石川県を代表するすき焼店といえば、ここ長谷川亭さんや、白山市の犀与亭さん、天狗中田本店さん(冬季限定)の3つが思いつきます。金沢の人はみなさん個々に昔からご贔屓にされているお店があるのではないでしょうか。同店は創業明治8年(1875年)で、現在営業している石川県のすき焼き店では最も歴史があることになります。加賀藩士の剣道指南役であった長谷川松太郎さんが、明治維新のあとに肉屋を開店したのがきっかけです(今でもお肉屋さんと併設しています)。建物は歴史を感じさせる趣があり全個室。お肉は仲居さんがお世話をしてくれて、食べ頃を提供してくれますよ。これも“お店すき焼”の醍醐味ですね。
まずはお通しからスタート。鍋の準備ができるまでは、これでビールを一杯やるのがいいでしょう。
鍋料理はすき焼きとしゃぶしゃぶが選べます。
どちらもお肉は神戸ビーフで、お肉のランクで値段4段階コースあり、梅8,500円から、竹11,000円、松13,000円、特選16,000円まで幅がありますのでご予算などに応じて。付き出し、御飯、香の物、デザート付です。
私は、「あまりサシの入っていない赤身のお肉が良い」と予めご相談させて頂いています。“竹”か“松”が良いとのことだったのでどちらかにしています。
●「竹」上神戸ビーフ(1人11,000円)(2020年10月2日)
●「松」極上神戸ビーフ(1人13,000円)(2019年10月14日)
お店の方の手順は、まずは大きな牛脂を鍋底に塗りつけます。
そして、大判の立派なお肉とネギを焼き始めます。
割り下を煮焼く程度に回し入れ、豆腐やしらたきを投入。
お砂糖をまぶしてからお醤油をかけて調理する“関西風”(現在では店舗による)とは違い、サッと焼いて割り下を加える方法なので、どちらかというと煮込む“関東風”に近いですが、それともまたちょっと違うのが金沢風。甘めですが割り下が濃すぎず、肉自体の味を引き立てていて、私は金沢風好きだな。
さて食べ頃。
溶きほぐしたたまごにお肉をくぐらせ、「待ってました~」とお口の中へ。最初の一口を食べるまではお店の方が居てくれます。
好みど真ん中の赤身!!赤身なのにしなやかで旨味が濃く美味でした。お肉はランクによって霜の降り方などが違いますから、(価格の高い安いに関わらず)好みは分かれると思うので、好みを相談て注文するのが良いと思います。
煮詰まってきたら昆布だしを差して濃さを緩和させるのですが、この昆布だしがまた上品で、お肉のおいしさに寄り添っていい感じ。一口一口と進みます。
最後のお肉はご飯にのせて。これは最高でしょう〜!
神戸牛のすき焼きをのせた“大人の牛丼”です。ドリーム。
デザートはレモンのシャーベットでした。爽やかな酸味がお口の中をリセットさせてくれます。スッキリさっぱりおいしい。
すき焼きギャラリー
過去訪問のすき焼き写真のギャラリーです。