「ジブンチ」炭火を駆使した”Farm to Table”なイタリア料理。シェフの実家で育てる鶏の卵や自家栽培米、畑の野菜も。Tボーンは山本シェフの代名詞!

料理: 7.8 その他: 7.5 ポイントについて
ジブンチ (じぶんち)
営業時間 18:00〜0:00
定休日 日曜 (不定休)
価格帯 3,000円~10,000円
訪問回数 18回

2020年3月20日にオープンしたイタリア料理店。オーナーシェフは元「トラットリア チカーラ」の山本啓介シェフ。チカーラではシンプルで力強いトスカーナ料理をベースに、メインとしてTボーンなどの炭火焼を提供していました。同店「ジブンチ」では、土地の恵み、地元食材にフォーカスし、イタリア料理として表現。シェフの実家(石川県河北潟津幡町)で育てている鶏の卵や自家栽培米や野菜、刻一刻と変化する繊細な季節食材、例えば山菜なども大いに料理に織り込んであって、“Farm to Table”な料理だなぁと思いました。食材全部ではありませんが、そういう景色を食べ手に見せてくれるのって良いですね。キッチンにはレンガで組んだ焼き台もあり、“炭火”を駆使し、肉にとらわれず野菜や魚介なども炭火焼料理として提供します。

場所は金沢市片町スクランブル交差点を背にして、長町、元車方面へ5分強歩きます。片町の雑踏を感じない静かさ。建物は昭和中期に建てられたもので、元クリーニング店兼住居を改装してあります。壁や柱など、あえて昔のまま残してあるのがいいですね。入ってすぐが厨房で、香椿の一枚板のカウンターに6席。さらに奥に広い間取りで、テーブル席が4つほどあります。





よくこのキャパをど満席でも厨房1人で回してるなぁといつも感心します。

2024年2月 アラカルト

●モッツァレラブラータ
季節のフルーツや野菜を添えてくれるモッツァレラブラータは、ジブンチで大好きな前菜。
今回のブラータは、金沢の「magazzino38(マガジーノ38)」さん製で、石川県河北潟の牛乳も使用しています。口の中にたぷたぷと広がるフレッシュでミルキーな味わい。石川県産人参のキャロットラペもフルーティーで相性良く、さらに選んでくれたワインともマッチしていました。

●鰤のフリット
他のお客さんが注文したのがカウンターで美味しそうで、私も注文。アッツアツに塩をパラリ。自家製タルタールは、シェフ家の鶏が産んだ卵です。石川県産紫色の白菜のマリネを添えて。

●ビーフステーキ
炭火で焼き上げるので、カウンターでそれを見ながら待っているのもワクワクと楽しい。いい焼き加減のお肉をシンプルにお塩で食べるのがジブンチ。美味しいお肉と赤ワイン、カウンターおひとり様で楽しめるのも大好きなポイントです。

2023年9月 アラカルト

●モッツァレラブラータ
ジブンチで冒頭に出てくるお馴染の一品ですが、添えてあるフルーツで季節を感じさせてくれます。今回はジブンチ畑でとれたイチジクでした。

●猪メンチカツ、金糸瓜
猪の力強い旨味が、噛むほどに口の中に広がります。

●鶏バター
山本シェフの料理の中でも人気メニューの一つ。
バターの馥郁たる香りが鼻腔を刺激し、食欲が湧いてくる。レモンをギュッと絞って、爽やかな酸味を合わせて。バターとレモンが淡白な鶏肉にぴったり。

2022年4月 アラカルト

●自家製ハム、金沢湯涌の天然クレソン

●能登豚と筍の炭火焼き、花山椒

●ボロネーゼ花山椒のパスタ

2022年4月1日 白魚クロスティーニ、Tボーン、ホタルイカパスタ

山菜やホタルイカなどを取り入れた春のコースに心浮き立ちました。
●モッツァレラブラータ
季節のフルーツを添えてくれるモッツァレラブラータは、ジブンチで大好きな前菜。今回のブラータは、金沢の「magazzino38(マガジーノ38)」さん製。口の中にたぷたぷと広がるフレッシュでミルキーな味わい。
フルーツはイチゴとビーツのマリネ。シェフ家の春菊で健やかな苦味を添えて。


