金沢市田上町にある人気のうどん店。無性にうまいうどんが食べたくなるとき、私が車を走らせて向かうのがここです。お店は一軒家の立派な建物ですが、山側環状線を背にして建っているため注意深く探してください。オープン前にはもう開店待ちの人がいらっしゃいます。
同店のこだわりは大きく3つあります。まず1つ目は化学調味料や添加物が不使用であるということで、国産小麦を100%使用し素材のうまさをいかに引き出すかを重視しています。2つ目は熟成法で、20時間以上かけて二段階で熟成させているのですが、なんと、夜寝かせる際にモーツァルトをずっと聴かせているそうです。モーツァルトの楽曲は、癒し効果が期待できる「1/fのゆらぎ」があるとされており、ストレスを軽減してくれることでも注目されています。きっとうどんもリラックスしながら熟成しているのでしょう、喉を通り過ぎた後も、醸し出された旨さが存在感を残します。さらに3つ目は、つゆの甘味は砂糖の代わりにワインを使っていることです。さっぱりとしたキレがあり、どことなく華やかさも感じられ、可憐で素朴なおいしさ。私はいつも最後の一滴まで飲み干してしまいます。
●かしわ天ざるうどん(880円)
うどんはさすが時間と手間をかけた熟成法でおいしさが引き出されており、伸び良くもちもちしており、つるっとした喉ごしもクセになります。シンプルにざるうどんを楽しむのもいいですが、この「かしわ天ざるうどん」がオススメできます。かしわ天にボリュームがありますが、半分は衣に青のりを混ぜてあるため風味の変化で箸が進みます。
●梅とろろぶっかけ(880円)
特にサッパリしたい日は、無農薬梅干しがのった冷うどんをどうぞ。
店内は厨房を取り囲むようにコの字型のカウンターが設けられているため、調理の臨場感がビシビシ伝わってきます。店主越井尚宏さんを始め、お店の方は皆各持ち場と連携を取りながら、呼吸を合わせてうどんを仕上げているので、食べる前に期待が高まります。営業は昼のみで、時間も11時半から13時半までと限られますので、ピンポイントで狙って訪問してください。