金城樓さんは料亭の中では比較的新しいほうですが、創業120年以上の歴史がある大料亭です。場所は、兼六園や金沢城からひがし茶屋街に向かう橋場で、建物は大通りからも存在感を放っています。お迎えの方がいらっしゃる玄関はそれは広くて、季節で変わる大屏風も迫力あり。中は廊下もずっと畳敷きですから、歩いているとお殿様お姫様気分が味わえるのも金城樓さんのステキなところです。
お料理は、地物の食材をふんだんに使用してあり、観光の方も喜ばれるはずです。器も、良いもの歴史あるもの珍しいものなど、料理ごとに楽しませてくれます。ご店主と女将さんのおもてなしも心地よく、仲居さんも明るく好印象。これだけのキャパがある大料亭なのに、連携の良さも感じられますよ。
【受賞歴】
・「ゴエミヨ東京・北陸2017」11.5/20点獲得
夜の会席は1万円から5000円刻みで、1万5000円、2万円、2万5000円、3万円。
(別途:サービス料15%、席料1人2000円、消費税)
また、お食事として訪れるのも良いですが、宿泊も満足度が高くて人気を集めています。
金沢を訪れるお知り合いにもオススメしてあげると良いと思います。
私は9月末に、ディナー2万円のコースを頂いております。
(日本酒一合をプラスし、席料など含めて合計2万8,000円強でした。)
日本酒は、日榮さんが金城楼だけのために作っている「特選太郎」を頂きました。
・先付八寸
重陽のお節句のしつらえがしてあります。器も色とりどりでステキ。
奥から、ワタリガニのえびす大黒しめじを添えて、白和えツルムラサキのせ、イモタコ南瓜、福浦の鮑、熟成鰤
・お凌ぎ
唐津の赤雲丹でウニの飯蒸し。輪郭のあるもち米に赤雲丹がねっとりとろけて絡みます。
・お吸い物
秋の七草のひとつである萩の花に見立てた「萩しんじょう」でした。
・造り ( アカイカ、石崎のシラサエビ、大間のマグロ、イシダイ)
あまり見ぬタイプだがこれも九谷焼なのだそうです。金と滅紫(けしむらさき)が実に高貴な面持ち(滅紫は延期式にも登場する格の高い色)。シラサエビは身に弾力があって美味。
・炊き合わせ
穴子やすだれ麩、つるまめなどの炊き合わせ。器は江戸時代のもので、口造に金がほどこしてあるのもまた趣あり。
・揚げ物
ムール貝に似たエイガイという貝で、ムール貝よりも濃~い味わいでした。しつらえが秋ですねぇ。添え物にはむかごと銀杏が。
・焼物 天然のあまご、大聖寺川の天然鮎
・酢の物
宮城の和牛にセンナのジュレ、金時草と太胡瓜に岩もずく器は現11代目大樋長左衛門さん(襲名前の)作品。
・お食事
河北潟の天然スッポンを使った雑炊。深い味わいの出汁をご飯が吸っており美味。
・水菓子
無花果羊羹、メロン、林檎コンポート、マスカット
ちなみに、この日のお部屋は「鳳凰の間」でした。
昭和3年からずっと変わらぬ佇まいで大切にされてきた、茶室の次に古いお部屋です。床柱には鉄のように硬いと言われる「鉄刀木(たがやさん)」が使われています。書院の障子の欄間には鳳凰が彫られていますよ。
また、こちらのお部屋からは、お庭にある太閤秀吉が愛した七つの石のひとつ、富士山の形をした「不二石」が拝見できるんです。これはお宝!