●トンノ・デル・キャンティ
海なし内陸部の豚肉料理で、シェフのお得意でもあります。ツナのような食感のことから、“キャンティのツナ”という名前が付いています。猟師であるシェフが仕留めた猪にて、クレソンとアスパラと。

●白魚と菜の花のクロスティーニ
鮮度の良さを感じるまだ透明な白魚を乗せて。削ったカラスミでふんわり塩気と旨みを添えます。

●鹿煮込み

●Tボーン
ジブンチの代名詞でもあるTボーンステーキです。骨も入れると1キロ以上あって見た目からワイルドで、肉も食べ応えあり。
このボリュームで焼くからこそ美味しいので、ぜひ4人くらいで訪問して注文ください。さすがの火入れ。肉の味を引き立てる塩のみで頂きます。

●ホタルイカパスタ
これは美味しい。ホタルイカの旨味がソースにも滲み出して凝縮され、つるっとしたパスタをコーティングしています。

2022年3月12月 猪、鹿、牛すじタリアテッレ

今回は、メインを選んで、あとはシェフのおまかせで作ってもらいました。
代名詞と言える炭火焼きや名物料理は外さないのはさすがだし、貴重なジビエも出してくれて感謝でした。

●モッツァレラブラータ

季節のフルーツを添えてくれるモッツァレラブラータは、ジブンチを訪れる楽しみにもなっている前菜です。
今回のブラータはイタリア産で、フルーツはイチゴのマリネで春の味。シェフ家の春菊で健やかな苦味を添えて。

●猪パテ
なんと、猟師でもある山本シェフが山で獲った猪です。これは嬉しい。
骨太なジビエのうまさを上手に昇華させてあり絶品でした。気持ちも入った一品。
金柑、クレソンのアクセントを添えて。

●アーティチョークのオムレツ
出てきたら「これが食べたかったの!」となる、もはや名物として定着しているジブンチオムレツ。
シェフ家の鶏が産んだ卵で作るくるっと巻いた円形のオムレツで、ふるふるした食感が最高です。今回はアーティチョークをのせて。

●牛すじタリアテッレ
自家製パスタのタリアテッレを牛すじとカラシ菜で。
とろんとした牛すじのゼラチン質と旨味が、ソースのように平打ち生パスタに絡まり、カラシ菜の爽やかな辛さが、脂肪の重さを切ってくれます。美味。

●群馬県産牛ランプ 炭火焼き
さすが代名詞である炭火焼きは毎回しっかり決めてきますね。断面から分かる火入れの絶妙さ。
肉はランプなので脂肪が少ないですが、赤身とのバランスが取れていて、ワイルドで整った美味しさ。
塩だけでうまい。塩で良い!となる。

●猪ハツ
山本シェフが獲った猪のハツ。限られた量しかないのに、貴重な部位をありがとうございます。
サクサク歯切れ良く、きれいな味で美味しかったです。

●鹿 煮込み、サツマイモ
鹿の存在感がしっかり感じられた煮込み。添え物のサツマイモマッシュポテトの甘さが相性良しでした。

2021年10月22月 豚軟骨のラグー

(料理一部)
●モッツァレラブラータ
季節のフルーツを添えてくれるモッツァレラブラータは、ジブンチで大好きな前菜。今回のブラータは、金沢の「magazzino38(マガジーノ38)」さん製。河北潟の牛乳も使用しているそうですよ。口の中にたぷたぷと広がるフレッシュでミルキーな味わい。押水の無花果の滋味と甘さを添えて。
クレソンは山本シェフが山に入って取ってきた天然のもので、太めの茎も柔らかくて美味。辛味がアクセントに。


●豚軟骨のラグー
パスタは豚軟骨のラグー。骨太の力強さとゼラチンの品を兼ね備えており、食べ出したらじわじわと旨味が広がり後を引き、あっという間にお皿から消えるパスタ。削ったペコリーノロマーノのさっぱりとした塩味も良い。

2021年7月8月 Tボーン

●モッツァレラブラータ
季節のフルーツを添えてくれるモッツァレラブラータは、ジブンチで大好きな前菜。今回は、桃にミントとシェフの家で採れたコリアンダーの実をのせ、妖艶な風味を添えて。
牛が描かれたお皿は、九谷焼 上出長右衛門窯 上出惠悟さんの丑年限定の牛皿です。

