「羊屋羊次郎(ようじろう)」金沢で羊肉の究極を!契約牧場と連携した国産羊の美味しさに感動!

料理: 7.7 その他: 7.5 ポイントについて
羊屋羊次郎 (ひつじやようじろう)
営業時間 18:00〜23:00(L.O 22:00)
定休日 不定休
価格帯 百万石コース(12,000円)、白山コース(9,000円)
訪問回数 1回

金沢・堀川町にある、希少な国産羊肉が楽しめる古民家を改装した風情ある一軒家レストラン、その名も「羊屋羊次郎(ひつじやようじろう)」。オープンは2024年1月31日。開業からの1年半、試行錯誤を重ねてきた現在のコースは、まさに羊の魅力を発見・再発見するおいしさの連続でした。
店主は羊肉に魅せられて異業種から転身し、このお店を立ち上げたそう。開業前には全国の羊農家を自ら訪ね歩き、深く学び尽くされたとのこと。契約牧場から直接仕入れる羊肉は、いずれも身質がクリアで、雑味がなく、驚くほど洗練された味わい。それでいて、いわゆる“臭み”をただ排除するのではなく、羊本来の個性をあえて活かします。熟成具合も、生産者と連携してコンディションをベストに調整しています。さらに、生産者直なので、希少部位も入荷できるのは素晴らしい!
しかしながら東京ではなく、羊料理に馴染みの薄い金沢の地で開業するのは勇気が要ったはずです。
ただ、一度食べると羊肉が好きになること間違いなしなので、ぜひ行ってもらいたい。初めての方も驚かれると思いますよ。

羊の仕入れや仕込みがあるため、お席は予約のみ・コースのみ。

・熟成マトンのローストユッケ
とっても美味しくてびっくり。”熟成マトン”とお献立に書いてあったので、かなりクセが強いのではないかと構えていましたが、一口食べてそれが覆されました。赤身の力強さとサラッと聡明なキレ。これは一品目から心掴まれました。

・おつまみ4種盛り(地元野菜と羊を使ったおつまみ4種類)

・国産羊熟成バラ肉の角煮
吊るし熟成によって旨みを凝縮させ、2日間かけて煮込んだ角煮。本来は煮込むと臭みが出るそうですが、和のお出汁と合わせても調和するさっぱりとした仕上がりでした。

・羊次郎の成吉思汗とお野菜盛り
“成吉思汗”と書いてジンギスカンと読みます。お献立に書いてあって初めは「なんだろう」と思いましたが、スマホの言語変換でも出てくるんです。勉強になります。
さまざまな部位を店主が目の前でジンギスカン鍋で焼き上げてくれるので、ベストな火入れで食べ比べに没頭できる。

特に感動したのが、ホゲットのネックと羊タン。ホゲットは生後12〜24ヶ月の羊で、ラムとマトンの中間。その中でも“ネック”はこの年齢帯でしか取れない希少部位で、深い旨味と柔らかな繊維感が秀逸。羊タン↓は皮が薄いため付きのまま焼かれ、プリッとした弾力で美味。

・羊肉のハンバーグ
つなぎは羊の脂のみ。ジンギスカン鍋で焼き上げられ、粗挽きで肉々しく、香ばしさとジューシーさが同居。

・羊次郎のマーラータン
「頂マーラータン」と羊次郎のコラボメニュー。太めの手延べ春雨を使用し、スープは辛味があってあっさり。木滑なめこと羊チャーシューがのっています。

・羊乳ジェラートの和栗モンブラン
ラストは華やかに、羊乳チーズとはちみつを使ったジェラートに、目の前でモンブランを絞って出来立てを提供してくれました。モンブラン搾り機まで持っているとは!甘さに頼らず、余韻まで羊が香るという、まさに羊尽くしのフィナーレ。

金沢という地で、あえて羊専門というニッチな領域に挑戦した店主の心意気に、拍手を送りたいです。そのまま突き進んでほしい!とっても物腰柔らかな方ですが、料理と向き合う真摯な姿勢に頼もしさを感じました。