前菜2種、お好きなパスタ2種、お好きなメイン、デザート、コーヒー)
この間のコースもあり。さらにアラカルトで選ぶのもOKという柔軟な感じです。
2021年8月2日訪問
ゴロゴロと素材感がしっかり感じられて、以前よりもお料理がよりシンプルに感じられました。また、サザエやシタダメといった、能登の人間にとってはとても親しみのある食材使いがとっても心に染みました。
●コハダとシタダメのマリネ
シタダメは浅瀬の岩に張り付いている小さな巻貝で、夏に海に入って獲ったものを塩茹でし、針でクルンと身を取り出してよく食べたものです。能登の家庭の味。
その懐かしみのあるローカル食材を前菜として。身は小さいですがやわらかく、ほんのりとした苦味が後を引きます。コハダ、ミョウガ、トウモロコシ共に、イタリアンパセリのソースで、フレッシュバジルを添えて爽やかに。
●ほうれん草のパン
●甘海老と赤イカ、ズッキーニのアグロドルチェ
個々の素材感しっかりゴロゴロ、甘酸っぱいソースで。ズッキーニが夏の味。
●サザエとトウモロコシのスパゲッティ
サザエとトウモロコシ、そしてシシトウ。この食材、なんだか夏の夜の能登の食卓が思い起こされます。オイルパスタとしてシンプルに。
●タコとオクラのジェノベーゼ
やわらかいタコと粘り気のあるオクラ、ひらりと薄黄色のオクラの花びらも添えて。花びらもねっとりオクラの粘りがあります。フグの卵巣糠漬けを塩気としてあり、塩味に奥行きのある旨味が広がります。
●牡蠣とカサゴのオーブン焼き
●ドルチェ メロンジェラート、チョコレートプリン
チョコレートプリンは洋酒を効かせた大人の味でした。
パスタもボリュームあり、かなりお腹いっぱいになりました。
2019年3月15日訪問
私は今回、内容はシェフのおまかせにさせていただきましたら、今回は前菜は3皿、パスタ1皿、メイン1皿、ドルチェという構成に。
●中島宮本水産生牡蠣
中島牡蠣生産者さんオススメは実は春牡蠣なんですよね。添えてある海藻アカモクはやはり食感が美味。菜の花と共に春らしい演出。能登の海を感じる一皿でスタートです。
●岩だこオレンジのマリネ、ハタハタのカルピオーネ
オレンジを器にしたパッと目を引く一皿。岩だこはぶつ切りですが柔らか〜い。ハタハタは白ワインビネガーと白ワインソースでカルピオーネに。また違った海の景色。
●ヤリイカのグリル アンチョヴィソース
ぷっくりヤリイカが寝そべる可愛らしい一皿。イカの存在感ありますが、火入れナイスで食感よく、みずみずしくぷくっとやわらかですんなり胃に収まります。
●パン
この日のパンは段階的に2種。まずは緑色の蕗の薹のパン。ほろっと後引く苦味がクセになる。もう一つは、ひまわりの種など10種入りの軽やかな野趣を感じるパン。
●ゴルゴンゾーラとフグの卵巣のクリームソース
軽やかなお皿3つの次にこの流れ、いいですね。湯気に乗ってゴルゴンゾーラの個性的な風味が鼻をこそがします。塩味はフグの卵巣糠漬けから。ガス海老と原木しいたけを添えて。でもフグの卵巣が名脇役としての良い仕事してますね。奥深い旨味がソースに溶け合います。
●白山イノシシ コンフィ
●ドルチェ(パンナコッタ、キウイシャーベット)
2種盛りにて。パンナコッタはハーブの風味が効かせてあってクリームの重厚感をふわっと持ち上げます。これはおいしい。おかわりしたいくらいおいしい。ずっと食べていたいくらいおいしい。食後にカプチーノを頂いてごちそうさま。
2017年以前訪問
●クロスティーニ
●アオリイカと香味野菜のサラダ
パープルカリフラワーやロマネスク、赤かぶなど、彩り鮮やかな一皿に胸が高鳴ります。アオリイカは、軽く焦げ目を付けて仕上げたものと、イカ墨で和えたものの2種があり、イカ墨の方は、お皿の底に敷かれた禅味溢れる味わいの黒米にピッタリでした。野菜のようにお米を使った一皿でもあります。
●パン
自家製の焼きたてアッツアツ!このパンも人気ですね。おかわりをされる方多し。ある日は、人参の葉を練り込んだもので、温度と共に風味が口いっぱいに広がりました。
●穴水牛バラ肉の煮込み
牛の旨味もソースも食感もしっかりしていて、どっしり系の赤ワインが良く合いそうな味わいでした。
●香箱ガニのリングイネ
トマトソースだとトマトの味になっちゃいますが、オイルは香箱のおいしさを凝縮させながら引き立てていていいですね。パスタの細さと茹で加減も絶妙。
●香箱とアサツキのオイルスパゲティ
●カキ貝のクリームパスタソース リングイネ
やや平打ちのパスタ「リングイネ」の口当たりが気持ちいい。ふぐの卵巣漬けを入れたクリームソースが絡み、クリーミーな中に程よい塩気と深みが生まれています。
●シバタケのペペロンチーノ
●ドルチェ
紅茶のカタラーナ、パンナコッタ、ズッパイングレーゼ
食事にワインは必須ですから、ここに来るなら近隣に宿泊するのがオススメ。徒歩圏内にビジネスホテルもあるので、グルメ目当てならそういう攻め方もいいと思います。