●鯵
鯵は焼き茄子と自家製ラッキョウをたたいたものを添えて。

●アスパラオムレツ
同店のオムレツは、シェフ家の鶏が産んだ卵で作るくるっと巻いた円形のオムレツで、ふるふるした食感が最高です。今回はアスパラをのせて。

●ヤングコーン
シェフ家で収穫したヤングコーンを外皮のまま焼くことで、中が蒸し焼き状態になり、繊細な甘さがギュッと内包され美味。ヒゲも薄皮も柔らかくて食べられる。

●イノシシ
今朝獲れたばかりのイノシシをカツに。こういう山の景色が見えるようなジビエが食べられるのも同店の魅力です。

●Tボーン
Tボーン炭火焼と言えば山本シェフの代名詞ですね。骨付きのTボーンはワイルドで迫力あり、このボリュームで焼くからこそ美味しい(4人で訪問したので注文できました)。さすがの火入れ。肉の味を引き立てる塩のみで頂きます。

●ボロネーゼ

●ドルチェ
ティラミス、gelateria RITORTAさんのジェラート、プリン

2021年5月 アスパラビスマルク、豚炭火焼

5月は何度か訪問したので、印象的だった料理をいくつか載せます。
●モッツァレラブラータ
九谷焼 上出長右衛門窯 上出惠悟さんの丑年限定の牛皿で。シンプルで可愛らしいお皿です。

●白えびのフリット

●アスパラのビスマルク
シェフ家の鶏が産んだ卵の目玉焼きを添えて、半熟の卵黄と削りチーズをソースとして食べるアスパラ。シンプルだけどご馳走です。

●タケノコオムレツ
ジブンチのくるっと巻いた円形オムレツが大好きで、いくたびに注文してしまいます。ふるふるした食感が最高。仕上げにのせた熊の脂が、温度で溶けてさりげなく味に膨らみを持たせています。

●カラスミパスタ

●炭火焼 豚
メインの炭火焼は今回豚にしました。ソースはバルサミコでフェンネルの香りをガツンと効かせて。メリハリの効かせ方がとても良いと思いました。

●gelateria RITORTAさんのジェラート

 

2021年4月16日 タケノコオムレツ、イノシシのタリアテッレ

今回はコースで頂きました。山菜やタケノコなど、春の息吹が感じられる料理に心踊りました。
特に印象的だったのは、タケノコのオムレツとうさぎのフリットです。
●モッツァレラブラータ
金沢の「magazzino38(マガジーノ38)」さん製のモッツァレラブラータ。石川でチーズ類を作っている方は珍しいので嬉しくなりました。河北潟の牛乳も使用しているそうです。口の中にたぷたぷと広がるフレッシュでミルキーな味わい。美味しい。イチゴを合わせて。

●ホタルイカと山菜のサラダ
富山のホタルイカと“自分家”のお米、アサツキ、ワラビ、セリなどの山菜で春の風を吹かせ、さっぱりとしたサラダに。

●タケノコのオムレツ
ジブンチのオムレツはくるっと巻いた円形で、ふるふるとしており、見た目からそそられます。さらに、シェフ家の鶏が産んだ卵を使用するスペシャルオムレツなんです。タケノコをのせ、花山椒を散らして、繊細さも魅力な一品。

●うさぎのフリット
うさぎのフリットのおいしいこと。衣に内包された身は、鶏モモくらいクセがなく、やわらかくジューシーで口の中で旨味が広がる。美味。新玉ねぎとタラの芽もフリットとして。

●イチボ炭火焼
さすがの火入れと言える炭火焼でした。塩で引き立つイチボの美味しさ。スイスイ食べられる。

●白ソイとコシアブラのパスタ
白ソイのやわらかく繊細な身が美味。パスタは乾麺で、コシアブラの清涼感ある風味がまるでソースのようにパスタに寄り添います。

●イノシシのタリアテッレ
先ほどのパスタとはガラッと趣向を変えて。猟師でもあるシェフが仕留めたイノシシを、5時間煮込んでゴロッとトッピング。やや食感を残して存在感もありイノシシのおいしさも堪能。自家製のタリアテッレにも相性良し。

