チェコ料理店は全国でも5軒ほどしかないと言われていますが、そんな珍しいチェコ料理の専門店が金沢にあるんです。オープンしたのは2014年8月10日。私もチェコ料理に経験があるわけではありませんが、チェコ料理未経験でもおいしく感じられ、人気の理由がよく分かります。チェコ共和国はヨーロッパの内陸国なので、食材は肉類や穀類、乳製品が中心。限られた食材に工夫を凝らした伝統料理がたくさんあります。オーナーシェフ柏照康さんは、なんとロシアやブルガリアなどの公邸料理人を務められてきた実力派です。チェコを含め各国で約5年半腕を磨かれてからの帰国、故郷である金沢に開業となりました。
場所は中央味食街と新天地の間で、店内にはオープンキッチンのL字カウンターがあり、2階にもワンフロアお席があります。
同店の器がいずれも“チェコスロバキア”時代のアンティークということでこちらも必見です(1993年にチェコスロバキアがチェコとスロバキアに分離し、チェコ共和国が成立)。なかなかの年代物もあります。
料理はアラカルトとコース↓があります。
●軽く食べられるチェコ料理(4皿、4000円)
●しっかり食べるチェコ料理(6皿、6000円)
●リッチに食べるチェコ料理 (要予約、4名様より、10,000円)
(最終訪問 2021年2月6日)
生ビールもチェコから。
チェコ瓶ビールの取り揃えにも注目です。
20201年2月6日のディナー
●チェコのポテサラと砂肝のコンフィ
まずはお通し的な一品を出してくれました。チェコのポテサラには、根パセリ、人参、セロリなどのピクルスをゴロゴロ混ぜ込んであり、優しい酸味が効いていて美味。
●前菜
ウトペンツィ、トラチェンカ、鶏タルタールバゲット、ピクルス
チェコの定番おつまみであるソーセージの酢漬け「ウトペンツィ」は、毎回絶対に食べたい大好きな料理。約5日ほど酢漬けにしてあり、まるみのある心地よい酸味が、肉の旨味と程よく調和しています。おいしい!!
「トラチェンカ」は豚の煮こごりで、豚のコラーゲンだけで固めてあるナチュラルなおいしさ。乳酸発酵のピクルスは1つ1つの野菜別に漬けてあります。
●ナクラダニーシール
「ナクラダニーシール」はカマンベールチーズのオイル漬け。オイルに漬けながら熟成させてあり、白カビの個性が和らぎ、いつものカマンベールとは違うニュアンスで品良いコクが出ていて美味。とろとろのチーズを、両面をちょっと焦がしたパンにつけて頬張る幸せ。散らしてあるのはチェコのパプリカパウダー。
●スープ
●鹿の赤ワイン煮込み(左)、イノシシの黒ビール煮込み(右)、茹でパン添え
いつもの定番は牛肉とパプリカのシチュー「ホベジー グラーシュ」ですが、今回は2種類の煮込みをワンプレートにしてくれました。
黒ビール煮込みは苦味を効かせたさっぱり味で、対照的に鹿の赤ワイン煮込みは甘めで。濃厚ですが脂がどっしり過ぎずておらず美味。
添えてあるのはチェコの伝統的な茹でパン「クネドリーキ」。何度か発酵を繰り返した生地を茹で、オーダーがあってから蒸してくれます。日本の蒸しパンよりもふわふわ軽くシンプルな味わいでソースに良く合います。こちらも大好きな料理。
DUB ある日のコース
●トラチェンカ 豚の耳と舌と足の煮こごり
●ザビナーチ、ウトペンツィ、砂肝、ピクルス
冷たい前菜を少しづつ盛り合わせ。くるくる巻いてあるのはイワシの酢漬け「ザビナーチ」。「ウトペンツィ」はソーセージの酢漬けで、チェコ定番のおつまみ。
●ナクラダニー シール
こちらも定番の人気料理、カマンベールチーズのオイル漬け。
●ホベジー グラーシュ
牛肉とパプリカのシチューのことで、どっしり重く見えますが赤みはパプリカなのでコクはありますが案外あっさり頂けます。
添えてあるパンは、伝統料理の茹でパン「クネドリーキ」。日本人にとっては不思議な食べ物ですが、これはぜひ試してもらいたいです。何度かの発酵を繰り返した生地を茹で、オーダーがあってから蒸してふわふわで出してくれます。
●蜂蜜ケーキ、アップルステュルーデル
「アップルステューデル」は、言わば林檎パイをロール状にしたようなスイーツで、外皮が薄くて食感軽く、甘さも控えめでおいしい。
DUB 単品メニュー(一部)
●ピクルス
●ウトペンツィ ソーセージの酢漬け
●ナクラダニーシール カマンベールチーズのオイル漬け
●クジェチロターダ
鶏肉のロール料理で外側の層はベーコン。マッシュポテトが敷いてあります。
●ホベジー グラーシュ 牛肉の煮込み