能登島にある十割そばのお店。店主田中哲也さんが打つおそばの一番の特徴は、つなぎを使わずにそば粉だけで打つ“生粉打ち(きこうち)”であるということ(小麦粉やお湯は使用していません)。そばは、「更科」と「挽きぐるみ」は長野八ヶ岳産、「田舎は」奥能登の珠洲産、さらにお水は中能登町瀬戸の「十却坊(じゅっこうぼう)の冷水」というこだわりです。お店までは、和倉から能登島大橋を渡って、「のとじま水族館」を目指すように向田(こうだ)に進みます。「さわだ旅館」さんや「島宿せがわ」さんなどの民宿を過ぎてすぐに、“そば営業中”の小さな看板が立っていますからお見逃しなく。民家の中を行くと同店「槐(えんじゅ)専用駐車場」があり、お店までの案内看板がありますので、それに従って進んでください。すぐ近くなのでご心配なく。凛とした白地の暖簾がかかったお店に出会います。
お店を目指す道のりも良いもので、能登島のドライブを楽しみながら向かってください。
民家を利用したお店の店内は、畳の間にテーブル、お座布団が並び、品良く整えられた落ち着きのある空間です。
(最終訪問 2020年10月31日)
●三色盛り(1,980円)(1.5人前)
更科・挽きぐるみ・田舎の3タイプが味わえる価値ある合わせ盛り。それぞれの味わいや食感、風味、のどごしなど、違いが食べ比べができます。
そばの芯部分みを使用した“更科”(写真左)は、何といってもその純白が眩しく見惚れる美しさです。エッジが立っておりシコシコした食感で、清涼感あるのど越しが快感。私は更科が一番好き。
対照的に“田舎”(写真右)は、鬼殻のついたままのそばの実を丸ごと石臼で挽いたそば。また“挽きぐるみ”(写真中央)は、そばの実から鬼殻を取り除いて石臼で挽いたそば。
・そば湯
●季節のそば ゆず切り(半人前880円)
ゆずが黄色に色づく冬にぴったりの“季節のそば”。更科そばにゆずを練りこんであり、手繰るとゆずの風味がパッと口の中に広がります。つゆにつけずとも、そのまま食べ進んでしまうような風流な美味しさ。塩も良さそう。
●天ぷらそば(1,980円)
温かいかけそば。おそばにもぴったりのまろやかなお出汁がまた美味しくて。キリッと冷たいおそばも良いですが、槐さんはかけそばもオススメです。食べ終えた頃には体がポカポカ。