2020年9月17日 ミョウガ花のトンノ・デル・キャンティ、シシカツ

摘み取ってきた季節の“繊細”、シェフ家で調達した食材の使い方も好きです。秋を感じる食材が目立ち始めました。
●モッツァレラブラータ、無花果

●トンノ・デル・キャンティ
チカーラの時から作っている料理で、料理名は“キャンティのツナ”という意味。キャンティは内陸部にありますが、豚肉を工夫し、繊維感がまるでツナそのもののためこう呼ばれています。スベリヒユと和えてフレッシュ感と野趣を効果的に添え、ミョウガの花の風味でふわっと持ち上げる。
手前の紅く色付いているのはオクラの花の酢漬け。鬼灯と。

●シシカツ
ザクザク衣に猪ロースのおいしさが内包されており美味。パワー溢れる旨味に、トマトと梅干しの酸味を効かせたソースがアクセントに。新ごぼうの野趣も相性良い。


●炭火焼ポーク

2020年5月15日 トリッパ、炭火焼牛

換気や消毒、席間隔を空けるなどの感染症対策をしながら営業をされていました。
ここ数ヶ月は通常営業が出来なかったので、逆に自分が表現したかったことがしっかりと見えたのでしょう、料理として落とし込もうとしている輪郭が濃度を増しているように感じました。今後はより一層メキメキと“シェフらしさ”が出てくるはずです。
料理は、完全なおまかせではなく、逆に完全なアラカルトでもなく、「こんな感じで」と投げて出てくる料理の面白さとライブ感。とっても良いなぁと思います。
●トリッパ こういう料理の実力はさすがです。

●ビーフ炭火焼

2020年3月31日 イチボ炭火焼、タケノコリゾット

グランドオープン後2度目、今回は3人での訪問で肉もオーダーしました。好きだったのはフキの炭火焼とタケノコリゾット。特にフキは使いこなしているなぁと思いました。
●アジとキウイ、甘海老のクロスティーニ


●フキの炭火焼
この時期イタリアンやフレンチレストランに行くとホワイトアスパラの料理が出ますが、これはホワイトアスパラようにフキを使っています。シェフ家で採れたフキは、天を目指すように太く真っ直ぐ伸びており、フキの個性と野趣はあるがエグミなく繊維はピンとしているが柔らかく、みずみずしく美味。なるほどホワイトアスパラのように食べられる。シェフ家の鶏が産んだ卵をのせ、パルミジャーノをかけて。


●アサリと葉にんにく

●イチボ炭火焼、富山のラディッキオ

●津幡産タケノコのリゾット
お米はイタリア米ではなく、“自分家”の米に押麦を加えて食感を出して。木の芽の新芽のアロマも素晴らしかった。

●自家製プリン、自家製ティラミス、gelateria RITORTAさんのジェラート

2020年3月27日 ホタルイカ炭火焼、カルボナーラ

チカーラ閉店からしばらくぶりの山本シェフの料理。さすがセンス良いなと思いましたし、シェフが表現したいこと、思い描いていることが伝わりました。オープンまでの準備期間に会得したことが落とし込まれていて、前店の“トラットリア”という枠から出た自由感がとても良いものとして昇華されているように感じました。
季節で食材も変わるし、炭火焼も進化するだろうし、どんどんブラッシュアップして通うごとにいろんな顔を見せてくれるでしょう。
今回は一人訪問なので肉料理は注文しませんでしたが、シェフの料理の魅力が肉だけではなくなったので、肉なしでも良いと思います。

●前菜 アジとキウイ
アジは皮目に炭を押し付け炭火の香ばしさを添えてあります。


●菜の花の炭火焼 カラスミ添え
シェフの畑で育っていた小松菜と蕪の菜の花を炭火焼で、削ったカラスミをかけて。野趣に富んだこういう料理いいですね。畑の光景を想像させます。春の苦味と炭火の香ばしさのハーモニー。

●ホタルイカと春の豆の炭火焼
ホタルイカはザルに入れ炭火で煽るようにして。これがうまい。なるほど煽ることでムラなく均一に火が入り、ぷっくりと膨らむが茹でではないので水っぽくならず、上手に香ばしさでコーティング。口の中で肝がぴゅっと飛び出しソースの役割を果たす。まだ小さいスナップえんどうはアクがなく繊細なおいしさ。ペコリーノチーズを削って。


●カルボナーラ
シェフの実家で飼っている鶏が産んだ貴重なたまごでカルボナーラ。パスタのタリアテッレも自家製。これは嬉しい。たまごのおいしさが伝わる、しつこくないナチュラルな味わいで、自家製のつるっとした生パスタに好相性。一口一口味わって食べました。